今年も早いもので、後二日。
昨日「お飾り」用の「餅」もつきまして、「正月」を迎える準備も整いました。
ですので、今日は、先日手に入れた「畝立て専用機」について、話をしてみたいと思います。(今回はちょっと長いです。笑)
今年「岐阜県」の「ふるさと水と土指導員」の「制度」を活用し、「源蔵寺棚田の再生」として「耕作放棄地」を「開墾」し「蕎麦」を育てました。
写真の様に「六ノ里」内外の方に協力して頂き、立派な「耕地」として蘇りました。
*このあたりは、「六ノ里地域づくり協議会 景観整備部」のサイトをご覧ください。
みんなの努力の賜物か、「六ノ里 源蔵寺」の「気候」が「蕎麦栽培」に合っていたのか、予想以上に良い「品質」の「蕎麦」が採れました。
元々は「六ノ里」の「景観整備」としてスタートした「蕎麦栽培」ですが、出来る「蕎麦」が「高品質」となれば、俄然、やる気も起きます!!
ですので、来年以降も「六ノ里 源蔵寺」で「美味い蕎麦」を作っては行きたいのですが、一つ問題が有ります。
と言うのは『「畝立て」をどうするか?』なんです。
「蕎麦」を育てる際の「種蒔き」の方法には「ばら撒き」と「すじ撒き」が有りますが、私たちは「収穫作業」以降の「し易さ」や、発生する費用、「蕎麦」の育ち方等から「平高畝」を作っての「すじ撒き」としました。
(これも「高品質」な「蕎麦」となった理由の様です。)
今年の「平高畝」は「六ノ里」の「専業農家」さんに依頼して、写真の様に作っていただき、その費用は「ふるさと水と土指導員」の「制度」で支払っていただけました。
しかし、一つの「実施場所」に、翌年も続けての補助は出来ないそうなので、翌年以降「トラクター」で「畝立て」をお願いすると、「自腹」で費用を払う事になります。
では、「畝立て」を自分で行おうとすると、
我が家には「小型管理機(こまめ)」と、それに取り付けて使う「畝立て機」が有って、写真の様に「畝立て」はしています。
ですが、今年実施の「耕地」の広さなら何とかなっても、来年実施する「耕地」は倍以上の広さで、そこの補助が切れた再来年になると、この「小型管理機」では手間が掛かって現実的では無くなります。
それでは、どうするか?
簡単に言えば「トラクター」と「畝立て」の「アタッチメント」を買えば良いのです。
が、我が家の場合「田んぼ」への「通路」が狭く、折角「トラクター」を買っても「田んぼ」には使えないので、「蕎麦栽培」専用になってしまいます。
また、置き場所も有りませんし、もちろん、購入資金も無いです。
(これが一番大きい! 笑)
そこで色々調べたところ、写真の様な「畝立て専用機」が世の中に存在するのが分かりました。(この写真は「ヤンマー」のサイトからお借りしました。)
存在するのが分かっても、当然「新品」は買えませんので「中古」を探します。
すると、先の「専業農家」さんから、我が家もお世話になっている地元の「農機具屋」さんが「中古」を持っておられるとの事!
早速、見に行って「平高畝」が作れそうなのと、「現状渡し」の条件で「破格な値段」となりましたので購入しました。
ここからは、持って帰ってから、の作業の様子です。
もちろん「現状渡し」ですから、「不具合」も有ります。
まず、「赤丸」部分、左側の「整形板」(「畝幅」を決める部分)が曲がってます。
また、この「整形板」は、「ネジ」を緩めれば左右に動くはずなんですが、長年、この幅で使われていた為か「固着」して動きません。(緑矢印)
それでは、一つずつ解決して行きましょう。
まず、「畝」の上に「マルチ(黒いビニールフィルム)」を張る写真の部品は、「蕎麦栽培」には不要なので取り外します。
この部品、「ウレタン・スポンジ」部品が「経年劣化」で崩壊してます。
ですが、この「ウレタン・スポンジ」部品の「類似品」は手に入るみたいなので「部品交換」すれば使えますから、「廃棄」はせずに「倉庫」にしまっておきます。
そのうち「畑」で使うかもしれませんから、ね。(笑)
次に「整形板」の「固着」は、取付られている「六角シャフト」との間に「土」が入って、そこに「湿気」が入って「錆」が発生した結果と思われます。
なので、まず「固定ネジ」に「潤滑剤(CRC- 556)」を吹付けて浸透させ、「固定ネジ」を取り外します。
それから「固定ネジ」の「ネジ穴」から「シャフト」との隙間に「潤滑剤(CRC- 556)」をたっぷり浸透させ、「プラスチック・ハンマー」で叩いて少しづつ動かして取り外します。
これが取り外した「整形板」です。
予想通り「六角シャフト」(上側の六角形のシャフト)は、「土」と「湿気」による「錆」が酷いですが、「ヤスリ」等で磨いてやれば問題無いです。
曲がっていた左側の「整形板」は「鈑金修理」しました。(写真は修理後)
「作業行程」は、まず裏側の「樹脂板」を外します。
