脱穀しました!2025

本日、脱穀しましたので、今年もその様子を紹介したいと思います。

先日の記事で稲刈り、ハサ掛けの様子を紹介しましたが、あれから約2週間。
本当は先週末に脱穀したかったのですが、天候不順でやれず。

例年なら天気の良い日を選んで脱穀となるのですが、今年は9月中から本業の出稼ぎ中で、平日は仕事で土日限定となりますが、明日の土曜日は雨みたいですので急遽休みを取って行いました。

まずは東の田んぼの様子。
今週は割と天気が良かったので、良い具合に乾いてます。

上の田んぼも、良い具合です。

まぁ、多少難が有っても、この日しか出来ないのですが・・・。

さて、先日、整備したハーベスタ(これも記事にしました)を倉庫から持って来て、

タカヤマモチ(餅米)から脱穀します。

毎年書いてますが、先にタカヤマモチを脱穀する理由は、脱穀するとハーベスタの内部に多少米が残るので、混ざるならコシヒカリに混ざった方が良いからです。

スタート地点でハーベスタの畳んである部品を展開、付属部品を取り付けて準備完了。
早速、脱穀していきます!

約20分で、タカヤマモチの脱穀終了。

今年は上の田んぼのタカヤマモチを、この田んぼにひとまとめにしていたので、一気に餅米は片付きました。
*先日の稲刈り、ハサ掛けの際に、ハサが足らなかったのは、これかもしれない。

続いてコシヒカリの脱穀を行いました。

10時40分に始めて11時15分、約30分で東の田んぼの脱穀は終了です。

この後、ハーベスタを移動させて上の田んぼの脱穀をしましたが、毎年、同じ内容なので、今年は省略。(笑)
こちらは約30分ほどだったので、トータル1時間半で全ての脱穀が終わりました。

あとは後片付けですが、ハサ木は稲束が掛かっていた所が多少は湿っているかもしれませんので、この先長く使える様に数日乾かしてから仕舞います。

稲藁は畑仕事で使うので、数束を一つに縛って倉庫にしまいますが、毎年入りきらないので、入らない分はご近所の方々に貰っていただきます。

我が家では毎年大量に出ますが、最近はコンバインで稲刈りするので稲藁は希少だそうで、喜んで受け取っていただけます。

稲藁の片付けをしてもらっている間に、ハーベスタの清掃です。

中に籾が残っているとネズミが巣食うので、丁寧に取り除きます。
また来年の脱穀の際、新米に去年の米が混ざるのも嫌ですからね。

今年の整備の際に『揺動板』の横のシール材を補修したおかげで、ハーベスタ下に溜まる籾の量は格段に減りましたので、苦労した甲斐が有りました!!

さて、今年の収量ですが、

東の田んぼは、コシヒカリが6袋と1/3。タカヤマモチが3袋。

上の田んぼが、コシヒカリ8袋。

まとめると、この様になり、過去最高の収量となりました。

他の農家さんの状況を聞きましたが、ここ六ノ里ではどこも収量が多かったそうです。
そして、食味値も例年以上に良かったそうです。

我が家も色々と肥料を工夫した結果、今年はコシヒカリの『ひこ生え』がほぼ無く、タカヤマモチも例年より少ないです。
*『ひこ生え』が多いのは、肥料が余っていると考えて良いそうです。

これは余分な肥料が無く、稲穂に米が形成される頃の肥料が適量だったと思えます。

となると、今年は食味値も過去最高となる!
まぁ、これは分かりませんけどね。(笑)

現在、籾摺り屋さんに出してますので、来週の中頃には今年の新米が出来上がります。
仕事を頑張りながら、楽しみにしています。

稲刈りです!2025

朝晩はめっきり涼しくなった六ノ里。
今年も稲刈りの時期になりました。

昨年と同じく今年も猛暑で稲の実りが早く、昨年並みに早く刈りたかったのですが、雨の日が続いて、なかなか田んぼが乾きません。
結局、去年よりも1週間遅い実施となりました。

今回は、この稲刈りからハサ掛けの様子を紹介してみたいと思います。

が、本題に入る前に、いつもの前置きを少しだけ。
今回は今の蕎麦の圃場の様子を紹介します。

「源蔵寺棚田の再生」今年の圃場です。

先日の大雨で、残念ながら今年も倒伏してしまいました。

昨年は倒れたままにしていましたが、今年は倒伏してすぐ、支柱と麻紐で越しました。
(雨が降ってきて、全ては無理でしたが、2/3は戻せたかと)

去年の圃場、中段は今年の圃場より10日ほど種蒔きを遅らせたのが良かったのか、ほぼ倒伏無しで育ってます。

どちらの圃場も、10月に入れば黒化率(蕎麦の実が黒くなる比率)が上がって、刈取りの時期になります。
このままでいけば、昨年蕎麦用に改造したバインダー「SO-Binder」で刈れそうです。

さて、前置きはここまで。本題に入ります。

先日の「バインダーの整備」の記事の最後にも書きましたが、稲刈りを予定していた9月20日では、それまでに雨が降って田んぼが乾かず出来ませんでした。

数日好天が続いて、昨日、やっと稲刈り出来た次第です。

今の六ノ里の棚田の風景です。

本来この時期なら、写真の辺りは稲刈りが終わっているはずですが、今年はまだです。
どうも田んぼが乾かず、コンバインがぬかるみで立ち往生の可能性が高く出来て無いそうです。(専業農家さんの話では、立ち往生があったそうです。)

我が家はコンバインに比べ軽量なバインダーですし、しかも「ゼロプレッシャー・タイヤ」なので、なんとか稲刈り出来そうです。(「ゼロプレッシャー・タイヤについては、こちらを参照ください。)

我が家の東の田んぼの様子。

コシヒカリもタカヤマモチも、黄金色の稲穂が垂れてます。

心配していた田んぼの乾き具合は、北西の角のいつも乾きにくい所は多少ぬかるみますが、長靴が潜らないので、まぁなんとかなりそう。

上の田んぼの具合は南西角が柔らかいですが、こちらも長靴で歩けない程でも無い。

どちらの田んぼも刈り時なので、稲刈りやります!!

なお、今年初めて、我が家の田んぼでも倒伏が発生しました。

多少倒れかかったぐらいなら刈った事がありますが、ここまでの状態は無いので、正直手こずりそうです。

まずは東の田んぼから。
水口に近い所に植えてある「タカヤマモチ(餅米)」を刈りました。

所要時間は10時頃から始めて終了が10時20分、約20分程で終了。

続いて「コシヒカリ」を刈りました。
10時半から始めて11時過ぎ、多少手こずりましたが30分程で完了。

土が柔らかい場所では「ゼロプレッシャー・タイヤ」でもタイヤが空転しました。
なので稲列にバインダーの先を合わせるのに苦労しました。

またこちらの田んぼでも一部軽い倒伏が有って、そこでは稲列がどこにあるのか見えなくて・・・バインダーで踏み倒しかけてはバックしてと大変でした。

続いて、上の田んぼの「タカヤマモチ」を刈りました。

この所要時間は約20分程。
ここら辺りは良く乾いていたので、別段問題も無く刈れました。

続いて「コシヒカリ」を刈りましたが、先に載せた倒伏部で悪戦苦闘しました。

タイヤで踏み潰して泥が付いたのは、そのままハサに掛けておけば落ちるので良いのですが、稲列が分からずバックしたら隣の列の稲穂をバインダーの送り部分に巻き込んでしまい、少し無駄にしてしまいました。

ここは11時40分から始めて、終わったのが1時前なので、コシヒカリだけで1時間も掛かりました。
昨年はタカヤマモチ、コシヒカリ両方で1時間ほどなので、悪戦苦闘ぶりを分かっていただけると思います。

刈取りが終わったので、先にコンバインを洗って乾かしておきます。
ハサ掛けしている間に、乾いてくれますので。

私流の掃除方法は、まず、刈取り部に溜まった藁クズをエアブローで落とします。
そのまま洗い流すと、濡れた藁くずがいろんな所に引っ掛かって取るのが面倒です。

次に高圧洗浄機で洗うのですが、田んぼが柔らかいのでタイヤの溝の部分には土がいっぱい付いてます。
これを洗い流すのはもったいないので、先に丁寧に手で集めて田んぼに戻して、それから洗います。

洗車(?)が終わると、時刻は13時。
お昼はとっくに過ぎてますが、ここで昼食とします。(栃洞産の米のおにぎり)

簡単な昼食を採ってから、ハサ掛けに入ります。

ここで『凄腕の助っ人』登場!
我が家が米作りを始めた最初の年、稲刈りやハサ掛けを教えてくださった方です。

通り掛かって稲刈りをしているのを見て、手伝いに来てくださいました。

1時間ほどで上の田んぼのハサ掛け終了。

『凄腕助っ人』のお陰で、予定していたより30分は早く出来ました!
本当にありがたい。感謝、感謝です!!

