R6源蔵寺棚田再生 第4回目

先日の記事で事前準備を紹介した「源蔵寺棚田の再生 第4回目」を実施しましたので記事にしてみたいと思います。

東海地方も梅雨明けして暑い日が続いており、実施日当日も例年以上の暑い日でしたが、細かく休憩を取りつつ無事に作業を行う事が出来ました。

今回の参加者は、町からの一般のご協力者の方が4名、東京の自由学園の方々が21名、岐阜の東海学院大学の方々が15名、東海農政局の方々が7名、「六ノ里」の方が5名、合計56名と多くの方が参加協力してくださいました。
参加いただいた皆様、誠に有り難うございました。

さて、いつもなら当日の様子の前に事前準備を紹介しますが、
前回記事にしてますので、そちらを参照いただき、今回は実施直前の様子のみ紹介します。

過酷な雑草の根の処理を、ほぼ連日1週間半ほど行い、この様に「畝立て前のトラクター耕起」の前まで何とか漕ぎ着けました。

が、開催日の数日前より雷雨が続いて、畝立てが出来ません!

『もっと早めに出来なかったの?』と思われる方もおられるかもしれませんが、
あまりに早いと土が固くなり過ぎますし、雑草も生えてしまいます。

なので、開催日ギリギリを狙っての作業計画だったのです。

出来なかったのは仕方が無いので、それはそれで諦めます。

しかし、畝が出来て無いと種蒔きが出来ません。
自由学園の生徒さん達には「蕎麦の種蒔き実習」を行なってもらいますので、出来ないでは困ります。

そこで保険として昨年行った圃場に畝立てを行ってますので、今年の実習はこちらで行ってもらう事にしました。

では、ここから当日の様子を紹介していきたいと思います。

写真提供:松川哲也氏

いつもの様に、六ノ里集会所に集合です。
今回は多くの方に参加協力いただいたので、全員が写真に写っていません。

自由学園の皆さんは「源蔵寺・畑ヶ谷遊歩道」を歩いて現地集合なので、その旨を主催者からお話しさせていただき、早速現地に向かいます。

写真提供:松川哲也氏

現地に着いて道具類を下ろして準備していると、程なく自由学園の皆さんが到着されました。

写真提供:松川哲也氏

全員が揃ったところで「ふるさと指導員」から本日の作業の概要を説明し、自由学園、東海学院大学、東海農政局、各々簡単に紹介してもらいました。

その後、種蒔き班(自由学園の方々)と支柱作り班(東海学院大学と東海農政局の方々)に別れてもらいました。

一般の参加協力の方々は常連の皆さんでしたので、今回はスタッフの補助をお願いしました。

写真提供:松川哲也氏

この日、畝立て用にトラクターでの耕起を六ノ里棚田米生産組合の方に行っていただいてましたので、その様子も参加者の方に説明し見学してもらいました。

では、実際の作業の様子を紹介していきます。
まずは蕎麦の種蒔き班の様子から。

写真提供:松川哲也氏

今年も「スジ蒔き」で行います。
今回は1グループ4人に分かれて、作業してもらいます。

まず、スタッフが実際に種蒔きの仕方をやって見せて、作業の仕方や注意点を覚えてもらいます。

具体的な作業方法は、まずイボ竹(農業用の支柱 直径16mm、長さ120cm)を畝の上に押し付けて、種を蒔く溝を作ります。
次に、出来た溝に紙コップに入れた蕎麦の実をつまんで入れていきます。

その後は土を掛けていくのですが、今年はここまで出来たらスタッフに確認してもらう様にしています。

と言うのは、昨年「撒く量」が分かりにくかった様子だったので、スタッフが確認する事で適量が撒かれる様にしました。
*多いと発芽した後に間引きが必要ですし、少ないと発芽しなかった所が出来ます。