と言うのは、そのまま「プラスチック・ハンマー」で叩いて曲げを直そうとすると「樹脂板」が割れる恐れがあります。
また「樹脂板」とは言え、曲げ直しの抵抗になるからです。
単品になったら「プラスチック・ハンマー」で叩き、「モンキー・レンチ」で挟んで曲げ直して「鈑金修理」は完了。
「樹脂板」も、長年、曲がったままで「癖」が付いてましたので、これは「熱湯」を表や裏からかけてあげれば自然に戻ります。
「整形板」を外して分かったのですが、「六角シャフト」と耕す「ロータリー・シャフト」が並行になっていません。(写真の2本の赤線)
観察した結果、「整形板」が曲がった際に押され、「六角シャフト」の取付部が曲がった様です。
こういう曲がった部品は、力任せに曲げて戻すと「クラック(ひび)」が入ります。
ですので、「六角シャフト」単体にして、地元の「鉄工所」に持って行って「バーナー」で炙って修正してもらいました。
次は「整形板」の間の、「畝」の上側を「整形する部品」です。
この「畝立て専用機」に元から付いているのは「丸畝」を作るもので、写真の緑矢印の様にカーブした形をしています。
私が作りたい「畝」は「平畝」と言って、写真の様な形状の「真っ直ぐな部品」が必要になります。
しかし、今回入手した「畝立て整形機」は「佐野アタッチメント研究所」の物だと分かりましたが、この会社は、今は無いので「純正部品」の入手は難しいと思われます。
(「佐野アタッチメント研究所」は合併して「アグリアタッチ研究所」となっています。写真は「アグリアタッチ研究所」のサイトからお借りしました。)
まぁ、難しい形状でも無いので、無ければ作れば良いのです。
と言う訳で、ここからは「平畝」を「整形する部品」を作っていきます。
まず、作ると想定される「畝幅」に「整形板」を固定します。
それから「整形板」の穴に適当な「シャフト」を通して、「畝」の上を「整形する部品」の「取付位置」を決めます。
写真では「整形板」の穴の一番下、つまり「畝」高さが一番低い位置にしています。
次にオリジナルの「丸畝」用の「整形する部品」から、「奥行き」や「高さ」、「曲げ角度」を計ります。
この部品の上側、立ち上がってる所に「切れ目」を入れて、カーブの部分を叩いて真っ直ぐにして、それから「切れ目」を「溶接」し直せば、一番簡単に出来ます。
でも、そのうち「丸畝」を作りたいと思う日が来るかもしれません。
なので、それは、やめます。(笑)
「奥行き」や立ち上がりの「高さ」で「ダンボール」を切って、立ち上がり部をオリジナルと同じ「角度」に曲げます。
「曲げ角度」は「ダンボール」で「仮固定板」を作って「テープ」で固定して、先程の「シャフト」に乗せてみます。
右側も同様に「ダンボール」で作って、中央での左右の「ダンボール」の重なり具合を検討します。
写真は先程より「シャフト」を通す高さを「整形板」の穴一段分上げてます。
この様に「整形板」の左右の位置や「シャフト」を通す高さを変えて、「作物」の種類ごとの「畝」の「幅」と「高さ」を想定し、左右の「整形する部品」を連結固定する「固定穴」を決めていきます。
なお、「整形板」の一番上の穴を使う「畝高さ」での「作物」は、我が家では思いつかないので検討していません。
「固定穴」が決まったら「ダンボール」を分解すると、左右の部品の「展開図」になります。
このまま「鉄板」に『けがいて』切り出して加工しても良いのですが、今回は、先程「六角シャフト」の曲げ修正をお願いした「鉄工所」で作っていただくので「図面化」します。
「展開図」を基にして「3次元CADデータ」にします。
「ダンボール」で作った「展開図」に無い、左右の「整形板」に嵌る部分は、オリジナルを計って「データ」化してます。
それぞれの部品に分けたのが、これです。
「2次元CADデータ」でも構わないのですが、左右の部品を同じ形状で作って、重ね合わせて使用するので、干渉具合も見たいので「3次元CADデータ」なのです。
もっとも「3次元CADデータ」が、一番慣れていると言うのが大きいですが。(笑)
「3次元CADデータ」を基にして、写真の様に「図面化」しました。
現在、これを印刷し、先程から記事中に出て来る「鉄工所」に「製作」をお願いしています。
「製作」をお願いすると『早く出来上がりが見たい!』と言う、厄介な性分では有りますが、
まぁ、外はこんな感じですので、『焦っても・・・ね』です。(笑)
「春」になって「雪」が消える頃までに出来上がれば良いな、と楽しみにしています。
注)記事中に「修理方法」を記した部分等が有りますが、記載の方法は、私の経験に基づいて行ったものです。よって、この記事をご覧になって、ご自身で修理等をされて不具合等が発生しましても、当方では保証は出来かねます。その点、よろしくお願いいたします。