続いて、東の田んぼのハサ掛けです。

写真にある様に、ハサ木を持っていって並べてます。
我が家では『上、西1』の様なナンバーをハサ木に書いてありますので、その通りに田んぼに持って行ってハサを立てれば良いのです。

ハサを組んで、順調にコシヒカリから掛けていきましたが、ここで問題発生!

両方の田んぼにタカヤマモチを植えてますが、脱穀はコシヒカリと混ざらない様にタカヤマモチだけまとめて先に脱穀を行います。
なので、東の田んぼに運んで一緒にハサ掛けするのですが、今年は掛ける場所が足らない!!

先日もお隣のお父さんから『今年は良く出来てるなぁ。』と言ってくださってましたが、ハサが足らなくなるとは。
ただし、稲束が太いだけで、収量は変わらないかもしれませんが・・・。

結局、ハサを一部延長したり、コシヒカリを上の田んぼのハサに持って行って掛け直したりして、終わったのは写真も撮れないくらい暗くなってました。(この写真は途中の物)

明けて翌日、今朝の東の田んぼの様子。

昨夜は日没で掛けられなかった雨避けのブルーシートを、東、上ともに掛けました。
この雨避けは、天気の良い日には根元も乾燥させるべく、くるくると巻いて端に縛っておきます。

以上、今年の稲刈りの記事でした。

今年は、天気と田んぼの乾き具合に、本当にヤキモキしました。
1週間ほど遅れはしましたが、無事に稲刈りを終える事ができました。

この後は、約2週間ほどハサ掛けの後、脱穀する予定です。
さてさて今年の収量は、どれくらいあるのでしょうか?
楽しみです!

バインダーの整備

前回の記事はハーベスタの整備を紹介しました。
今回は稲刈りに使用するバインダーの整備を記事にしてみたいと思います。

その前に、いつもの前置きを少し。

毎年9月7日は栃洞白山神社の例大祭です。

朝から地域総出で、境内や本殿、拝殿の掃除を行い祭礼の準備を行います。

掃除が終わるとキリコ灯籠を吊るした後、拝殿にゴザを敷き、祭壇を設置してお供物を飾ります。

神事の際に座る床几を並べて、準備は終了。
午後から神事を執り行ないます。

神事とその後の直会の様子は、去年も紹介しましたので省略。
もし詳しくお知りになりたい方がおられましたら、去年の記事をご覧ください。

と言いますか、神事には出席してますので写真を撮れませんし、直会は何かホッと気が抜けたのか撮ってません。(笑)

そして祭礼の夜には拝殿踊りが開催されます。(詳細は去年の記事を参照ください。)

先日の平谷白山神社の拝殿踊りもでしたが、今年は多くの方が来られて、拝殿に上がれない人が出るくらいでした!

拝殿踊りには、近隣の方だけでなく、遠方からも来られますが、今年、一番遠方から来られた方は、なんとイタリアから。

どういう縁で来られたかは、私、外国語が苦手なのでよく分かりません。
しかし、拝殿踊りも拝殿に上がって踊りの輪に加わって踊っておられました。
そして、拝殿踊りの後の恒例の栃洞屋での宴会にも参加いただき、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。

日本とイタリア、全く文化の違う人同士でも、ここの祭りには通じ合える様な空気感が有るのかもしれません。

さて、それでは本題に入ります。
まずは今の田んぼの様子から。

我が家の東の田んぼも、こんな感じに。

上の田んぼも順調に育ってます。

餅米のタカヤマモチも、

コシヒカリも、稲穂が垂れてます。

こうなれば、そろそろ稲刈りの時期となります。

稲穂が実るのにはたっぷりの水が必要ですが、もう十分実ったので必要ありません。
稲刈りに向けて、水口を切って田んぼの水を抜きます。

水が溜まっていると刈った稲束が濡れてしまって良くないですし、あまりにぬかるんでいると、これも良く無いので、稲刈りの日を決めたら早めに抜きます。

上の田んぼも、水口を切って水を抜きます。

水を落としたので、あとは稲刈りまでに乾いて良い具合になるのを待つだけです。

そして、稲刈りの日を決めたら、それまでにバインダーの整備を行います。
『さぁ刈るぞ!』となって、不具合が出たら何ともならないですからね。

今年もお隣にお借りした、クボタのバインダー RB30です。

昨年の稲刈り後に必要箇所への給油は行ってますが、各部のオイルはそのままにしてますので、今回の整備のメインはオイル交換になります。

作業後にオイル交換していない理由は、稼働して熱が入るとオイルは酸化しますし、1年置いておくと気温差で内部が結露してオイルに水分が混ざる可能性もあります。

これらはオイル品質の劣化の原因なので、使う前に換えてあげたいのです。

なお今回、ミッションケース、チェーンケース、結束ケースのオイルも交換しますが、これらは交換の推奨時期が取扱い説明書に記載されてますので、それに満たなければ毎年行う必要は無いです。

では、オイル交換の作業に入ります。

まずはミッションケースのオイルから。
作業を行うのにカバーが邪魔なので外します。

ミッションケースの給油口と排出口は写真の通り。

カバーを外す理由は、給油口周りに付いたオイルを拭き取り難いからです。
油分が残っていると滲み出たものか分かり難いですし、汚れも付着しやすくなります。

次に、排出口の下に「廃油処理箱」をセットします。

オイル交換と言えば、昔は廃油トレイに抜いて、抜いた廃油は大きめの缶に入れておいて、ある程度溜まったらガソリンスタンドで処分してもらう、これが普通でした。

これなら、そのまま古いオイルを抜いて、燃えるゴミ(自治体の規定による)に出せますから、廃油を缶に移す際に『こぼして床の掃除が大変!』なんて事もありません。

次にオイルを抜く為に、排出口のボルトを外します。

ただし、この時、まだ給油口は外しません。
と言うのは、給油口を外してから排出口を外すと、一気にオイルが出るからです。

給油口を閉じたまま排出口のボルトを抜けば、中がある程度負圧になるので一気に出ないので、排出口のボルトを持った手にオイルが掛かる事も少なく、慌てずに作業が出来ます。

排出口のボルトを外したら、給油口を開けて古いオイルを全部排出させます。

オイルが入っている箇所は、このミッションケースもですが、完全密閉では無いので、そのままでもオイルは出てきますが、抜け出てくる速度が違うので給油口を開けた方が作業性が良いです。

古いオイルの具合を目視と手触り、後、匂いを確認します。

長年使って、その間交換はしてないと聞いてましたが、ほとんど汚れは無さそうです。

目視の理由は、金属粉が多かったら中が摩耗していたり、金属片が有れば内部の破損が考えられますし、白濁(乳化)していたら、どこからか水が入り込んだ可能性が分かるからです。

指で触る理由は、オイルは劣化が進むと粘度が落ちるので、新品のギアオイルと触り比べれば劣化の度合いが分かるのです。
今回は新品のオイルと同等の粘りもありますが、酸化した匂いがしますので、まぁ交換して妥当かと。

