「木工旋盤」のその後と「ミニ仏器運び」の製作

2月も半ばになろうとしてますが、ここ「六ノ里」では雪が降り続いて外仕事は出来ず、農舎の中や家の中でやれる事をして過ごしています。

まずは「木工旋盤」のその後の話から載せてみます。

先日製作した「杉」の「ぐい呑み」。
これをお隣の「山の先生」のお父さんに見ていただいたところ『桧の良い板が有るから使ってみられい(みなさい)』と言われ「桧」の板を貰いまして。

後で聞いた話では貰った「桧」の板は『樹齢300年の自然生え』の物だそうです!
勿体無いので、無駄無く大事に使わなきゃです。

早速、材取りして挽いてみました。

「杉」材は削ると切り屑が粉っぽくなるのですが、「桧」は小さな「かんな」屑の様に削れます。
それと材取りで「ノコギリ」で切っていても、「旋盤」で挽いていても良い「桧」の香りがします!

削り上がって、表面を磨いて仕上げたところの写真です。

手触りが凄く良く「桧」の良い香りがします。
「ぐい呑み」ですから試しに「焼酎」(本当は「日本酒」が良かったんですが無くて)を入れて飲んでみました。

「桧」も「杉」も良い香りがして、安い酒が高級酒になったみたいです!!!
「樽酒」の「樽」の材料が「桧」や「杉」ですので、これで飲めば簡易で「樽酒」が飲める様な感じです。

しかし、飲み終わった後、水で軽く濯いで、すぐに「布巾」で拭いてから乾かしたのですが、せっかく磨いた表面が少し毛羽立ってしまう様です。
「升酒」に使う「升」が無処理なので行なって無かったのですが、表面処理を行う事にしました。

本業では木材の表面処理には「ウレタン系の塗料」を使っています。
正直、この方が慣れていて確実に仕上げられるのですが、木の本来の香りも封じ込められてしまうので使いたく無いんです。

そんな思いも有って、「小皿」には古来からの木の仕上げに用いられてきた「乾性油」の一つの「リンシードオイル(亜麻仁油)工業用」を使っていました。

「乾性油」とは空気に触れると酸化してゆっくり固まる油で、昔から塗料として使われて来ました。
「亜麻仁油」の他には「荏胡麻油」「桐油」「くるみ油」などが有ります。

乾いてしまえば触っても付着する事も無いので、これでも良いかと思ったのですが、液体を入れて飲むので出来れば、より安全性が保証されている物が良いと思いまして・・・。

そこで、これを使用する事にしました。

最近「健康食ブーム」で、だいたいどこのスーパーにも置いて有って入手しやすい「日清オイリオ」さんの「亜麻仁油」と「えごま油」です。
*よく似たパッケージで「ドレッシング」が有りますので、間違わない様にね。(笑)

値段的には工業用の物よりちょっと高いのですが、「乾性油」は酸化すると黄色っぽく変色しますので、50gと少量使い切りで良いかと思っています。

「亜麻仁油」を塗って、数日置いて乾燥させた「ぐい呑み」の写真です。

見た感じ、ちょっと木の色味が増して良い感じです。
「亜麻仁油」を塗っても、乾けば「桧」や「杉」の香りしかしません。
問題の「酒」を入れた後の様子は、まだ試してませんので後日ここに載せる予定です。

〈追記〉
「亜麻仁油」をたっぷりと塗って良く乾かして(1週間くらい)、「日本酒」を飲んでみました。
飲み終わった後に軽く水洗いし、乾いた「布巾」で水分を拭き取って、自然乾燥させました。

結果は、塗って直ぐの状態よりは艶感は落ちますが、塗って無い時よりずいぶんと良いです。
何度か使って見栄えが落ちて来たら、また「亜麻仁油」を軽く塗れば元通りになります。

「乾性油」だけを用いるので無く「蜜蝋」と混ぜ合わせて「蜜蝋ワックス」を作って使ってみてもいます。
この「桧」の「菓子皿」の仕上げがそうです。

目的は「乾性油」だけよりも、より扱いやすくする為です。
まだまだ、合成塗料を用いない表面処理は学ぶ事が多いので、これからもトライ&エラーで精進して行きます!

続いて「ミニ仏器運び」の製作を載せます。

ご近所のお母さんから『仏壇にお仏飯をお供えするのに、お盆に乗せて運ぶと倒れて運びにくくて。何か良い物が無いかねぇ』と言われてまして、ちょっと作ってみました。

CADでだいたいの形を作って、それを図面にして作業に掛かります。

図面の例をあげると、「仏飯器」を載せる部分の図面。

本体の前側の板の図面。
他にも数枚有りますが、図面はこの程度で。(笑)

材料は「杉」の板を用いてます。
写真は「ノコギリ」で切り出して、並べてみたところです。

「仏飯器」を載せる部分は「トリマー」を用いて、一段落としの形状を作っています。

「取手」を旋盤で削って、全部組み上げたところです。

表面処理は工業用の方の「亜麻仁油」で仕上げてます。

「仏飯器」を載せる部分は、掃除がしやすくする為に取り外せる様にしてます。

「乾性油」の良い所は使い込む程に趣が変わって来る事で、この「ミニ仏器運び」も味わいが出て来るのでしょうね。

長々と紹介して来ましたが、実は、既に『新たな目論み』を考えています。(笑)
その記事は、すぐまた紹介させていただきます!

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