「善勝寺桜」の募金箱を製作していますので、記事にしてみます。
ここ「六ノ里」には「善勝寺」と言うお寺が有ります。
そして、その境内に樹齢500年と言われる桜の巨木が有ります。
これが「善勝寺桜」です。
樹齢500年の老木ですが、春には写真の様に綺麗にいっぱい花を咲かせてくれます!
開花の時期には「六ノ里」の住人が協力し合って「善勝寺桜 桜まつり」を開催します。
残念な事に2020年、2021年は「新型コロナウイルス」の為に開催出ませんでしたが、地元の方々が出店を出して、結構な賑わいです。
そんな地域のシンボル的な「善勝寺桜」ですが、樹齢500年の老木ですので、専門家の指導に基づいてケアを行ってます。
この写真が作業の様子です。(詳しくはこちらの記事を参照ください。)
この他に秋にはお寺周辺の「茅」を刈っておいた物を「チッパー」で細かくして根元に撒いてあげます。
以上の様な活動を行うのに、肥料代、燃料代、機械の賃料などの費用が発生します。
そこで、イベントの際などに、保全活動への募金をお願いしてます。
今使っている募金箱がこの写真ですが、構造的に全天候型では無いし、ただ置いて使うので、イベントの際など関係者の居る時にしか設置出来ません。(何かを流用しているのでしょうか?)
そこで、年中、通念で設置出来る様な募金箱を制作する事になり、私は物造りが大好きなので引き受けました。
本業の設計ソフトで、設計します。
3次元CADなので、部品同志の組み合いとか設計しやすいんです。
3次元データが出来たら、部品ごとに図面にして紙に出します。
各部品の図面を元に「杉」の板材から切り出して、部品の組み合う溝を彫ります。
(実際の作業中の写真が無いので、この絵はCADの物です。)
ちなみに、使った材料の「杉」の板材は、「六ノ里」と「白鳥」の有志の方々から無償で分けて頂けました!感謝です!!
部品が組み合う溝は、この写真の「トリマー」で彫っています。
部品が出来たら、一度ネジで組み上げて部品の組み合った端末を「紙やすり」で削って綺麗に仕上げます。
なぜ、仮組みで仕上げるかと言うと「善勝寺桜 募金箱 桜のマーク」の文字と図柄を彫るからなんです。
ここからは文字と図柄を彫る様子を載せます。
仮組みして仕上げたのを分解して、前面の板のみにします。
(他の部品は、乾燥による変形が怖いので組み上げたままにして置きます。)
前面の板に彫る文字の下絵を乗せて「カーボン紙」で形を写します。
写し終わったら、早速彫っていきます。
これがなかなか大変で、と言うのは材料に「杉」を用いたのですが、「杉」は木目の硬さの差が大きくて、一気に彫ろうとすると柔らかい部分が捥ぎ取れてしまいますし、下手に力を掛けると簡単に凹んでしまうんです。
拡大してみますと、こんな感じで。
細かい溝の様な傷が有るでしょ?これ、自分の爪で着いた跡なんです。
最も、この凹みは少し濡らしてあげると復元するみたいなので、後で目止め材として水で溶いた「砥の粉」を塗れば直りそうですが、でも、捥ぎ取れた部分は直らないので、気を付けて彫って行きます。
彫る刃物は、この写真一番左の「デザインナイフ」だけです。
その他のは「竹」から作った道具で、これに、
このノリ付きの「紙やすり」を巻いて、刃物で彫った角を削って丸めて、文字の断面に丸みを付けてあげます。
彫り上がったのが、この写真です。
ちゃんと文字に丸みが付いているのが分かりますでしょうか?
ここまで出来たら、他の部品と今度は接着剤を付けて、ネジで組み上げます。
作って無かった屋根部分も、作り上げます。
屋根は取り外せる様にしたいので、梁(で良いのかな?)に箱部分と組み合う溝が切って有ります。
屋根も付いた全体の姿が、この写真です。
ですが、写真の赤丸の部分、組み上げたネジが見えてますよね。
拡大すると、このネジなんですが。
このままでも構造的には良いのですが、見た目が気になるので一工夫します。
これが一工夫の後の写真。
部品を切り出して余った「杉」板で木の円柱を作って、ネジの部分を少し深くして接着剤を付けて、入れ込んで(打ち込んで)有ります。
本当は木目柄を合わせて跡が無くしたかったのですが、「板目」なので円柱を打ち込んで削ると木目が合わなくて、ちょっと残念です。
まぁ、ちょっと離れて見ると、この写真の様に目立たないので『良し』にします。
(と、書いてますが、結構気にしてます。笑)
後は「砥の粉」で目止めして、下塗り→磨き→本塗装→文字の色入れ、以上の工程が有りますが、さすがに今の時期は寒すぎて良い結果になりません。
ですので、雪が無くなった3月くらい、暖かくなったら行う予定でいます。
募金箱を設置するには、土台が必要です。
この絵は土台の図面で、これは既に「六ノ里」の方(鉄工所経営)に発注しました。
柱が出来たら一番下のコンクリート部分を作る予定です。
地面に埋め付ける様にしなかったのは、通常はお寺の庫裡に近い所か本堂脇に設置し、イベント時には会場に設置としたいからです。
ここ「六ノ里」はけっこう雪も降りますので、冬場は仕舞っておく事も出来ますし。
暖かくなったら塗装仕上げ工程を行って、コンクリート土台作成も合わせた記事にしたいと思っています。