古いオイルが出てしまうのを待つ間に、排出口のボルトと給油口をパーツクリーナーで洗浄しておきます。
特に排出口のボルトとワッシャの間に小さなゴミが入っているとオイル漏れの原因になりますので、そこは丁寧にやります。

古いオイルが出て来なくなったらウエスで拭いて、排出口のボルトをねじ山の半分くらい手でねじ込んで、パーツクリーナーで洗浄します。
これは排出口のボルトのワッシャとミッションケースの間にもゴミを入れない為です。

排出口を適度な力で締め付けたら、次はギアオイルを入れます。

使うオイルは、これです。(今はパッケージが変わったみたいです。)

ホームセンター「コメリ」のオリジナル商品で、4Lで¥4,500円。

オイルを選ぶ際に重要なのは『規格が同等以上か』です。
このオイルはSAE90のGL-5で純正オイルと規格が同じなので、これで問題無いです。

新しいオイルを入れたら、給油口を閉めて、排出口、給油口共に、今一度パーツクリーナーで洗浄しておきます。
こうしておけば、万が一オイルが滲んで来てもすぐに分かるからです。

ちなみに、整備をする際に必要な情報、例えばオイルの量だとか、排出口、給油口の位置などは取扱い説明書に記載されてますので、それを見ながら作業を行ないます。

ただ、それぞれの作業に必要なページは限られるので、私は写真の様に、必要な箇所だけを印刷してラミネートしてます。
こうしておけばオイルで汚れた手で触っても大丈夫ですし、保管しておく際も傷んだりしませんから便利です。

なお、取扱い説明書が無い場合は、メーカーのサイトでPDFデータが手に入る事があります。
またメーカーサイトに同じ型番の物が無い場合は、問い合わせると参考に出来る機種を教えてもらえます。

ミッションオイルの次は、チェーンケースのオイルを交換します。

チェーンケースの給油口と排出口はタイヤの奥に有るので、写真の様にジャッキで持ち上げてタイヤを外します。

その際、先端部のデバイダーを痛めない様に、写真の様に木材などを入れて浮かしておきます。

タイヤを浮かせたら、ベータピンを抜いてタイヤを外します。

これがチェーンケースの排出口です。

オイルを抜くにあたっては、まず排出口の下に「廃油処理箱」をセットします。
ここはタイヤの裏側で使用後の洗浄でも泥を洗い流せて無いので、外す前に丁寧に汚れを取り除きます。

綺麗になったら排出口のボルトを外します。
使う工具はこの機体では22mmのボックスレンチです。

オイルが流れ出したら、給油口のボルトを外します。

こちらも排出口同様、泥で汚れてますので、外す前に綺麗にしておきます。

オイルが排出される間に、排出口、給油口ともにボルトを洗浄しておきます。

古いオイルが排出されたら排出口のボルトを締め付けます。
締め付ける際に半分ほどねじ込んでパーツクリーナーで洗浄します。

排出口を締め付けたら、次はオイルを入れるのですが、給油口が小さくてオイルジョッキのノズルの先が入りません。

こんな時は穴に無理矢理押し込める太さのホースが有れば、それをノズルの先に付けて入れれば良いのですが、そんな都合の良いホースが手元に有りませんでした。

そんな時はジョウゴを作ります。
ボール紙でも良いのですが、少し勿体無いけど、私は耐水ペーパーを使います。

これだとオイルが浸み込みにくくて、オイルに濡れてコシが弱くなり難いのです。
*コシが弱くなると形状が壊れて、溢れる場合があります。

新しいオイルを入れたら給油口のボルトを取り付けて、排出口と共に、今一度パーツクリーナーで洗浄しておきます。

最後にタイヤを取り付けて、ここは終了です。

チェーンケースの次は、結束ケースのオイル交換です。

結束ケースは地面スレスレに位置するので、そのままでは排出口の下に「廃油処理箱」をセット出来ません。

なので、先端部の下に「廃油処理箱」以上の高さのスペーサー(写真では杭の束)を入れてから、「廃油処理箱」が入るまで機体後部をジャッキで持ち上げます。

「廃油処理箱」をセットしたら、排出口の下がフランジ状になっていて廃油が溜まるので写真の様に養生します。

これ以降の工程は、ミッションケース、チェーンケースと同じなので省略します。

続いてはエンジンオイルの交換。

これは毎年行った方がベストですが、年に一度の使用なので、オイルの量と劣化具合を確認して必要があればで良いかもしれません。

手前の白いガードが外せると良いのですが、エンジンマウントなので外せません。
養生出来る隙間も無いので、このまま「廃油処理箱」をセットして交換します。

オイル交換の工程は、ここも同じなので省略です。

ただ他と比べて廃油が機体を流れるので、交換後のパーツクリーナーでの洗浄は念入りに行います。

以上で、オイル交換は全て終了。

あとはジュート紐(稲を縛る紐)をセットして結束機の動作確認をして、刈り刃の動きを確認して作業前整備は完了です。

と、バインダーの準備は万端ですが・・・

来週末に稲刈りを予定してますが、天気が悪そうです。

果たして、予定通りに稲刈りできるのでしょうか?・・・・

ハーベスタの整備

我が家の米づくりには欠かせないハーベスタ。
脱穀に向けての整備を行いましたので、記事にしてみたいと思います。

例年なら脱穀の前の空いた時間で整備を行うのですが、今年はその時期は本業で時間が取れそうにありません。

今はまだ、稲穂が垂れ終わったくらいで、稲刈りは9月の半ばくらいですから、かなり早い時期の整備ですが、蕎麦が一段落した今、時間のあるうちにやっておこうと言う訳です。

ところで、ハーベスタってご存知ですか?
ネットで検索すると林業で使う機械が出て来ますが、米作りに使う『ハサ掛けした稲束を脱穀する機械』の名称でもあります。

我が家のハーベスタは「フジイ MK- 100」。

製造は「藤井農機製造株式会社」、現在の「フジイコーポレーション株式会社」です。
なお、各部が全く同じ形状の「大島 MK100」が仲間の所に有りますが、これのOEMではないかと。

どちらにせよ昭和の古い機械ですが、ちゃんとメンテナンスしてあげれば、電子部品が無い分、長く使えます!

では、なぜネット検索で出て来ないのでしょう。

それは、現代の稲作はコンバインで刈取りから脱穀まで一気に行うのが主流で、写真の様にハサ掛けしません。

ハサ掛けしませんから、当然ハーベスタは使われない訳です。
つまり、過去の米づくりに使う機械だからです。

しかし、我が家ではハサ掛けを行います。

理由はハサ掛けすると茎の養分が籾に落ちるのと、天日に干す事とで旨味が増すと言われているからです。
なので『せっかく米作りするなら、少しでも美味しい方が良いかな』ぐらいの感覚ですが、昔の方法をやってます。

そんな米作り、私は『昭和の米作り』と勝手に言ってますが、それにはハーベスタが必需品なのです。

ちょっと脱線しましたが、ここから整備の話です。(笑)

いきなり、各部を外した点検中のハーベスタの写真です。

まずは各部の動作確認をして、昨年使用時に気になった所の修理を行います。

昨年気になったのはエンジンのハンチング。

ハンチングとは回転が高くなったり低くなったりを繰り返す現象で、だいたいキャブレターのエア通路が詰まり掛けている場合が多いです。

*なお、「ガバナー」(負荷が掛かるとエンジン回転数を補正するという機構)の不具合で、反応がシビアになってハンチングに似た症状を起こす場合もあるようです。

それと、エンジンの回転を上げてみると『米』を脱穀する回転は良いのですが、それより高回転の『麦」の回転まで上がりません。

まぁ、麦は作って無いのでこのままでも良いのですが、何かが異常で起きているので、もっと悪くなって『米』を脱穀する事が出来なくなるとマズいです。

この現象は、多分、メインジェットが詰まりかけているか、燃料の供給に問題が有るか、と考えられます。(*点火系の可能性も有りますが・・・)
なので、まずはキャブレターを分解清掃しました。

結果はハンチングは直りましたが、高回転の不具合は多少良くはなっても、完全には解消出来ませんでした。

となると燃料供給系が考えられますので、燃料パイプ、燃料コックを点検しましたが異常が無いので、点火系かもしれません。

キャブレターに問題が無いので、点火系を点検します。

上に書いた様に、高回転(と言っても2,500rpmくらい)で回らないなら、その時点でプラグに正常な火花が飛んで無いのかもしれません。

正常な火花が飛ばない理由は、プラグの劣化か、極稀ですが点火コイルの劣化が考えられます。
なので、まずはプラグを外して目視でチェックしてみると、そこそこ電極に摩耗が見られたので交換しました。

それから、点火コイルも専用工具で火花の強さを確認しましたが、これは大丈夫でした。

この時点で回転は上がる様になりましたし、ハンチングも収まったのでオイル交換してエンジン系は整備終了。

例年なら脱穀前の整備は、これで終わりです。
が、今回は時間に余裕が有るので、過去に対処出来なかった対策をやります!

