ドラム缶炭焼き窯設置

先日、農道の修復の記事を書きましたが、近々の問題は、今回の記事のドラム缶炭焼き窯を運ぶ目的がありました。

農地を再生していると、写真の様に長年放置されてる間に自然に生えて育った雑木が有ります。
もちろん邪魔なので伐採するのですが、

写真の様に、伐採した雑木が山の様に出来ます。
これでもほんの一部で、日当たり確保の為にまだまだ伐採予定の雑木が有ります。
太い物は、近所の「薪ストーブ」の有る方に引き取って貰えるのですが、

問題は、この様な細い物や枝先の部分。
枝先の部分は、すぐに燃え尽きるので、山にして燃やしてしまう方法がありますが、中途半端な太さの物は燃え尽きるまで時間が掛かりますし、その間、危ないので目を離せなくて時間が無駄になります。

かと言って「薪ストーブ」用には細過ぎて使い難いので、引き取って貰うのも気が引けるし・・・。

何とか活用出来ないかと思っていた所、以前「炭焼き」に興味を持って調べた時に見つけた「ドラム缶炭焼き窯」の事を思い出しまして、近くの鉄工所を経営されてる方に見積もりをお願いしました。

数日後、電話で呼ばれて行って見ると、すでに出来上がってました。(笑)
しかも、何故か2組も、です。

見積もりを貰って金額的に大丈夫ならオーダーしようと思っていたので、ドキドキしながら値段を聞いたら予想内だったので、ホッとして購入しました。
あ、もちろん1組だけです。

すぐに貰って帰りたかったのですが、お金の持ち合わせも無かったし、持って上がる農道の修復も終わって無かったので、今日、貰いに行きました。

設置するのは開墾した最奥部。写真の様に低い石垣の所にしました。
何故ここにしたかと言うと「ドラム缶炭焼き窯」は窯の内部の温度確保の為に土に埋めて使うのですが、埋める程の土を確保するのが難しいのです。
ところが、ここですと一部石垣が崩れている所が有って、それを上手く使えば埋める土の量が少なくて済むかと思ったのです。

でも、家内と2人で運んだのですが、重くて途中、他の場所にした方が良かったのではと思いましたけど。(笑)

ここが崩れた石垣の所。すでに手前の崩れた石は動かしてます。
で、なんで畑を耕す「管理機」が有るかと言うと、

ここも放置された期間が長いので、葛の根っこが縦横に有って、ヤツらは手強くて、とてもじゃないけど鍬で掘るのは無理です。。
苗木を植える時の様に、ツルハシで掘るには量が多過ぎます。
ですので、多少の石や木の根が有っても何とかなる「管理機」が有効なのです。
もっとも「管理機」には負荷を掛けるので、良くないとは思うのですが・・・。

掘って土を除けて行くと大きな石が埋まっていて動かせないので、少し位置を変える為に横の石垣を少し外したりして、何とか仮設置です。

蓋の部分が外せて、蓋と本体の合わせ目を粘土で塞げる分だけ出して、元有った石を組み直して、だいたい設置完了。

取り敢えず設置出来たので何か燃やしてみたくなって。(笑)

本当は四角い焚口を蓋の四角い切り欠きに嵌めて、それも土に埋めて使うのだけど、テストなのでそのまま中にそこら辺の茅を突っ込んで燃やしてみました。

良い感じで煙がたなびいて、なかなか風情も有って良し。
早くこれで炭を焼いてみたいですね!

里山再生プロジェクト5 農道の修復

里山再生プロジェクトとして、田んぼや石垣を昔の姿を目指して、荒廃地を再生して来ていますが、実は他にも重要な課題が有ります。

今回、梅を植えた所へは、道路から沢沿いの細い農道を登って行きます。
当時は大きな農機を使う農家は少ないので、元々細い農道だったのですが、

写真の様に、長年使われて来なかったので、途中が大水の際にえぐられて、歩ける幅は15センチも無い所も有りますし、土なので歩くと、どんどん崩れて行きます。

これは横から見た写真ですが、本来は黒いパイプの乗っている高さまで石垣が有るはずなんですが、石垣の石は手前に崩れて散乱しています。
こんな状態では、両手に物を持ってると沢に落ちる危険性も有って非常に不便です。

