『今日(山に)上がってみよか?もう雪が消えてまうと登れんで』と、モリエさん(*1)からお誘いを受けました。
天気も良いし、これから登れないならせっかくのお誘いだし、家内と3人で登って来ました。
(*1:モリエさんはお隣のお父さん。82歳になられますが現役の山師さんで、私の山や伐採の先生です。)
まずは作業林道を登って行きます。(この時9時半くらいです。)
この辺りはすっかり雪が消えてますが、この先を曲がって山影になるとしっかり残ってました。
作業林道が終わったら、道の無い所を登って行きました。
モリエさんは若い頃から山師の仕事でも狩猟でも、ここらを歩き回っておられたので『勝って知ったる』って具合に登り易い所を選んで案内して下さいます。
この写真は「炭焼き窯」の跡だそうで、確かに良く見ると奥の方に石組が有ります。
この後も登って行く途中に、2箇所「窯跡」が有りました。
モリエさんのお父さんも「炭焼き」もされていたそうで、子供の頃にお手伝いで炭を集落まで担いで運んだそうです。
「沢」に沿って、どんどん上がって行きます。
ところで『雪を歩いて行くのに「長靴」で大丈夫?』って思いませんか?
数日前に雨が降って、それが寒さで雪と凍っている状態なんです。
なので、長靴でも沈み込まずに歩き易いんですよ。
「郡上」では、この状態を「かってこ」と呼びます。
こんな急な斜面も上がって来てます!
私一人では確実に『え?どこ登る???』ってなりますが、モリエさんの的確なライン取りで安心して登って来れました。(足跡が分かりますか?)
そして、今日の目的の一つ、大昔に「池」が有ったと伝えられている所に到着。
なんでも、ここが決壊した際に流れ落ちた水と土砂が「牛道川」の橋をことごとく壊したそうです。(その当時は木製の橋だったそうです。)
昔々(江戸時代?)の話ですので『龍神様が下って行かれたんや』と伝え聞いたそうです。
せっかくここまで登って来ましたし、今日は雲一つ無い快晴なので、尾根まで登って山々の景色を楽しむ事にします。
まずは西側の方向。
写真では木々が多くて見えにくいですが、実際に見ると不思議と良く見えます。
右側から「白山」「別山」、それに連なる山々が見渡せました。
続いて尾根伝いに登って行き、東側の山々を見に行きます。
「大洞峠」から「明宝」の奥の山々。
多分、山の向こうが「めいほうスキー場」の有る「水沢上(みぞれ)」。
白く見える平地の奥に「大洞峠」に通じる道が有ります。
尾根の上に少し白く見えるのが「乗鞍岳」だそうです。
ここ、上から見下ろすと凄い急斜面なんですが、モリエさんの若い頃は狩猟で急斜面の下から獲物を追い上げたそうです。
今でも「キツい(郡上弁で『元気』)」方ですが、若い頃はもっと凄かったって分かります。(「六ノ里」にはそんなお父さんがたくさん居られます!)
尾根伝いに、上に、上にと登って行きます。
暖かくなって来ると、写真の様に、まず木の周りから雪が溶けていきます。
雪が少なく見えますが、穴の深さは50cm以上。
つまり積雪量はそれくらい有る訳です!
「母袋烏帽子岳」のすぐ横の山頂から。
奥に一番白く見えるのは「御嶽山」だそうです。
写真は省略しますが南東の方向に「恵那山」も見えました。
一通り山々の景色を堪能したので、そろそろ下ります。
下山は来た時とは違うルートで、大きな「檜」の林を通りました。
「檜林」、下から見上げるとこんな感じ。
なんか、どこかの『住宅会社』の宣伝に出て来そうでしょ。
いろいろと教えて頂きながら、無事に帰着しました。
モリエさんと話すと、これが楽しくて!
家に戻るとお腹も空くはずで、14時を回ってました。
実は上でモリエさんから「味噌餅」を少しもらったんですが・・・冬の間になまった身体では燃費も悪かったみたいです。(笑)
今年はもう雪が消えて、これから先は「笹竹」が蔓延って登り難くなるそうです。
また来年の楽しみに取っておきます!!