毎年脱穀時に気になるのが、ハーベスタの最下部にトレー状の部分が有るのですが、ここに籾がいっぱい溜まります。

色々な部分の隙間を確認して、漏れ出そうな箇所をシール材やテープで塞ぐのですが、それでも溜まります。

で、ハーベスタの構造を調べてみると、どうも写真の『揺動板』に問題が有りそうです。

脱穀・風選の仕組みは、『揺動板』の上に位置する脱穀ドラムで稲束を脱穀すると、籾と小さいゴミが『揺動板』に落ちて、文字通り揺すられる事で籾と小さなゴミが写真の手前側に送られます。

籾と小さなゴミが手前の網の所まで来たら、網の目から下に落ちる際に風選され、籾だけが下に見えている搬送スクリューの所に落ちるのです。

ですから全ての籾と小さいゴミが『揺動板』に乗る様に、『揺動板』とボディの隙間はシール材で埋まっているそうです。
が、我が家のは赤い矢印の所が片側8mmくらい開いています。
実際、その隙間に手を突っ込んでみると、糊の跡らしき物に触れます。

*写真は作業中は長年溜まった埃や油で手が汚れて撮れないので対策後の物です。(白いのが取り付けたシール材)

どうやら、この隙間から落ちた籾が、この下に有る風を起こす部屋を経由して、最下部にトレー状の部分に溜まるみたいです。

実は、『揺動板』の横の隙間が悪いのは、昨年の脱穀後に調べて分かってました。

ですが、この『揺動板』を外す方法が農機具屋に相談しても分からず、シール材を取り付ける対処が出来て無かったのです。

今回、時間が有るので『どこをどうすれば外せるか?』と各部をじっくり観察しました。
写真の車両前方から『揺動板』の下側がリンクに固定されてるのが見えるので、その固定を外せば前方に引き抜けそうでしたが、やってみてもてダメでした。

で、他の部分も丹念に観察して『まぁダメかぁ。』と半分諦め掛けている時に、

写真白丸のM-33のVベルトが劣化しているのを見つけました。

『揺動板を外すのはもっと情報を集めてからにするか』と諦め、Vベルトの交換方法を検討。

Vベルトが掛かっている下側プーリーは、手前の別のVベルト(LB-74)を外せば取れそうです。
では上側プーリーの方は・・・カバーが掛かっていて、それを外さないと変えれない様です。

なので、そのカバーを外してみると『揺動板』を動かす構造が出て来ました!
*これも先に書いた理由で、組み上げた後の物です。(白いのが取り付けたシール材)

この構造を観察すると、プーリーから繋がるシャフトの中央、『動かす構造』と書いた注釈の引き出し線の先の所が『揺動板』に繋がっている様です。

先に書いた様に『揺動板』の下側のリンク固定を外せば、前側はフリーになりますから、ここを切り離せば『揺動板』は取れそうです!!!

構造が分かったので、外せる物は全部外して・・・と。

昔から分解するのは大好きで、子供の頃は家のカメラを分解して戻せなくて親父にこっ酷く怒られましたが、今では『良く観察して、構造を理解する事』を学んだので、分解しても大丈夫です。(笑)

『誰かが組んだのだから、組めるって』と気楽にバラします。

『揺動板』を動かす構造を取り除くと、簡単に引き出せました!

実は『揺動板』の下側のリンクで『揺動板』を駆動していると思い込んでいましたので、車両後方に駆動構造が有るとは全く思ってもみませんでした。

ですから、当然、『揺動板』を車両後方から外せるとも思い付きませんでした。

やっぱり思い込みってのはダメで、もっと観察力を上げなければ・・・。

さて、これが外した『揺動板』です。

古い機械の部品ですが、錆も少なく破損も見当たりません。

側面を観察すると、手で触って感じた糊の跡やシール材の痕跡があります。

ここに新しくシール材を作って貼り付けて、隙間を埋めれば良いのです。
なので、埃やシール材の跡、糊の溜まった物をスクレーパーで取り除き、アセトンで綺麗に拭いて下処理をします。

新しいシール材に使うのは、緩衝材に用いられるポリスチレン(多分)のシート。

昨年「六ノ里地域づくり協議会」で購入した机に入っていた物を、この目的の為に保存しておきました。

『揺動板』を乗せてマジックで形状を写して、カッターナイフで切り抜きます。

『揺動板』とボディの隙間は14mmですが、このシートの厚みは30mm。

30mmを14mmにしないと、いくら緩衝材は潰れるとは言っても、厚過ぎて摺動抵抗で動きません!

なので、12mmの端材に、カッターナイフの刃を1mmの両面テープ2枚で貼って、合計14mmの刃物を作って、これを使って14mmの厚みに仕上げます。

シール材の形状が出来たので、『揺動板』に貼り付けます。

使用する接着剤は『セメダインSUPER X』。
このシリーズは今まで接着不可だった材質を接着出来たり、接着速度の速い物から遅い物まで選べて本業の仕事でも重宝してます。

数種類有るシリーズの中から使うのは、両面に塗布して5分〜8分待ってから貼る『強力超多用途』。
今回は塗布する面積が多いので、速乾型だと途中で最初の方が乾くので慌てて作業する事になりますが、これだと焦らず作業出来ます。

『揺動板』へのシール材貼り付け完了。

シール材の剥がれを予防する為『揺動板』の貼り付け部の幅いっぱいに貼ってますが、このままだと接触面が広すぎて摺動抵抗が大き過ぎます。

なので、接触する幅10mmが残る様に、カッターナイフで削いであります。

貼り付けが完了しましたが接着剤の乾燥する時間を取るため、Vベルトを購入しに出掛けてきました。

左が付いていたVベルトで、右が購入してきた物。
埃で汚れているのもありますが、プーリーとの接触面に細かいヒビも入っていて、外側と内側の布も剥がれている所も有って切れるのは時間の問題。

このVベルトは奥まった部分に有って交換するのに外す部品が多いので、この際、交換しておくのが正解だと思います。

シール材貼り付けた『揺動板』と購入して来たVベルトも組み付けて、外した部品を元通りに組んで、今一度全ての動作確認をして、今回の整備は終了です。

使う方が少なくなったとは言え、今でも販売はされてますが、新品は高いです。
中古を探しても流通数が少ないので、ボロでも結構良い値段がします。

なので入れ替えは難しいです。
古い機械ではありますが、今回の整備で頑張ってくれると思います。

ここ最近の様子は

前回の記事で「今年も蕎麦な毎日」を書きましたが、蕎麦以外にも「六ノ里暮らし」を楽しんでます。

今日はその様子を書いてみたいと思います。

栃洞白山神社の「宮掃除」。

ここ栃洞地区では、2021年に「郡上市景観百景」に認定されたのを機に、毎月第1日曜日を「景観整備の日」として、地区内の景観整備活動を行なってます。

今月は9月7日に栃洞白山神社の例大祭を行うので、境内の清掃や周辺の草刈り、植え込みの剪定を行いました。
この写真は当日は忙しくて撮って無く、フライングして前日に草刈りした物。(笑)