説明が終わったら、グループごとに分かれて作業してもらいました。
その際スタッフは各グループを見て回り、質問に答えたりアドバイスしました。

写真提供:松川哲也氏

イボ竹を押し付けて出来た溝に、蕎麦の実を蒔く様子です。

一通り蒔けたらスタッフが蒔き具合を確認し、土の掛け方を行って見せて、参加協力の方々に実際に行ってもらいました。

写真提供:松川哲也氏

生徒さんだけで無く、先生がたも一緒に蒔いてくださいました。
生徒さん達と先生が一緒に作業に取り組む姿、本当に素晴らしいと思えます。

ここからは鹿避け網の支柱作り班の様子です。

今年は、ここの竹を使って作ります。

ここも元々は田んぼだったのですが、竹が侵食して来てます。
このままでは竹林になってしまいますので、その処置も兼ねて、です。

まずどの様に作るのかを「ふるさと指導員」から説明し、指導する方を紹介して実際に作業に入りました。

写真提供:松川哲也氏

伐採するのは危険が伴います。
特に竹は弾力が強く、伐採後に跳ね上がる危険性が高いので、経験ある指導者の方に切ってもらいました。

写真提供:松川哲也氏

伐採された竹は、適度な太さの所で支柱の長さに切ってから、竹の枝を払って(取り除いて)いきました。
払った枝は、手の空いた方に指定場所に運んでもらいました。

この様な里山の生活で行われる作業のノウハウは、六ノ里のお父さん方が多くお持ちです。
トラクター耕起を終えた棚田米生産組合の方が飛び入りで、取り扱いを間違うと怪我をするナタやノコギリを使わず、切った竹を使う「枝の払い方」を指導してくださいました。

写真提供:松川哲也氏

支柱は22本作成する予定でしたが、どんどん竹が侵食して来ているので、邪魔な竹も切ってもらいました。
また、遊歩道に枝が侵食して来ている邪魔な自然生えの胡桃の木も切って、その片付けも参加協力いただいた方に手伝ってもらいました。

それから今年の圃場に関して、重要な作業をお願いしていました。

それは圃場周辺の草刈りです。
種蒔きして鹿避け網を張りますと、なかなか草刈りが大変なところもあります。

本来なら常連の参加協力者の中で草刈機を使える方数人で行う作業ですが、今回は生徒や学生さんの数が多く、そちらへの対応で人手が裂けません。

そこで、申し訳ありませんが、常連の「草刈りのスペシャリスト」とも言える方お一人で対応願いました。
非常に暑い中、単独作業にも関わらず、完璧にこなしてくださいました。

種蒔きが終わり、鹿避け網の支柱を取付終えたところ。
ここで本日の作業は終了です。

暑い中、多くの方に参加協力いただき、本来の場所ではありませんが種蒔き、鹿避け網の支柱作りと設置を行う事が出来ました。

作業後は、それぞれに歓談しながら片付けをして解散となりました。
いつもなら集合写真を撮るのですが、諸事情(色々な質問への説明等)により撮り逃してしまいました。
撮影出来てたら、大人数だったので良い写真になったのに残念です。

さて、今日蒔いた蕎麦の実は、数日すると芽を出します。
その様子は「六ノ里地域づくり協議会 景観整備部」のインスタグラムで紹介されますので、今後の発育の様子を楽しみにしてください。

以上、第4回目の実施報告でした。

次回、第5回目は8月17日(予備日19日)に、畝間の草取り・周辺の草刈りを行なう予定です。

毎度同じお願いですが、多くの方のご協力が得られれば助かります。
皆様のご参加をお待ちしてます!


<追記>
翌日以降のスタッフによる作業の様子を追記していきます。

◯ 実施日の午後

せっかく種蒔きをした所を、ニホンジカやカモシカが侵入して踏み荒らされると困りますので、早速、鹿避け網を設置しました。

昨年は、この作業まで自由学園の方々に手伝っていただきましたが、冒頭に書きました様に、急遽昨年実施の圃場で種蒔きを行いましたので、鹿避け網は昨年使用した物となります。

大きな物なので巻きとっておいたので、伸ばす際に絡まります。
新品の様には簡単には張れませんので、有志の方に手伝っていただきスタッフで張りました。

◯7月28日:開催日翌日

昨日、畝立て用のトラクター耕起をしていただいたので、畝立てを行いました。

今年の圃場は中央部分が膨らんだ異形なので、ピンクのテープ(鹿避け用のテープ)でガイド線を作りました。

それに沿って、畝立て専用機で畝を立てていきます。

トラクター耕起を行ってますが心土(作土の下の層)との境に大きな石が隠れていて、それに畝立て専用機が引っかかって真っ直ぐには出来ません。
また場所によっては作土が少なく、完全な畝になりません。

そこで機械による畝立て後に、レーキ(トンボ)を用いて畝の修正を行います。
この作業も有志の方に手伝っていただき、無事に畝立てが完了しました。

鹿避け網の設置といい、畝の修正といい、お手伝いいただき誠にありがとうございました!

