開墾した耕作放棄地の維持や、地域の景観維持の為など、草刈り機で結構な面積を刈るので、すぐに草刈り機のチップソーが切れなくなってしまいます。
切れなくなったチップソーで無理に刈ろうとすると、草刈り機のエンジン回転数を上げないと切れないので燃料をどんどん消費してしまいます。
また、切れないので必要以上に力を入れて振るので、勢い良く草に隠れた石など硬い物にチップソーを当てる事になります。
すると、身体は疲れるし、チップが欠けたり取れたりしてチップソーがダメになります。
だからといって、チップソーを買い替えると、それはそれで、結構お金が掛かります。
なので、かなり前からチップソーの研磨機を使っているのですが、今回、新しい物に買い換えたので紹介します。
新しい研磨機を紹介する前に、今まで使っていた「Dケンマー」の紹介から。
(しかし、写真に撮ると汚い作業台ですよね・・・片付けます。)
購入した理由は『価格が安いから』で、Amazonでグラインダー付き¥8,000弱。
刃送りの機構は無いので手で送ってあげないといけませんが、構造が簡単で値段が安く手に入れ易い割に、上手く使えば十分以上に来れる刃に研げます。
下手すると、安物のチップソーの新品よりも切れます。
もちろん、気になる点が無い訳では無くて、ネット上で検索すると出て来ますが、土台が薄い鉄板の曲げ加工なので、作業台上で滑り易いとか(対策:裏側に木の板を貼ってゴム足を付ける)、刃に角度を付ける為の固定がキャップボルトなのでいちいち六角レンチを使わないとダメ(対策:プラスチックノブ付きネジに変える)、とか。
まぁ、これらは研磨の精度に関係する部分では無いので、『気になれば対策』って所だと思います。
他に、私には気になる所が有って、そのまま使っていません。
①赤矢印の削る量を決めるボルトの先をテーパー状に加工してます。
ストック状態はボルトの先端が直角では無いので、ボルトを回すとボルトのピッチ以上に削り量が変わってしまうからです。
どう言う事かと言うと、ボルトのネジピッチが1.25ミリなので、本来は1回転回すと1.25ミリ、半回転だと0.625ミリ(合ってるか? 笑)削り量を変えられるはずですが、先端が直角で無いので、それ以上に動いたり動かなかったりするのです。
なので、ストッパーのキャップボルトの穴にはまる様にテーパー状に加工して、回した時にピッチ分だけ動く様にしました。
②緑矢印の「横すくい角」の角度出し用のプレートを追加してます。
「すくい角」に角度を付けると切れ味が良くなります。
(※ただし、あまり鋭利にし過ぎると潰れやすくなって、すぐ切れ無くなります。)
この機械は角度を付ける構造が簡素で、角度の数値管理は、まず出来ません。
毎回削る度に同じ角度に削れ無いので、削れ過ぎたり削れ無くてエッジが出来なかったりします。
毎回同じ角度に研磨出来る方が、小さなチップを無駄に削って消耗しなくて済みますから。(そんな頻繁に研磨する人の方が少ないとは思いますけど)
なので、毎回同じ角度になる様に「横すくい角」の角度を付けたストッパーの樹脂板を追加しています。
※刃の部位の名称はJISでの呼び方です。
通常はここまでの改良で、だいたい思い通りに研磨出来ます。
もっとも、私が神経質なだけで、ここまでしなくても良く切れる刃に研げますけどね。(笑)
ですが、一緒に「景観づくり」の活動をしてくださる方から研磨を頼まれた際に、次の様な問題が・・・。
通常のチップソーでは、この写真の左側の様に外周の「先端逃げ角」が刃の平面に直角で、この場合は問題は有りません。
問題が出て来るのは「山林用チップソー」の場合で、写真の右側の様に通称「アサリ」と言う「先端傾き角」が付いていて、この角度の設定がこの機械はやり難いのです。
(※赤い線は、刃の角度を見やすくする為に写真に書いた物です。)
どの様にやり難いかと言うと、この角度を付けるには赤矢印のグラインダー固定のホースバンドを緩めて、グラインダー自体を動かして必要角度に固定するのですが、ネジを締めて固定しようとするとグラインダーが動いて角度が変わってしまうのです。
自分用のチップソー研磨なら気にしないのですが、頼まれ物なので気にします。(笑)
今回の事も更新の大きな理由ですが、実はもう一つ理由が有ります。
それは、年々刈る面積が増えてチップソーの研磨が頻繁で『もっと手早く研磨出来ないか』と言う思いで、新しい研磨機を導入する事にしたのです!
これが新しい研磨機「刃研ぎ名人チップソー」。
Amazonで¥16,000くらいで、正直に言うと私には高かったのですが・・・。
右側のハンドルを動かすと刃を送れて、左側のハンドルを動かすと、ダイヤモンド砥石が刃に当たって研磨されます。
この機械が良いのは、今回の問題の「先端傾き角」を付けるのに、写真の二つのプラスチックノブを緩めて目盛りに合わせて締め付ける、とやり易い点。
まぁ目視で合わせるので厳密に言えば多少は違うとは思いますが、狙った値に数値管理しやすいと思います。
ただし、この機械も完璧では無くて、
チップソーによっては「横すくい角」を、もともとの角度に合わせ様とすると、
この写真の様にネジを目一杯伸ばしてもストッパーに当たらないのです。
これでは、せっかく他が数値管理出来るのに、研磨量が出来ないのは残念。
まぁ、この研磨量はチップソーの回転への影響はほぼ無いので、研げれば良いのですけどね。(笑)
残念なままでは気が済まないのが私で・・・(笑)
はい、スペーサー作りました!
そこらに有った木片(多分、桧)に3ミリの溝穴を開けて、オリジナルのストッパーに上から差込む様にしてあって、不要な場合は直ぐに外せます。
欲を言えば図面をひいて、本業で良く使うABS材かナイロン材をNC加工して作れば良いのですが、そんな荷重の掛かる所でも無いし、この為に協力業者さんの所まで行くのも交通費が勿体無いですし。
で、新しい研磨機を使った感想は、とにかく簡単に早く研げます。
もちろん、しっかりとチップソーの固定設定は必要ですけどね!
これで草刈りが今まで以上に捗ります!!