ちなみに、この例大祭は毎年9月7日に行われ、その日をここらでは「縁日」と呼び、神事を拝殿で執り行い、その後「直会(なおらい)」が行われます。
詳細に付きましては、こちらの過去記事をご覧ください。

景観整備活動が終わると、毎回、地域の女性陣が季節に合わせた食事の用意をしてくださりますので、皆でお昼をいただきます。

食事の味もですが、老若男女、地域の方同士の語らいも魅力なのです。
もっとも女性陣の尽力があっての事ですので、感謝を忘れてはなりません。

そして、今年からこの楽しい食事会の際に、地元の方の「お誕生日会」も行ってます。

この「お誕生日会」は、昨年の忘年会の際、当時の組長が『母が今月誕生日なので、忘年会に合わせて誕生日会をしたい』と言い出したのがきっかけで始まりました。

地域の方がいつまでも元気でいて欲しいし、お一人で暮らされてる方は誕生日を祝う事もなかなか無いと思えますし、出来れば続けて行きたいと思ってます。

地域活動の話をもう一つ書きます。

六ノ里には、標高1612mの白尾山があって、その登山道の草刈り整備(「草刈り登山」ですね)を毎年地域の有志で行なってます。

先日、今年の「草刈り登山」がありましたので、私も参加してきました。

少し周りの木々が成長して邪魔ではありますが、山頂からは360度のパノラマが楽しめ、白山や御嶽山、恵那山が見え、聞いた話では名古屋のツインタワーも見えるとか。(写真は白鳥の町の方向のものです。)

『白尾山は、かつては白山信仰の山で修験者が登る山でしたが、今は「白尾山登山」として山頂まで約1時間半、数か所傾斜のキツイ場所がありますが、初心者でも楽しめます。』

と、色々なところで書かれてますが、草刈機を持ってとなると話が違ってきます。
山頂までの数か所の傾斜のキツイ場所、何度か草刈機が重くて嫌になりました。

ですが、山頂で食べるおにぎりの味は格別なので『来年も頑張って行こうかな』と思ってます。

次は「自給農家」の様子を書いてみましょう。

我が家では田んぼや畑をやってますが、自家消費で出荷しませんので「自給農家」なのです。

で、まずは稲作。
我が家の通称「東の田んぼ」は、今はこんな感じで、

そして、通称「上の田んぼ」は、こんな感じ。

どちらの田んぼも緑の濃さが違うツートーンになってますが、これは濃い方がタカヤマモチ(餅米)で薄い方がコシヒカリ(うるち米)と品種が違うから。

近づいて見ると、タカヤマモチは稲穂が出てます。
コシヒカリは、もう少ししたら出て来るかな。

ただ今年は、コシヒカリに目立って色の濃い所と薄い所が有るのが気になってます。
雑草が多かった所が肥料を取られて生育が遅れたのか、肥料の偏りがあったからなのか。(丁寧に2回も代かきしたので有り得ないけど)

まぁ、どちらもいっぱい採れて、コシヒカリの方は食味値も良いといいなぁ。

さて、次に、畑の方はと言うと、

まず、トウモロコシ。

ここ数年夏が暑くなったとは言っても、ここ六ノ里は寒暖差が大きく、水が良いので美味いトウモロコシが育ちます。

大きさがバラバラなのは収穫時期をずらす為に、時期をずらして植えたからです。
トウモロコシは採りたてが一番美味しいので、少しづつ採り頃になるのを狙ってです。

いっぱいイボ竹(農業用の支柱)を立ててあるのは、大雨で倒れたのを起こした支え。

こちらはスイカで、他にも数個、徐々に育ってます。

ただ育て方が悪いのか、ここ栃洞が夏でも寒い日が有るからか、本当はお盆時期に採れると良いのだけどまだ小さい。
でも、味はきっと美味いはず!(笑)

こちらはカボチャ。

そして、こちらも形と色がらしく無いですが、カボチャ。(らしい)

これらが育って採り頃になって来ると、必ず「ヤツ」がやって来ます!

そう、「ヤツ」と言うのは「ハクビシン」。
東京の「三鷹市」の都市整備部ホームページから引用させていただきました。)

こっちが採り頃になって味わうのを楽しみにしてるのに、トウモロコシもスイカもカボチャも、全部綺麗に食っていきます。
見た目は可愛らしくても、許せません!

なので、イタズラしない様に電気柵を、畑の外周ぐるっと一周張ります。

ハクビシン対策が主なので、下から一番下が10センチ、2番目が20センチ、3番目が45センチ位の高さにケーブルを張ってます。

写真の箱の中に本体とバッテリーが入ってます。
オレンジ色の支柱の右手にある茶色い物がハンドルで、畑に入る際に足を引っ掛け無い様に、ここで切り離せます。

電気柵は雑草が触れるとアースになって効かないので、ケーブルの下には全周防草シートを貼ってあります。

なお、誤ってケーブルに触れると凄く『痛い!!!』(経験者談)ので、間違っても触れない様にお願いします。(誰も触らないとは思うけど・・・)

最後は、また蕎麦の話。(笑)

前回の記事で書いた源蔵寺棚田の中段の蕎麦は、種蒔き後に何度か夕立の日が有って、畝が雨で濡れて炎天下で乾燥してを繰り返して、土が固く締まってしまいました。

なので『無事に発芽するか?』と心配でしたが、蕎麦、凄いです!
写真の様に固い土を地割れの様に押し除けて、無事に発芽しました。
(最初『モグラが入ったか?』と、ドキッとしましたが。笑)

今では、こんな感じに緑の線になって来ました。

ここも無事に育って、秋に『美味い蕎麦が採れると良いなぁ』と思ってます。

以上、ここ最近の事を書き連ねました。

世の中はまだ暑い日が続きますが、ここらはお盆を過ぎると過ごしやすくなります。
しかし、まだまだ雑草は伸びるので、畑仕事に加え草刈りも頑張ろうと思ってます。

田植えしました。2025

2回目の代かきから1週間。
予定通り24日に苗が届きましたが、その日の夜が大雨で、田んぼの水が深くなったしまいました。

水深を下げるべく1日おいて本日、田植えを行いましたので、その様子を記事にしたいと思います。

が、今回も本題に入る前に、いつもの前置きを。

トマトの雨避けを更新しました。

更新の理由は、今年の大雪で以前使っていた物が潰れてしまったのです。

潰れた理由は、この写真に写っている屋根部に張り回らしたマイカ線(黒いテープ状の物)で、これはビニールシートに雨が溜まらない為に張ってあったのです。

毎年、冬を向ける前にあたってビニールシートや蜂避けの黒いネットは外しますが、このマイカ線は外さないのです。

それで毎年問題無かったのですが、今年の大雪では積もった雪が溶けていく際に、このマイカ線を掴んでフレームを引き潰したという訳です。

ですので、今回の更新で上部が丸く、そのままでも雨が溜まらない物としました。

設置後、すでに今年のトマトを植えてあります。
周りの透明なシートは、まだ冷たい風が吹く日がありますので、その風除けの為です。

毎年、田植えの頃はイチゴが赤く色付いて来るのですが、今年はまだ小さく青いです。
去年は、こんな感じでした。

これは大雪で雪が消えるのが遅かったからか、上に書いた様にまだ冷たい風が吹く日があるからでしょうか。

作物は何かと遅いのですが、雑草だけは1雨毎にどんどん伸びてます!

今なら伸びた雑草も柔らかくナイロン・コードで簡単に刈れますので、時間を作っては刈っていきます。

写真の場所は、冒頭に書いた様に田植えを1日延ばしたので、その日に行いました。

さて、それでは本題の田植えに入ります。

東の田んぼです。
1日置いて、水深はどうでしょう。

もう少し浅くても良いかな?と思いますが、まぁ、このくらいならOKかと。

水深が深いと何が良く無いのか?
これは田植え機の車輪の跡が見えにくいからです。

田植えの前に田んぼの外周を2周、植えないで走らせます。
田植え機が旋回するスペース、これを枕地と言うのですが、それになります。

この2周分の内側の車輪の跡まで植えたら向きを変える目安にしますが、水が多いと車輪の跡が見えなくて苗を植えすぎてしまうのです。

植えすぎるとどうなるか?
最後に枕地を植える際に、車輪でこの苗を踏み潰してしまうのです。
踏み潰しても案外苗は強いので、そのまま育ってしまうのですが、これが刈り取る際に邪魔になるのです!