◯7月29日

朝から種蒔きを行う予定でしたが、あまりに天気が良く土の温度が高いので、種蒔きは夕方からにして、今年テスト的に夏蕎麦を栽培していた「そば茶寮文福笠井さん下」に秋蕎麦の種蒔きを行いました。

まず耕運機を運び込んで、畝立て前の耕起を行います。

ここの圃場も、と言いますか、六ノ里の田んぼは、ほぼどこも石が多いのです。
畝立てをしようとすると、埋まっている石にも悩まされます。

とは言っても、畝立てにはある程度の作土の深さが必要なので、出て来る石を取り除きながら耕起していきます。

耕起が終わったら畝立て機を運び込んで、畝立てを行います。

今年の源蔵寺棚田再生の圃場同様に、畝立て機が埋まっている石に引っ掛かって、なかなか真っ直ぐに出来ません。
また作土の深さが足らなくて、畝の上が平らになりませんので、レーキで手直ししてます。

畝の手直しが終わって、地温も下がってきたので種蒔きを行います。

夏蕎麦の時と同様、「種蒔き機ごんべえ」を使うのですが、先日刈った草が当然こなれておらず、機械に引っ掛かって手間取り30分以上掛かってしまいました。

ちなみに使った蕎麦の実の量は、夏蕎麦の時は種蒔き機のセッティングを間違っていて3kg弱も使ってしまいましたが、今回ちゃんとメーカー推奨のセッティングで行ったので約1.2kgでした。

「そば茶寮文福笠井さん下」が終わったので、源蔵寺棚田再生の圃場に向かいます。

こちらは圃場が広いので、種蒔き機のホッパーに、目一杯、蕎麦の実を入れて行います。

もちろん、ここも種蒔き機を使って行いましたが、一生懸命、草の根の残渣を取り除いたので「笠井さん下」に比べ、約1時間とスムースに種蒔き完了出来ました。

ただ、種蒔き機は割と真っ直ぐに蒔いて行けるのですが、昨日立てた畝が曲がってますので、畝上から逸脱しない様には神経を使いました。

今回使用した蕎麦の実の量は2.3kg。
少し深めに蒔いてますので、多分、4〜6日後には芽が出ると思います。

◯7月31日

本日、今年の圃場に鹿避け網を設置しました。
本当は昨日設置の予定でしたが、予想外に雨が降ったり止んだりの1日で、脚立に乗っての作業なので危ないので今日にしました。

まず、午前中に鹿避け網用の支柱を設置。

午後から、鹿避け網を設置です。

ところで、27日にみんなで種蒔きした圃場は、

昨日より、チラホラ芽が出て来てます!(種蒔き3日目)

そして、これが今日の様子。

出て来た芽は蕎麦殻をかぶっています。
それを種だと思って鳩やカラスが啄みに来ますので、明日、不織布を掛けます!

◯8月1日

鳥対策の不織布を掛けました。

不織布の下では、双葉が出て来ています。
全体が大体出揃ったら、不織布は撤去ですが、その前にウサギ対策で目の細かい獣害対策網を鹿避け網の下部に前週にわたって設置します。

7月29日に種蒔きした今年の圃場は、8月2日、種蒔き後4日目に一斉に芽が出て来てます。

こちらの圃場は機械で深めに蒔いたので、夏蕎麦の経験上、芽が出る際に蕎麦殻が落ちて出て来るので、鳥対策の不織布は不要と思っていますが、場合によっては設置するかもしれません。

以上で、第4回目以降の様子をお伝えするのは終了といたします。
第5回目は8月17日(土)予備日8月18日(日)に開催されます。

自然豊かな六ノ里で、ご一緒に美味い蕎麦を育てませんか?
皆様のご協力をお待ちしてます。

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