焼印の製作

先日来の記事でも書いてますが、「木工旋盤」で「ぐい呑み」や「小皿」等や、「仏器運び」や「善勝寺桜 募金箱」と木工品の製作が続いてます。

自分で言うのも何ですが、なかなかの自信作が出来てますので、銘を入れたくなりまして・・・。
前の記事の最後に書いた『新たな目論み』とは、この事です(笑)。

そこで「焼印」を作ってみましたので、その過程を載せてみます。

画像ソフトを使って実寸の版を作って印刷します。

私の仕事の屋号が「STUDIO 桜里舎」ですので、銘は「桜里」にしました。
(*絵や書などに入れる「落款」の銘(で良いのかな?)を「雅号」と言うそうです。)

印刷した版を「デザインボンド(スプレーのり)」で材料に貼って、「金切りノコ」で「焼印」のサイズに手で切り出します。

「焼印」の材料としては「真鍮」が良く使われる様ですが、今回はたまたま在庫に有った「アルミ材」(多分、A2014かA2017)を使ってます。

文字を彫り込む道具「リューター」は、これです。

本業では「ミニター株式会社」の「ミニター」を使ってました。
精度が良くて使い勝手も良くて非常に良いのですが、個人で買うにはお値段が高いんです。(確か、本体、コントローラーで9万はすると思います。)

そこでネットで色々調べた結果入手したのが、「アルゴファイル」社のこれ。
刃の交換が「ミニター」と同じ方式で作業性が良さそうなのと、回転速度のコントロールが出来る点が選んだ理由。
値段は2万円強(Amazon)で安くは無いですが「ミニター」の四分の一くらいで済みました。

使った感じ「ミニター」よりも持つ部分が細いので、そこは「シリコンチューブ」と「指カバー(?)」を付けて調整してます。
写真の右端の四角いのが「フットペダル」で、これが地味に便利です。

もっと安い「リューター」も有りますが(実は某社のを持ってたりする)、軸の精度が良く無かったり、トルクが無くて文字を彫るとか細かい作業では上手く削れないんです。

削る刃は、写真の上の「ダイヤモンド」は付属で付いてました。
下のは細かい細工用に追加購入。
しかし、外周の枠の外側にしか使いませんでした。

同時にこれらの刃も購入しました。

これらは今回の「焼印」には使いませんが、「竹灯籠」の細工に仕えるかと思ってです。

と言うのは、「三寺参り」の「竹灯籠」を『もっと凝ったデザインで作ってみたい』と個人的に思っていて、それには「リューター」が必要なのですが、今ひとつ購入に踏み切れなくて・・・。(本当に作るのか?って事です。笑)

今回『「焼印」を押したい』と言う気持ちが大きくなって、『「竹灯籠」でも仕えるし』となって、購入になった次第です。
(*「焼印」をネットで頼めば、今回のサイズなら同じ値段以下で出来ます。)

彫る作業には「リューター」を持つ右手(右利きなので)と材料の安定が重要です。

板切れにΦ8mmの穴を開けて素材を差し込んで固定します。
右側の塊は板切れを貼り合わせた物で、ここに「リューター」を持った手を乗せて安定させます。
これは動かして使うので、材料を差し込んだ板には固定しません。
(「焼印」が完成した後での写真なので、既に「桜里」と入ってます。笑)

彫り込む際に材料を削った粉が出ますので、写真の様な使い捨てのトレイを敷くと後始末が楽です。

写真のは「東洋アルミエコプロダクツ株式会社」の「焦げ付かない焼きそばプレート」ですが、2枚入りでお値段も安いのでお薦めです。

写真の上が本来の「ハンダゴテ」の軸で、下側が「焼印」を固定した物。

「焼印」の裏側中心に「ハンダゴテ」の軸の径と同じΦ8mmの穴を開けて、横から固定用の「イモネジ」を入れるM3のネジを作ります

この作業は「焼印」を彫る前に、やっておいた方が良いです。
上でも書いている様に、この軸で材料を固定すると作業性が格段に良くなります。
また、せっかく綺麗に彫れても、この作業で傷付けたり、最悪、固定穴が貫通してとか目も当てられないですし、ね。

ちなみに「ハンダゴテ」の軸は、だいたい「銅製」なので「金切りノコ」で簡単に切れます。

この写真が彫り上がった「焼印」。
「ぐい呑み」の裏に押したかったので小さいサイズにしましたが、文字が細くて面倒でした。

「焼印」を押す際には、この「ハンダゴテ」を使います。
写真では、まだ先端に「焼印」は付けていません。

下側の黄色いダイヤルが付いているのは「温度コントローラー」で、これを使えば良い塩梅の「焼印」が出来る温度に設定出来ます。

やり方は、徐々に高い温度にして何度か試し押しして、最適な温度を出します。
最初から高い温度にすると、ダイヤルを回して温度を下げても、すぐに冷めないので難しいです。(*経験者 談)

「ハンダゴテ」の先端に「焼印」を取り付けた状態。
「ハンダゴテ」側の出っぱってる方のネジが軸の固定なので、それを緩めると簡単に交換出来ます。

ちなみに軸は単体で販売されていて、「焼印」ごとに軸を付けてやれば、複数の「焼印」を取り替えて使用する事も出来ます。(1個¥320円−Amazon)
最も、押してすぐは「焼印」が凄く熱いので、交換はやらない方が身の為です。(笑)

で、「焼印」が出来ましたので、早速、うずうずして押してみました!
「桧」の「ぐい呑み」は良い感じに押せました。

「杉」の「小皿」は、ちょっと長く当て過ぎたのか、黒くなり過ぎ?

「栗」の「小皿」は底面の真ん中が少し凹んでいて、真ん中が薄い・・・。
なかなか綺麗に押すのは難しいです。

「桧」の「菓子皿」は「蜜蝋ワックス」仕上げのせいか、押した周りが何か溶け出した様になってしまいました。
「焼印」を押すのは、表面処理の前の方が良いかもしれませんね。

〈追記〉
「亜麻仁油」や「蜜蝋ワックス」を塗る前、「旋盤」で挽いたままで「焼印」を押しても「桧」の場合、「桧」の油分が熱で滲み出す様です。
滲み出して直ぐに「アルコールクリーナー」を「ウエス」に付けて拭いてあげると、だいたい取れました。

以上「焼印」製作の記事でした。

「焼印」が出来た事で『生きていた証』になるかな?(笑)

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