上の田んぼの様子。

こちらも、このくらいならOKです。

単純な話、水が多ければ抜けば良いのです。
ですが、貧乏性なのか、代かき前に入れた肥料の水に溶けた分が流れ出てしまうのが勿体無いと思ってしまうのです。(笑)

さて、水の具合は問題無いので、田植えに入ります。

お隣のお父さん家から、今年も借り出して来た田植え機。
クボタの歩行型田植え機「S 1ー25D S」です。

今年も各種オイルの量、各部の動き、植え付け部へのオイル補給等の整備を事前に行なってます。

コシヒカリの苗です。
今年の苗は例年より少し大きいですが、小さく弱々しいより安心です。

東の田んぼ、10時前から始めて、約40分程でコシヒカリを終え終わりました。
ここから餅米のタカヤマモチを植えます。

過去の田植えの記事にも書いてますが、我が家は田んぼの水を沢から直接引いてますので非常に冷たいのです。

水が冷たいと苗が育ちにくくなりますので、冷たい水にも強い餅米を水口に近い側に植えています。

時刻は11時前。東の田んぼの機械植え終了。

角の部分など機械で植えれない所は手植えで補植しますが、先に上の田んぼを済ませます。

時刻は11時、これより上の田んぼを行います。

写真は無いですが、こちらも枕地を取ってから、写真の手前から奥の方向に植えていきます。

約1時間で、上の田んぼの機械植えも終了。

ここの水口は手前側なので、こちらも手前側はタカヤマモチを植えてあります。

補植の終わった東の田んぼです。

機械で植え終わった上の田んぼ。
奥の方で家内が補植を行なってます。

この補植ですが、稲刈りの時を考えないで、欲張って隙間の無い様に植えてしまうと、稲刈りの際に手で刈る分が増えてしまいます。

稲刈り機で刈った分は機械が束ねてくれますが、手で刈った分は手で束ないとならないので、これが多いと時間が掛かるし凄く大変になります!!

補植をしてもらっている間に、田植え機の洗浄を行います。

高圧洗車機で隅々まで土を洗い落として、このまま夕方まで自然乾燥させます。
1日くらい良く乾燥させてから各部に給油をしながら不具合が無いか確認した後、返却します。

苗箱も、この時に高圧洗車機で一緒に洗います。
こちらは乾燥後、JAに返しに行きます。

以上で、今年の田植えが無事終了しました。

茅を入れなかったり、代かきのやり方を変えたりと今年も工夫してますが、これから植えた苗の成長が例年とどう違ってくるのか楽しみです。

以上で、米作りは一段落ですが「源蔵寺棚田の再生」の圃場整備も有りますし、冒頭に書きました様に、雑草が容赦無く伸びてきますので草刈りを、とか・・・。

まぁ、ぼちぼち頑張ります!

田んぼの準備③代かき2回目

2回目の「代かき」を行いました。

代かきは、田んぼ全体が出来るだけ平滑になる必要があります。

凸凹が大きいと苗が育って来て水を少なくした際に、水深が浅い所が出来ます。
するとそこは雑草が生えやすくなって、雑草が生えると稲の成長に影響が有りますので、今年もしっかり代かきしました。

と言う事で、今回はその様子を紹介してみたいと思います。

が、その前に今回も前置きを。(笑)

先日、R7「源蔵寺棚田の再生」第2回目の事前準備を行った圃場の耕起を行いました。

土の中から草の根をアメリカン・レーキを使って取り出す作業が、耕しておくとやりやすいので第2回目までに耕したかったのです。

抜根してもまだ草の根のひどい所も有りますので、全体を4往復ほど耕す事になりましたが、1日掛けて写真の様に綺麗になりました。

*『これで第2回目の作業が楽に』と思ってましたが、残念ながら開催日がけっこうな大雨で、翌日が良い天気になっても土が濡れていると草の根の除去が出来ません。
よって作業が出来ないと判断し、第2回目は中止となりました。

耕運機を源蔵寺まで運んでますので、ついでに昨年の圃場も耕してます。

ここの圃場は7月末に蕎麦の種蒔きを行いますので、それまでに耕起して畝立てすれば良いのですが、昨年のこぼれ種で蕎麦が芽吹いてますし、草も生えてきてますので耕しておいたのです。

耕し終わった昨年と今年の圃場の全景です。
一昨年の今頃に比べると、あの荒れ果てた耕地が普通の耕地になってます。

第2回目を行う予定だった日の翌日、周辺の草刈りを実施してます。

と言うのは、この時期、雨が降ると一気に雑草が伸びます!!!
伸びると草刈りが大変になるので、時間が取れた時に草刈りするに限ります。

そうそう、1回目の代かきの記事に書いた、そば茶寮文福笠井さん下の夏蕎麦。
今はこんな感じで、すくすくと育ってます。

去年同様に、そば栽培中の看板も設置してます。

さて、それではここから本題です。

5月20日、代かき2回目実施日の東の田んぼの様子。

代かき1回目の記事で2回目は19日と書いてますが、昨日は水の量が少し多かったので、1日延ばしてます。

と言うのは、1回目の代かきでは土が溶けてくれるの期待して水を多めにしてましたが、耕運機での代かき後に平滑具合を確認したいので、今回は少なめにしてます。
(代かきが終わって直ぐは水が濁っていて、土の高い低いが目視出来ないのです。)

上の田んぼの水の具合。

こちらも同様に、少なめにしてます。

田んぼの中の様子ですが、1回目の代かきの際のカゴ車輪の跡が見えてます。

昨年までと耕運機を走らせる時間は変わらないのに、カゴ車輪の跡が残ってます。
これはあくまでも予想ですが、茅を入れて有ると茅の茎で土が『裏漉し状態』になって、同じ時間でも土がより細かくなっていたのかもしれません。

ですが、今年は土をあまり細かくしないのが目標なので、これは狙い通りになっているのかもしれません。

毎年遅くとも9時には開始しますが、代かき前に片付けておく事が有ったので、今年の開始は10時から。

カゴ車輪に履き替える写真は、同じなので省略。(笑)

時刻は13時過ぎ。約3時間で、上の田んぼの代かき終了。

耕運機を縦方向(写真の手前〜奥)にローターを回しながら全体を走らせた後は、横、斜めとローターを回さずにカゴ車輪で踏み込むだけにして走らせました。

カゴ車輪の跡が残ってますが、この後はレーキ(トンボ)で均します。

お昼を挟んで、東の田んぼの代かきを行いました。

写真は13時半からスタートし、奥行き方向が終わったところ。
この後、横方向、斜めと行い、その後、カゴ車輪の跡を消す作業を行い16時に終了。

なお、こちらのカゴ車輪の跡を消す作業はレーキではなく、ウエイトを付けてちょうど良い高さにした平板を引いて均しました。

最初は耕運機を走らせながら平板を引いてましたが、向きを変える際に上手く行かないので、終わってから人力で引いて均しました。
ここは耕運機にアタッチメント的に何かしら均す機構を考えて付けたいと考えてます。

なお、耕運機を洗う様子、カゴ車輪を履き替える様子は、こちらも省略です。(笑)

以上、代かき2回目の記事でした。

さて、代かきが終わりましたので、次は田植えです。

24日か25日には苗が届きます。
その間、田んぼの土が落ち着きますので、苗が届いたら直ぐに田植えの予定です。
(苗が届いて日にちを長くおくと、苗が弱ります。)

田植えまでの間は、そこら中の草刈りがメインとなります。
が、少しは遊びの時間が取れると良いなぁ。(笑)

