一昨年の春より実施している「源蔵寺棚田の再生」。
今年も新たな耕作放棄地を六ノ里内外からの協力を得て、開墾し蕎麦を栽培しました。
その1年の区切りとして地元の農産物の展示販売も併せ、今年も「六ノ里楽市」と銘打ち収穫祭を開催いたしましたので、今回はその様子を紹介したいと思います。
が、まずは、その前に収穫祭に向けての準備の様子から。

先日記事にした「蕎麦の脱穀」状態では、まだ蕎麦粉には出来ません。
と言うのは、写真の様に葉っぱや茎が混ざっているので、蕎麦粉に石臼で挽いてもらうには、まず、このゴミを取り除かないとならないのです。

それには唐箕と言う昔から使われている機械で、ゴミと蕎麦の実に風選します。

これが唐箕で風選した状態で、先ほどの写真の様に葉っぱや茎が無くなってます。

次に、天日に干して水分量を調整します。
蕎麦に挽く、保存しておく、どちらも水分量が15%前後が良いそうです。
ですから、写真の様にブルーシートに広げて天日乾燥させるのです。

乾燥が終わったら、最後に蕎麦の実に混ざっている小石を取り除きます。
この小石を取り除く作業を文字通り「石抜き」と言い、以前は写真の様に乾燥が終わった蕎麦の実を篩(ふるい)に入れて一つずつ目視で取り除いてましたが、ものすごく大変でした。
去年から米を籾摺りに出している地域の業者さんが引き受けてくださって、石抜き機でやっていただけるので助かってます。
ここまで出来て、やっと製粉・蕎麦打ちしてくださる「そば茶寮文福笠井」さん(以下、文福笠井さん)に出せます。
今年は天候不順で遅れに遅れて、出せたのが収穫祭の4日前。
期限ギリギリでしたが、何とか間に合いました!
あとは打ち上がった美味しい蕎麦を、収穫祭の当日朝に受け取るだけです。
蕎麦の準備の話は、ここまで。
次は前日に行った会場準備の様子です。

今年も協賛いただいている文福笠井さんのご好意で、会場として店前の個人のガレージと駐車場の一部を貸していただきました。
六ノ里集会所からテント、机、椅子を搬入し、テントを仮設置しました。
平日にも関わらず、有志の方々にお手伝いいただき、ありがとうございました。

なお、夜の間に強風が吹いてテントが倒れても困りますから、テントは脚は立てないで写真の状態にしておきます。

会場準備が終わる頃、山々には夕陽がさして始まった紅葉がさらに綺麗でした。
明日も今日同様に良い天気になりそうです!

明けて収穫祭当日の朝。
昨日に引き続き集まってくださった有志の方々と会場準備。
テントを立てて所定の位置に移動し、机、椅子を配置。
ガスコンロをボンベに接続して、ここまでは順調に準備完了。
ですが、ここで問題発生!
茹でた蕎麦を締める流し台に水道水のホースを引いてきて繋げるのですが、ジョイントが合いません。
去年どうやったか思い出そうとしましたが、1年に一回の事なので記憶が曖昧で・・・。
機転を効かした有志の方がジョイントを家まで取りに行って貸してくださり、無事に繋げる事ができました。感謝です!!
時刻はそろそろ10時になり、お客様が集まって来られてます。
水道の件であたふたしましたが、何とか準備完了です。

時刻になりましたので、「源蔵寺産幻蕎麦」を使用した蕎麦の試食販売の開始です。
ご注文いただいたお客さんと、出来上がる間は和気あいあいに話が盛り上がります。
なお、写真の右手に少し写ってますが、今年も六ノ里棚田米生産組合産さんから「六ノ里棚田米」、喫茶暖さんから「小魚の揚げ物」、桜里舎アグリさんから「さつまいも」の即売が、会場提供と蕎麦の実から製粉・蕎麦打ちいただいた文福笠井さんからは「わらび餅」の販売がありました。
さて、今回の試食販売の蕎麦が、どの様に調理されて出て来るかと言うと、

蕎麦は注文をいただいてから、大鍋で茹で上げます。
麺類は茹で加減が大切なのは蕎麦も同じです。
なので、タイマーを使って出来るだけ正確に茹でます。

茹で上がったら、すぐに水道水で締めます。
蕎麦を締めるには冷水を使いますが、ここ六ノ里は水源が近く、浄水場もすぐそばで真夏でも水道水は冷たいぐらいですから、水道水で十分なのです。