今後も梅の世話にも行きますし、まだ奥の開墾した所の活用にも、しっかりしたルートが必要ですので、石垣を組み直してルート確保する事にしました。

この写真が修理後の状態。散乱していた石を組み直しました。大きな石は長いバールを使って浮かしては適当な石を入れ、次に入れた石を支点に浮かして目的の高さにして、次に横にずらして置きたい位置に合わせて行きます。

素人が組み直したにしては、なかなかだと思うのですが。(笑)
まだ黒いパイプの所が低いのですが、この状態でも十分使えるので、時間の有る時に、もう少し手を入れる予定です。

里山再生プロジェクト4

今回は、いよいよ「見せる農業」を目指して、入荷していた梅の木の苗木を植えます。

今回植えるのは、左の写真の左半分に写っている梅の苗木10本。
「花香実」が8本、「つゆあかね」が2本です。

苗木の写真の右側の桃はと言うと、すでに植えてあります。

場所選びは「照手水蜜」は枝垂れでピンクの八重咲の花なので、道行く人に良く見える様に道に近い所、今回梅を植える所の下の段にしました。

花が付いてるのは「大玉白鳳」。「照手水蜜」は若葉が少し付いてるだけですので見にくいですが、2本植えてあります。

では本題の「梅」の植え付けを紹介します。

植える場所は開墾した一番広い所で、前回の状態からさらに手を入れて、こんなフラットな地盤にしてあります。

まず、将来、大きく育った時を想像して、苗木を置いてレイアウトを確認します。

位置が決まったら、植える穴を掘って行きます。
綺麗に整地はしましたが、長年放置して有ったので茅や葛の根で、普通の鍬では掘れずツルハシも作って掘りました。

10本全部植え終わったら、水を与えておきます。
上手く根付いてくれると良いのですが・・・まぁ、大丈夫だと信じてます。(笑)

が、植えて数日、問題発生!

届いた時から若葉がいっぱい付いてた「つゆあかね」が、こんな姿に!
どうも「カモシカ」にやられたらしく、葉っぱがほとんど有りません。
まだ、これから伸びる時期なので新葉は出て来るとは思いますが、何か対策をしなければ・・・。

近所の農業名人から聞いていたピンク色の識別テープ、これが鹿除けに効果が有るらしく、急遽JAで購入して囲っておきました。

はてさて、効果が有るだろうか・・・。

里山再生プロジェクト3

しつこく「里山再生」ネタです(笑)
今までは景観再生がメインでしたが、ここからは「農地再生」です。

下の写真は、このところ「里山再生」を行なっている辺りの、
国土地理院の1974年頃の航空写真。
棚田と思える部分を青い線で囲んで、道部分を赤の波線を書き足してます。

国土地理院 空中写真より1974年〜78年

下の写真、同じ辺りの、最近のGoogle Mapの航空写真。
国土地理院の航空写真と縮尺をだいたい合わせて、そこに上の写真で
書き足したのを乗せます。(レイヤーを重ね合わせるって事です)

Google Mapより

黄色い丸が、前回竹を切って綺麗にした所。
そして、緑の矢印が道から見える様になった石垣。

これを見る限り、現状は緑に覆われた状態で、農地では無い様ですね。
でも、全国農業委員会ネットワーク機構(一般社団法人全国農業会議所)
が主催する「全国農地ナビ」で見ると、地目は田か畑で
『耕作放棄地では無い』らしい。

では、現況がどう言う風になっているかと言うと・・・

これが一番大きい青で囲まれた所。
茅が生い茂り、山栗が自然生えしている。

で、茅を刈って、栗の木を切ってやると・・・

こんな感じに、元田んぼの平場が現れる。
次に、一番大きい青で囲った奥の所は、

こんな感じで、ここも茅が生い茂り、山栗が自然生えしている。
で、ここも同じ様に草刈りしてあげると・・・

こんな感じの、元田んぼが現れる。
このまた奥の所も・・・

こんな状態だったけど・・・

こんな風に、元田んぼ。(同じ内容の繰り返しで、申し訳無いです)

しかし、昔は田んぼでも、水路は土砂に埋もれて使えないし、
そもそも、ここまでのルートが沢水で削れて、人がやっと通れる
程しか無いので、農機が入れられず、田んぼとしては使えない。