田んぼの準備②代かき1回目

1回目の代かきを行いましたので、その様子を記事にしてみたいと思います。

ですが、その前に、いつもの前書きを。
今回は、ここ最近の里山暮らしの様子です。

まずはタラの木の剪定。

ここに越して以来、荒れていた自宅周辺を整備してきましたが、綺麗になった場所にはタラの木が生えてきてます。

毎年4月の中頃、桜の咲く時期になるとタラの芽が採れます。
そして、その時期が終わると、写真の様に1mくらいの高さで芽が出て来る位置を見定めながら剪定してあげます。

では何故剪定するかと言いますと、タラの木は1年で1mくらい伸びるのですが、放っておくとどんどん大きくなってタラの芽が採りにくいです。

それと、タラの木は大きくなると養分を吸い上げれなくなるのか枯れてしまうのです。
せっかく春の恵みのタラの芽が採れるのですから、出来るだけ長く枯れないで育って欲しいのです。

なお、毎年新しい株が生えて来て、今では300本は軽く超えてます。
なので、全て剪定するには延べ3日は掛かります。

続いて、そば茶寮文福笠井さん下の夏蕎麦栽培です。

まずは耕運機でよく耕します。

それから畝立て専用機で畝を立てて、種まきごんべえを使って種を蒔きます。
蒔いたのは夏蕎麦として良く使われる北早稲という品種です。

昨年の秋蕎麦で、ごんべえのメーカーの推奨蒔き量で蒔きましたが、量が多かったみたいで倒伏で収穫が大変でした。(蕎麦は混み合って育つと倒れやすいそうです。)

ですので、一昨年行って倒れなかった手蒔きの時と同等を狙って、蒔き量を減らしてみました。

8日目にはこの様に芽が出てくれました。

昨年の夏蕎麦は5日で芽が出てましたが、今年は種蒔き後に雨の日が続いたり、少し肌寒い日が有ったりと発芽にはあまり良くない天候条件でしたので、時間が掛かったのでしょう。

なお、そば茶寮文福笠井さん曰く『夏蕎麦はあまり美味しく無いからなぁ』だそうで、収穫物にはあまり期待しませんが、この圃場は店舗内からも良く見えますので景観作物としての意味合いから栽培してます。

それと、まだ蕎麦栽培3年目で方法が確定していないので、畝立て幅や上にも書いた様に蒔き量を変えて試してますので、テストになるのです。

一昨年開墾した圃場は、今年はサツマイモと大豆を栽培します。

と言うのは、昨年は倒伏が一番の原因では有りますが、収穫が面積的に大変でした。

そして今年は、この圃場、昨年開墾した圃場、そば茶寮文福笠井さん下の圃場に加え、今年開墾する圃場が加わるのは、たとえ倒伏しなかったとしても、もっと大変と思えるのです。

ですので、少し圃場の量を減らしたいと思ったからです。

今はサツマイモの植え付け時期なので、耕運機で耕した後、畝立て専用機で畝を立てます。

が、元が田んぼなので、昨年より畝幅を狭くしたにもかかわらず、圃場の作土が少なく畝の上部が平面になりません。

そこで、もう少し土を集められる様にと、畝立て専用機に改造を施します。

土をもっと集まられる様に、写真の銀色の部分を延長しました。
図面を描いて地元の集山鉄工所にて、制作いただきました。

組み付けてみると、こんな感じになります。
左右それぞれ110㎝伸ばしてます。

6月になったら大豆用に畝立てしますので、その結果によっては、まだ改良するかもしれません。

さて今回も前置きが長くなりましたが、そろそろ本題に入ります。

今日の本題、代かきの1回目について書いてみます。

代かきに際して大事なのは田んぼの水の量ですが、今年は例年とは違ってます。

東の田んぼの水量は、このくらい、ほぼ土が隠れるくらいに。

上の田んぼは、少し水量が少ないので、

急遽パイプを1本追加して、どんどん水を入れていきます。

例年と違うと書きましたが、今年は代かきの際に茅を入れ無いのです。

と言うのは、『穂肥の時期に茅が分解されて、食味値を下げるタンパク分が増える原因の窒素分が増えているのでは無いか』と考えたのです。(詳細は以前の記事を参照ください

茅を入れて耕運機のカゴ車輪で踏み込むなら、茅が浮かないように水はヒタヒタにしますが、今年は入れないので多くしてます。

また、水量を多くするのには、理由が有ります。

代かきについて調べてみると、トラクターでの代かきでは表層のみを水羊羹程度の硬さとし、それ以下は出来るだけ団粒構造を壊さない様にするのが土に酸素分を多く含ませれるので良いそうです。

代かきで大事な、圃場の表面を均一な高さにする為に、カゴ車輪を付けた耕運機で何度も走らせて土をこねて均一な高さにしますが、あまりに何度も走らせるので団粒構造を壊しているのでは無いかと思ったのです。

我が家は耕運機ですので、トラクターと同じ事は出来ませんが、それに近くするには?と考え、水を多くしてカゴ車輪で土をこねるのと同時に、耕運ローターを表層近くで回して作土を水に溶かす様にすれば、何度も走らせなくても表面を均せるのではと考えたのです。

しかし、尾輪を目一杯伸ばして耕す高さを調整しても、そこそこの深さで耕運ローターが回ってしまいます。

ですので、耕運機のハンドルを少し持ち上げる様にし、耕運ローターを水面近くだけ回る様にして行ってみました。

終了後、両腕がパンパンになりました。(笑)
来年までに尾輪で最適高さとなる様、改造を施すかもしれません。

ところで、茅を代かきの際に入れないと書きましたが、茅を入れると土の量が増えると同時に、土質が良くなります。

でも、その茅を入れないとなると、その効果が期待できません。

ですので、今年から代かきの際では無く、秋耕起の際に入れる事にしてます。
写真の様に、秋に茅を刈って畔波板で囲った場所で1年掛けて腐葉土にして、それを混ぜ入れるのです。

上の写真で秋に目一杯だった茅は、一冬経った時点でこの様になります。

ここに、これから先に刈った草も足しながら、時々、かき混ぜて腐葉土を作って秋耕起に混ぜ込むのです。

なお、茅や雑草を腐葉土にするには、有機分の分解を促進する石灰窒素を入れると早くできるのですが、タンパクを増やす窒素分が多くなる可能性があるので使いません。

それでは、代かき1回目を始めます。

代かきする田んぼのそばで、カゴ車輪に履き替えます。
(理由はカゴ車輪でアスファルトを走行すると、カゴ車輪を壊すからです。)

10時から始めて、この写真の時点で12時過ぎ。

約2時間ほどで、上の田んぼの代かき1回目終了。
水の量が多いので良くわかりませんが、大体均一になってると思います。

上の田んぼが終わったので、面倒ですがノーマルタイヤに履き替えて、東の田んぼのそばに耕運機を移動し、カゴ車輪に履き替えます。

良い時間なので、ここで昼食とします。
下半身が土でドロドロなので、農舎でおにぎりの昼食です。

昼食後、13時から始めて15時過ぎ。
こちらも約2時間で、代かき1回目終了です。

代かきの様子は、過去の記事でいっぱい書きましたので、今年は省略してます。(笑)

代かきが終わったら、一度、綺麗に洗っておきます。

例年なら、1週間後に代かき2回目を行うので、そのまま乾かして農舎にしまうのですが、先日の記事に書いた「源蔵寺棚田再生」の抜根した圃場を、その1週間の間に耕したいので洗います。

源蔵寺までは軽トラに載せて運ぶのですが、いくら軽トラとは言えドロドロのままでは荷台が汚れるし、何より積み込みの際、泥で滑っては危ないからです。

以上、代かき1回目の記事でした。

代かき2回目は、上にも書きましたが、1週間後を予定しています。
その間、源蔵寺を耕したり、そこら中で伸びてきている草を刈ったりと何かと忙しいですが、ぼちぼち頑張ります!

