やっと昼間の気温が上がって来ましたので、止めていた「善勝寺桜」の募金箱製作を再開、完成しました。
文字を彫り終えて、最終的に全体を組み上げた状態です。
ここまでの製作記は、以前の記事を参照下さい。
ここから塗装の工程に入ります。
使うのは、左から「ハケ塗り用」「缶スプレー」の各塗料と目止めに使う「砥の粉」の三つ。
まずは「砥の粉」による「目止め」の工程を行います。
「砥の粉」を用いると、木の塗料の吸い込みを抑制したり、小さな傷を埋める事ができます。
「砥の粉」を水で1:1で溶いて、ハケで塗り込んで、半乾きの時に「ウエス」で擦り込みながら余分な「砥の粉」を落とします。
その後、よく乾燥させてから#320番くらいの「紙やすり」で軽く表面の毛羽立ちを取ります。
「砥の粉」で目止めが終わったら、「本塗装」を行います。
写真の左二つが塗料で「ワシン」社の「油性ニス」で「ハケ塗り用」と「缶スプレー」を使います。
何故、2種類用意してあるかと言うと、文字の部分を「ハケ塗り」するとせっかく彫った文字を埋めてしまうので、文字の面だけは「缶スプレー」を使うのです。
ここまでの工程の作業中の写真は有りません。
「本塗装」して3日程、しっかり乾燥させます。
今回使用した「ワシン」社の「油性ニス」は、触った感じで湿っぽいと乾燥が不十分な状態なので分かり易いです。
しっかり「本塗装」を乾燥させたら「文字の色入れ」です。
この工程、手元が狂うと塗料がはみ出るので「筆」を持った手の安定が重要です。
なので、塗る際に塗った所を触らない様に、真ん中の文字から塗っていきます。
使った塗料は「アサヒペン」社の「油性スーパーコート」です。
そのまま塗っても良いのですが、文字の外周部の彫り込みの深い部分にしっかり塗料が流れ込む様に「ペイント薄め液」で少し薄めて使います。
なお、薄め過ぎると文字のトップの色が薄くなって透けてしまいます。
「油性」に「油性」塗料を塗るので透けたからと何度も塗ると「本塗装」を痛めるので要注意です。
実は、この「文字の色入れ」用の塗料、結構選択に悩みました。
写真の一番左「カシュー」社の油性塗料が塗りやすくて好きなのですが紫外線に弱く、これで「文字の色入れ」した自宅の表札は、3年で色が褪色してしまってます。
「募金箱」は長く使用したいので「カシュー」以外の3つを新たにテストしました。
写真の右側2つは「水性塗料」です。
「水性」なので「油性」の「本塗装」を痛めにくいので、乾燥前ならはみ出ても水で濡らした「綿棒」で簡単に拭き取れて作業は楽ですが、「テストピース(木片に「本塗装」と同じ塗料を塗って作ってあります)」に塗って乾燥後に『意地悪テスト(硬い物、金属のスケールなどで擦って剥がしてみる)』を行うと簡単に剥げるので却下。
今回使用した「アサヒペン」社の「油性スーパーコート」(写真の左から2番目)は『高耐久性』が売りですし、「テストピース」に塗った結果、「カシュー」社の物よりは多少塗りにくいですが、まぁまぁ何とか行けそうでした。
何より「油性」なので「本塗装への食い付きが良く「水性」の様な剥がれの心配が有りません。
で、全部「文字の色入れ」が終わった状態。
多少、気になる部分も有りますが、近くでじっと見る芸術作品じゃ無いので、良しとしましょう!
で、前回の「募金箱」製作記事の最後に書いた「土台」が完成していたので、受け取って来て塗装しました。
使った塗料は「ホルツ」社、「ソフト99」社など、在庫で持っていた「艶消し黒」の「缶スプレー」です。
「土台」の塗装が終わったので一番下の「コンクリート」部分の「型枠」を作ります。
四隅の部分がはみ出ているのは、横着して切らなかったのでは有りません。
「コンクリート」が固まって「型枠」を外す際に、ここを叩いて外すからです。
四角いままでも、もちろん良かったのですが、移動させる際に「コンクリート」に角が有ると痛いかな?と四隅に「面取り」様に三角の角材を入れておきます。
「型枠」が出来たので「コンクリート」を流し込みました。
「コンクリート」と書いてますが「ホームセンター」で買える「インスタントセメント」で「セメント」と「砂」だけの「モルタル」と呼ばれる物です。
まぁ、上に重量物が乗る訳でも無いので大丈夫だと思います。
但し、「コンクリート」の硬化には温度が影響するのと、0℃以下に気温下がると凍って良くないので、そうならない日を選んで作業してます。
底に敷いた「ベニヤ板」は「コンクリート」で汚すと勿体無いし、「型枠」が外し易いので「種蒔き培土」の空袋を敷いてあります。
「コンクリート」を流し込んでから2日後、この時期、まだそんなに気温が高くならないので少し余裕を持って「型枠」を外しました。
角の部分、エッジが危ないので「紙やすり」の荒いので少し削って完成です。
「募金箱」と一体化してみました。
「募金箱」が大きいので『風に煽られて倒れるのは嫌だな』と「土台」を大きめにしたのですが、移動させるにはちょっと重いかもしれません。
『作ります!』と言ってから、約1年。
忙しいのも有って時間が掛かりましたが、やっと完成しました。(笑)