で、どう「農地」として行くかと言えば・・・

果樹を植えます!いっぱい植えます!!
しかも、見ても楽しめる品種を植えます。

左から「つゆあかね(梅)」。これは外も中も赤い実が出来ます。
その隣が「花香実(はなかみ 梅)」。
こいつは名前の通り、花が綺麗で、香りが良くて、実が採れる万能選手(笑)
その隣が「照手水密(てるてすいみつ 桃)」。
コイツは枝垂れの木でピンクの八重の花を咲かせ、小ぶりな実が取れます。
その隣は「大玉白鳳(おおだまはくほう 桃)」。
この子は、この隣の「暖地桜桃(だんちおうとう サクランボ)」を
ホームセンターで買う際に「暖地桜桃」の前の棚に有って邪魔だった子。
でも、綺麗なピンクの蕾をいっぱい付けてたので買ってしまった・・・。

実は結構な金額になってたりします(笑)
でも、私には、ここ「六ノ里」を『花の里にしたいなぁ』と言う
妄想が有りまして。
全国で行われている「農地再生」は収益の良い物を作っていますが、
設備投資を考えると「自給農家」としては、そこまで出来ないんですよね。
そう考えれば、果樹苗木くらい安いものだ!(安くは無いけどね・・・)

「見せる農業」って、どうでしょ?
「花の里 六ノ里」化計画にも有効だし、ね!
(大きな木、これから切らなきゃならないんだけど、ね)

里山再生プロジェクト2

以前書いた「里山再生プロジェクト!」の続き。
あれから範囲を広げて、やっと目処が付いたのでご報告。
(と言うか綺麗になったのを自慢したいだけかも 笑)

こうだったのが・・・

こんな感じになりました!
道から見える一番上の段の石垣が綺麗に見えてます!!
で、ここまでやったら、写真に写ってない右の方が気になって。

茅でゴシャゴシャだったのを、刈って刈って刈りまくり(笑)

こんな感じになりました。
これで町の方から車で上がって来ても石垣が見えると思ったのですが、
右手に写っている竹藪が邪魔をするので・・・

手鋸で竹を一本ずつ切って行きます!
そして切った竹はと言うと・・・

「六ノ里」に移住してから仲良くなった「嶋田農園」さんが、
畑で竹を使っていると聞いたので連絡してみると、使いたいと言う事なので、
道沿いまで引きずり下ろして、竿にして集めておきます。
こっちとしては処分に困る代物なので、大歓迎で手間でも処理しておきます。

「嶋田農園」さんは、ここ「六ノ里」で、有機栽培の野菜を家族で作ってます。
彼らも移住者で、以前飲んだ時に聞いた『作物に対する想い』に共感する所が
多く有って、つい応援したくなってしまいます!
今は、作物の採れる時期じゃ無いから、商品が有るかは分からないけど、
通販されてます。
嶋田農園さんのサイトはこちら。⇨「嶋田農園」

竹は根元で切るより、1mくらいの高さで切った方が根絶出来るので、
以前に地元の方々が竹を切った際の切り株(?)が、嫌な例えですが
『墓標』の様に、いっぱい残ってます。
まぁこれは、また、時間を見て切って行こうかと思ってます。

まだ続きが有りますが、長くなるので次回に(笑)

「善勝寺桜」保存活動

ここ「六ノ里」には樹齢400年の「善勝寺桜」が有ります。
古くからこの地に根付き、現在までその立派な姿を残して来た事は、この地のシンボルの様な物だとも思えます。

そんな桜ですから、地元の有志の方々により保存活動を行っています。
昨年の秋には牛糞と茅を裁断した物を、有志の方々と木の周りに与えました。

今年からは、より効果の有る方法として、桜の根に直接空気と栄養を与える施術を行う事になりました。
地元の造園業(水谷造園さん)の指導の元、進めてまいります。

桜の周りを8等分して、対角線に行って行きます。
これは、一気に行うと桜に負荷を掛けてしまうからだそうです。

実際に桜の根の周りを縄で地割して有ります。
これは水谷造園さんが前日に準備してくださいました。感謝です。

圧搾空気を使い水道管の様な専用工具(青いホースの繋がった物)の先を地面に当てて、レバーを開くと勢い良く空気が噴出され、穴が掘れます。
この方法だとスコップに比べて、ある程度は細い根を切らないで穴が掘れるのでダメージが少ないそうです。

