ここ「六ノ里」は浄水場が有って上下水道が完備された所ですが、山の湧水を利用されている家も多いのです。
我が家でも、米を炊いたり煮物をするのは湧水の方が美味しいので使っています。
今回の記事は、その大事な湧水取水の不具合修繕と取水の改良をした話です。
先日来、私が面倒見ている所の草刈りをしていて休憩中に気付いたのですが、今までに無い所を水が流れてました。
本来は、湧水を利用した後の余水(あまり水)は、赤点線矢印の所の暗渠を通って道の側溝に流れ出るのですが、水色矢印の所の道の法面を、結構な量の水が流れ落ちていました。
その結果、山肌が削られ、赤色の丸の部分に土砂が溜まって来ていますので、このまま放置すると法面が崩れ落ちる可能性も有ります。
なので、これは解消しないとなりません。
まずは『なぜ法面を流れるのか』、その理由を確かめてみました。
写真(対処した後の物ですが)の赤色の点線で示した部分の石垣が崩れて、緑色の丸の部分を埋めていました。
本来、ここは赤色の丸の部分で湧水していて、赤矢印の方向に排水用の溝が掘ってあって、湧水は法面の方には流れない様になっている様でした。
ところが、そこが埋まってしまったので、点線の矢印方向に土砂の下を潜って湧水が流れ、矢印の先辺りで結構な量が湧き出していました。
そして、その湧き出した水が、矢印の方向に法面へと流れていたのでした。
冒頭に書いた理由で、このまま流れ出るのは何とかしないとなりません。
元々の排水路に流れる様に直せば法面の問題は解決します。
ですが、せっかくいっぱい湧いていて捨ててしまうのも勿体ないので利用を考えます。
と言うのは、ここの横には、我が家の他2軒で共同利用している湧水の取水口もあるのですが、ここ最近、湧水量が少なくなって来ていて気になっていたのです。
なので、この湧水も加えて水量を増やせないかと頑張ってみました!
まず、緑色の丸の部分の崩れた石垣の石をどかして、湧いている所をはっきりさせ、元々の排水用水路に湧水が流れる様にしました。
ひと抱えも有りそうな石も有りましたが、長いバールで動かして邪魔にならない所に移動させました。(緑点線矢印の先に有るのが、動かした石の一部です。)
そのまま排水用の水路に流したのでは、次に紹介する「取水枡」を設置すると落差の関係で水が流れませんでした。
なので、板に穴を開けた物に取水用の「ダイボリン(商品名。ポリエチレンの農業用パイプ)を固定した物を作って「ダム」状にし、取水の高さを稼いで落差を確保して取水した水が効率良く流れる様にしました。
なぜ、新たな「取水枡」を設置するのかと言うと、従来の「取水枡」に入っている水は、一度、沈砂を目的とした他の「取水枡」を通してから入れているからです。
昔は栗の木(水で腐りにくいそうです)の板で作った箱を「取水枡」にしたそうですが、材料も無いし作るのも面倒なので、ホームセンターに売っている樹脂製のパーツボックスを加工して作りました。(樹脂製の箱を使うのは、近所の方のアイディアです。)
加工は、湧水側の「ダイボリン」からの水が入る部分には、百円均一で売っているステンレス製の小型ザル(大きめゴミを除去する為の物)がはまる、ちょうど良い大きさの穴を開けザルを設置します。
流れ出る側は、塩ビパイプ用のジョイントを穴を開けて取り付け、そこに流れ込むパイプより細い「ダイボリン」を接続します。
従来の「取水枡」を少し削って、新しく設置した「取水枡」からの「ダイボリン」が入る様にして有ります。
従来の「取水枡」を少し削ったのは「ダイボリン」の収まりが良くなる為もありますが、取水側をダム状にしたのと同じ理由で、湧水箇所との落差が無い為です。
取水した湧水が効率良く流れ来る様に、何度か作り直して苦労しました。(笑)
最後に、新しい「取水枡」に落ち葉や花びら(写真の白いものが花びら)が落ちて、ステンレスのザルに溜まって詰まるのを防ぐ為に、樹脂トタンで屋根を付けました。
この屋根状の樹脂トタンは曲げ加工したのではなく、この様に加工した物がホームセンターで売っていたので採用しました!
今回掛かった費用は、パーツボックス¥1,000円、塩ビパイプ用ジョイントが内側、外側の二つで¥300円、屋根状樹脂トタンが¥1,000円、ステンレスのザルが¥100円、合計¥2,400円。(板や「ダイボリン」は家に有った物なので、無料)
今までに比べ、倍近い水量を確保出来るようになったので、夏の渇水時でも大丈夫だと思います!