本題に入る前に、ここ最近の様子から。
11月になりまして、ここ六ノ里では最低気温が5度を下回ってきて、紅葉が山の上から、徐々に里に降りて来てます。
今年は暖かいので、紅葉の始まりが例年より1週間ほど遅いですが、もう数日もすれば家の周辺も良い彩になるのではと思います。
蕎麦の刈り取り→脱穀がやっと終わり、今は最後の仕上げの天日乾燥を行ってますが、それももうすぐ完了します。
さて、以前の記事の様に蕎麦に翻弄されて来ましたが、その合間を見て来年の田んぼに向けての準備は進めてきてますので、今回はその様子を記事にしてみたいと思います。
10月、米の脱穀が終わり、蕎麦の刈り取りにはまだ間が有りますので、茅刈りを行ってます。
この作業、例年なら11月の終わりか12月に入って茅が枯れてから行ってましたが、枯れてからですと茎に蓄えられている養分が根っこに戻ってしまうので、お盆過ぎくらいの、まだ穂が出ていないうちが最適だそうです。
ですが、蕎麦にかまけて時間が取れず、この時期になってしまいました。
密生して高く伸びてしまっているので刈るのが大変でしたが、根元を縛って草刈機で刈り倒していきます。
刈った茅の束は、まだ青々として水分量が多く重いので、集めて1箇所に積んで乾いて軽くなるのを待ちます。
ある程度乾いたら、軽トラに積んで田んぼまで運びます。
田んぼに運んだら、例年なら写真の様に立てて縛って、来年の春まで保存しておくのですが、今年は行いません。
と言うのは、
『食味値を上げるには、タンパク分を減らす為に、肥料を抑えた方が良い』と農業指導員のアドバイスで、毎年、肥料を抑えて来ましたが、結果は点数は変わらず収量が減って来てました。
点数が上がらないのに収量が減るのは気に入らないので、六ノ里の米農家さんのアドバイスもあって、今年は土作りの肥料を入れた上に『一発肥料』もメーカー規定量を入れてみましたら、収量も増えて点数は過去最高となりました。
では、『何がタンパク分を増やしているのか?』を考えたのですが、思い当たる事が一つあります。
我が家では、作土の量を増やす為と土質を良くする狙いで、毎年、代かきの際に写真の笹竹(山にしている分)と、
冬の間立てて保存した茅を田んぼに並べて耕運機で踏み込んでいるのですが、どうもこれが原因では無いか?と思ったのです。
色々と調べたところ、有機エムコートの様な『一発肥料』は田植え後と出穂・開花時期の2回に分けて効くそうです。
では、代かき時に踏み込んだ茅は土中で分解が進んでいき、特に夏場の高温時にさらに分解が進んでいきます。
なので『一発肥料』の2回目が効く頃に『茅の肥料分も効いてしまっているのでは?』(上の図の赤斜線部分)と推測したのです。
この推測からすると、『春に入れた茅が、秋にはどんな状態か?』が気になります。
そこで、田んぼの中を数箇所掘って確かめてみました。
写真の様に、大量に入れた茅はほぼ残ってません。
これは綺麗に分解され肥料分になったと思われるので、先の推測も間違って無いかと。
ただ、昨年は『一発肥料』では無い有機アグレットを使ってます。
これは穂が出る頃にもう一度肥料が必要(穂肥)ですが、それを行ってません。
となると推測からすれば、ちょうど穂肥の必要な頃に茅の分解が進んで、穂肥代わりになって余分な肥料にはならない筈ですが、収量は落ちてます。
まぁ、これは初期の肥料分が少な過ぎて、田植え後の稲の初期生育が悪かったのかもしれません。
と言うわけで、今年から茅の使い方を変えてみます!
刈って干しておいた茅は、写真の様に畔波板で囲った中で草刈機で細かくします。
チッパーと言う機械を借りて来て細かくすると良いのですが、実は借りて来ても、この場所まで運び込めないので草刈機なんです。(笑)
これを来年1年かけて分解させ堆肥にして、再来年の春耕起の際に田んぼに入れます。
では、来年春の分は?と思われるでしょうが、茅が悪さをしていると言う推測を確実にする為に来年は無しとしてみます。
でも、本当にこの推測が全てかと言えば、そうでは無いと思います。
ですが、ここまで茅を入れてるのは我が家だけなので、まずは茅からやってみます。
はてさてどうなるか?は、来年の秋のお楽しみです。