蕎麦を締めたら器に入れて、熱々の出し汁をかけて出来上がりです。
販売時に番号を入れた食券をお客さんに渡してますので、出来上がったら番号を呼んで取りに来ていただきます。

これが出来上がった「源蔵寺産幻蕎麦」を使用した蕎麦です。
昨年までは「抜き実(殻を外した実)」を石臼で挽いた「一番粉」と呼ぶ蕎麦粉でしたので白い蕎麦でしたが、今年は「挽きぐるみ」と言って殻が付いたまま石臼で挽いた蕎麦粉を使ってます。
「挽きぐるみ」ですから、今まで以上に蕎麦の風味が強くなってます。
味はもちろん、収穫時期を文福笠井さんよりアドバイスいただいたのもあって、甘みが強く今まで以上の味となりました。

昨年は蕎麦の他に「蕎麦団子」を提供しましたが、今年は目先を変えて「蕎麦クレープ」としました。
蕎麦クレープの味付けは、今回は餡子(写真)とネギ味噌です。
もちろん「源蔵寺産幻蕎麦」の蕎麦粉を使用してますので、これも味わいが格別です。

作り方は蕎麦粉を水に溶いて、フライパンで薄く伸ばして焼き上げます。
しかし焼き加減が大切で、少し焦げ目が付くくらいが香ばしくて美味しいです。
食べていただいた方のお話だと、餡子の方がより蕎麦の風味があって良かったそうです。

そして今年も「ちくわの磯部揚げ」のキッチンカーのKOAさんに来ていただき、昨年同様、一緒に収穫祭を盛り上げてくださいました。

KOAさんでは通常5種類の「ちくわの磯部揚げ」を販売されてます。
私が選んだのは写真は「柚七味いそべ」で、柚の風味にマヨネーズ+七味が良くあっていて、大変美味しかったです。
そして今回は通常メニューに加え、特別に「蕎麦五平餅」が販売されてました。
半殺しのご飯に蕎麦の抜き実が入っていて、タレもまた格別で大変美味しかったです。
KOAさんは郡上界隈のイベントに良く出店されてますので、出店情報をInstagramで検索していただき、是非、味わってみてください。(蕎麦五平餅は無いと思いますが)

賑わう会場の様子です。
ここ六ノ里は元々、地域内外にかかわらず、人との繋がりが深い地域です。
なので、収穫祭当日も、地域の方同士、他より来場いただいた方と地域の方、どちらでも様々な話の輪が出来ていて楽しそうでした。
私はスタッフとして手伝ってましたので、話に混ざれないのが残念なくらいです。(笑)

時刻は13時半となり、お客様の来場も途絶えて来ました。
蕎麦は昨年より販売数を増やしたので、まだ少し残ってますが、キリが良いので終了としました。
ご来場いただいた皆さん。
お手伝いいただいた皆さん。
ご協力いただいた文福笠井さん。
出店いただいたキッチンカーKOAさん、喫茶暖さん、六ノ里棚田米生産組合さん、桜里舎アグリさん。
皆さんのお陰で、今年も無事に収穫祭を開催する事ができました。
誠にありがとうございました!
そして今年の蕎麦も出来が良く、多くの方に美味しいと言っていただけましたので、目的達成です。

最後に会場の片付けです。
これも有志の方々に手伝っていただき、短時間で終える事ができました。感謝です!
以上、「R7源蔵寺棚田再生」収穫祭(六ノ里楽市)の実施報告でした。
2023年より3年間続いた第1期は今年で終了しますが、来年からは第2期として「六ノ里の景観整備活動」は続きます。
第2期では「源蔵寺棚田の再生」も行いますが、今年までの蕎麦栽培から内容を変えて野菜を栽培し参加者で山分けを計画してます。
里山再生と野菜の栽培に興味を持っていただけた方、是非、ご参加・ご協力ください。
もちろん、蕎麦栽培も続けてまいりますので、そちらへのご協力も大歓迎です。
興味を持たれてお手伝いいただける方は、募集案内は「六ノ里地域づくり協議会 景観整備部」のサイトで行われますので覗いてみてください。
多くの方のご協力を、宜しくお願いいたします。