だいたい1メートル四方に3箇所くらいを開けて行きます。
実際やらせてもらうと、勢い良く噴出する空気のせいで、結構土被ります。
でも、結構楽しくて、機械の取り合いになったとか。
子供じゃ無いので、喧嘩になったりはしませんけどね。(笑)

穴を掘る役、残った土を取り除く役、固形肥料を入れて埋め戻す役を、有志の方々それぞれが自主的に分担して、効率良く作業を進めました。

今年以降も続けて行けば、この桜の古木も、長く元気に綺麗な花を咲かせ続けてくれると信じています。

まずは今年の「善勝寺桜 桜まつり」が楽しみです。

※3月24日 追記
残念ながら「コロナウイルス」対策で、今年の桜まつりの中止が決定いたしました。
楽しみにしていましたが、コレばかりは仕方ありません。
ただ、花は咲き誇ってくれるでしょうから、個人的に見て楽しむつもりです。

里山再生プロジェクト!

私がここ「六ノ里」を気に入って移住した理由は、長閑な農村風景で自然が溢れていた事です。
しかし、同じ「六ノ里」でも「三ヶ村」地区が綺麗な石垣の棚田なのに対して、私の住む「栃洞」地区は草薮でゴシャゴシャになってる所もあって、ちょっと悔しく思ってました。

いつだったか「栃洞」集落の若手と飲んでいた時、『自分が子供の頃は、ここらも棚田がいっぱいで、石垣も多く有ったよ』と聞いて、『ゴシャゴシャの草薮を綺麗に刈って行けば、石垣の棚田の風景になるんじゃないか?』と思っていました。

先達さんから受け継いだ、我が家の通称『上の畑』や『梅畑』の周辺を草刈りして行くと、ゴシャゴシャの草薮の中から予想通りに、苔むした棚田の石垣がほぼ綺麗な形で出てきました。

今の様に土木機械の無かった時代、人力で苦労して積み上げた石垣。
苔むした石垣を眺めていると、この先人達の努力の結晶を出来る限り後世に残して行くのが、里山の住人の役目じゃないかなって思えて来るんです。

名付けて「里山再生プロジェクト!」
ゴシャゴシャの草薮を綺麗に刈って、草に埋もれた棚田の石垣に陽の目を当ててあげよう。そして、かつての「農村風景」を取り戻そう、です。
まず自分の受け継いだ土地は、綺麗にしました。
(奥に見える草薮は、他の方の持ち物です。)

この沢までが我が家の土地です。
ここも来た時は、カヤや雑木でゴシャゴシャでした。

思い立ったら、やりたくて仕方なくなる性分で。(笑)
近所の方に誰の土地かを聞いて、所有者に承諾を得て始めました。

始めたのは我が家の「梅畑」のすぐ下の所。
長年手が入って無い所なので、カヤの株が地面から20センチくらい盛り上がってたりしてました。

尚、この写真、カヤが倒れてる所まで刈って、撮って無いのに気付いて写真を撮りました。

半日程、頑張って草刈りした結果。
薪用に切った木の残りが折り重なってて、それを避けつつ刈り進めて、こんなに見通しが良くなりました!
奥には、栗の木が有って、下には栗のイガが落ちていたので、今年は栗が拾えるかもです。もっとも他人の土地ですけどね。(笑)

見通し良くなると予想通りに、綺麗な苔むした棚田の石垣が出てきました。
切って初めて分かったのですが、この棚田の奥には、

そこには沢が有って、その沢沿いに人の手の入った小道が続いてました。
まだ全くの手付かずなので荒れてますが、少し手を入れてあげれば、苔むした石垣が美しい散歩道になるかもと思いました。

しかし、道から見上げるとご覧の通りで『どこ刈ったの?』って具合。
いやいや、そんな直ぐに結果が出るとは思ってませんから、大丈夫!(笑)
実はここの土地の持ち主が分からず、手を付けて無かったのです。
でも、もう誰の土地か聞いて来ましたので、近いうちに、ここもやります!!

この「里山再生プロジェクト!」は私個人の勝手な想いなので、他人に強要する気は毛頭有りません。
でも、綺麗になれば誰だって気分が良いし、そのうち共感して手伝ってくださる方も居るかもしれないなぁ、と期待はしてます(笑)。