田んぼの準備①畦整備・春耕起・水入れ

いよいよ今年も、田んぼの準備の季節になりました。

今年は4月末まで本業で平日は町に居て、週末に戻っても「善勝寺桜 桜まつり」や「源蔵寺棚田の再生」の準備とかで、結局、去年と同じ時期となりました。

今回は田んぼの準備の第一弾として、畦整備〜春耕起〜水入れまで行いましたので、記事にしたいと思います。

ですが、最近してないので、久々に前置きを。(笑)
今回の前置きは、春の栃洞の景色を紹介します。

我が家のすぐ側の枝垂桜が、今が満開。

周りの桜が終わった頃に、毎年、綺麗な花を付けてくれます。
枝垂桜で花も八重なので、最盛期は木全体が花でワサッと言う感じになります。

ただ、今年の大雪で北側の枝が折れたのが影響したのか、大雪そのもののせいなのか、今年の花は少し小ぶりな気もしてます。

我が家の「甚七桜」は、そろそろ終わり。

我が家の屋号が「甚七」だったそうなので、勝手に「甚七桜」と呼んでます。
この桜は、最初、薄桃色の花で始まって、終わりになるにつれて白い花になります。
最後は葉が出て来て、薄緑になって終わりですが、他の桜に比べて長い間咲いてます。

今年は一番良い時期に仕事でゆっくり楽しめなかったのが残念です。
が、来年もまたチャンスは有るので楽しみにしましょう。

桜の時期には、我が家の前の斜面にはカタクリの花が咲き出します。
写真の桃色の花がそうです。(右手の葉っぱは、ギョウジャニンニク)

で、豆知識を言うと、この花の根から採れるのが、本当の片栗粉。
今はカタクリ自体が少なくなってますし、ワラビ餅の蕨粉、くず餅の葛粉もですが、根を掘って集めてでは効率が悪過ぎて、大量生産は出来ないのでしょうね。

カタクリは、この斜面全体に育ってます。

毎年、草刈りをして綺麗に保っているからか、生える面積が増えている様な気もしてます。・・・が、気のせいかも。(笑)

先達さんから引き継いだ梅畑。
実の採取のし易さと将来の枝振りを想像しながら、毎年少しずつ剪定を続けてます。

花の時期には微かではありますが、良い香りが漂って木の下にいるだけで気分が和らぐのですが、こちらも今年はそんな時間が取れませんでした。

本業は大好きですし、私の腕を信頼して呼んでいただけるのも光栄ですから、贅沢な悩みです。

今の時期にはとっくに花は終わって、小さな小さな梅の実が出来始めてます。

梅の花に代わって、この時期になるとワラビが出てきます。

移住してすぐの何も知らない頃は、雑草で梅の木の下が荒れるのが嫌で、伸びたそばから刈るを繰り返したのですが、そのうち、出てくるワラビが細くなってしまいました。

色々と調べてみると、刈り方が有るそうです。
それは、夏前に一度伸びたのを雑草と一緒に刈ります。

するとその後は、ほぼワラビだけ(多少の雑草も伸びますが)が大きく伸びるので、そのまま秋に枯れるまで放置して、冬前に刈るのが良いそうです。

こうすると、夏から秋の間、雑草に邪魔されず大きく伸びたワラビの葉が、たくさんの陽の光を浴びて根に栄養を溜め込めるのだそうです。

さて、少しのつもりが、大変長くなりました。
それでは、本題にまいりましょう。

田んぼの準備、まずは畦の草刈りを行います。

春先で、そんなに草も伸びてませんが、畦部分を綺麗に刈ります。
この時期は草も柔らかいので、草刈機はナイロンコードを使います。
ここらでは『紐カッター』、もっと略して『紐』なんて呼びます。(笑)

田んぼの周辺をぐるっと一周、こんな感じに綺麗に刈ります。

なぜ草が伸びてないこの時期に草刈りをするかと言いますと、「モグラ穴」を分かりやすくする為です。

写真の中央に穴が見えると思いますが、これが冬の間にモグラが開けた穴です。
「モグラ穴」をちゃんと塞いでおかないと、田んぼに水を入れても、そこから抜けて溜まらないのです。

東の田んぼに続いて、上の田んぼも畔波板部分も、

そうで無い部分も、綺麗に草刈りを済ませます。

草刈りが終わったら、水抜き部分を埋め戻します。

例年は秋に埋め戻してそのままですが、今年は大雪で春先に田んぼに雪解け水が溜まってました。
なので、それが抜ける様にと開けておきましたが、後日、代掻きを行うのに水を溜めないとならないので、盛った土が固まる様にと早めに埋め戻します。

もちろん雨が降った際に、撒いた肥料が流れ出るのも嫌ですからね。

こちらの水抜き部も、同様に丁寧に漏れない様に埋め戻します。

以上、ここまでを4月28日の午後に実施しました。

続いて翌日、4月29日朝、まずは畦の修復から行います。

畦の上に立って写真の大きな木槌で、外へ押し上げる様に畦を叩いていきます。
こうする事で、昨年1年で形の崩れた畦を修復すると共に、「モグラ穴」も塞ぐ事が出来ます。

畔波板の所は、畔波板に沿って上から木槌を強く落とす(押さえ込む)様にして、冬の間に畔波板に沿って動いて出来た「モグラ穴」を塞いでやります。

本来は「畦塗り(あぜぬり)」と言って、水で練った土を鍬で畦に塗り付けます。

私はお隣のお父さんから、この鍬での「畦塗り」を教えていただきましたので、以前はやりました。(過去の記事で、綺麗に鍬で塗った畦塗りも見れると思います。)
しかし、これも当然難しく、中腰姿勢が続くので腰痛持ちには良くないのです。

最近はトラクターに専用の「畦塗り機」を付けて、土手状に成形するのがスタンダードの様ですが、これはお金が掛かるので我が家では論外。

ですので、最近は横着して、この方法で済ませてます。

以前、テレビで見た方法では一度水を入れてみて、水が抜け出ているところを見つけて、肥料袋の切れ端を丸めて「モグラ穴」に突っ込んで塞いでました。

が、私の様な横着な人間は、秋に回収するのを絶対に忘れます。自信が有ります!
そして、そのまま草刈りをして劣化した肥料袋をナイロン・コードで砕いて、そこら中に飛散させるのがオチです。(笑)

東の田んぼが終わったら、上の田んぼも同様に行いました。

上の方で叩くと書きましたが実際には、木槌を持ち上げ、柄の終わりの側の手を支点に、重さで円弧を描くように落とし畦に当てる、そんな感じ。

言葉で書くと簡単そうですが、これが難しく変な力が腕に入って、畦に木槌が平行に当たらないんです。
上手く当たるとパァーンみたいな綺麗な音がして、当たった所は綺麗になりますが、
これがなかなか綺麗に当たらないんです。(杵と臼で餅つきするのに近いかも)

そのうち木槌を持ち上げる手が疲れてくると、早く終わらせたくて変な力が入って・・・かえって、やり直す回数が増えての悪循環。

まぁ修行の様な心持ちで、頑張りました!!!(笑)

畦の修復が終わりましたが、昼ご飯にはまだ時間がありますので、水を溜める枡の掃除も行います。

我が家の田んぼに使う水は沢から引いて来ており、途中、一度道路の下を潜るのでサイフォンになっていて、写真の枡に溜まります。

引いて来ている先が沢なので、当然、砂も流れて入りますから、1年の間に底に溜まった砂を田植え前に綺麗に取り除きました。

ここでお昼になりましたので、春耕起は午後からにしてお昼にします。
今日は天気が良いので、おにぎりを田んぼの畦でいただきます!

昼食後、畦の修復も終わり、肥料も撒き終わったので耕運機で耕していきます。

やり方は北側の縁に沿って耕運機で耕して端まで行って、向きを変えて耕した横を耕して、を全体に繰り返します。

端の向きを変える部分を「枕地」と言って、向きを変える間は耕せないので、最後にグルッとその部分を回る様に耕します。

約1時間ほどで、上の田んぼの春耕起が終わりました。

角の部分や耕運機の向きを変える所は、耕運機の性質上、耕した土が溜まって高くなりますので、そこは最後にレーキで均しておきます。

続いて、東の田んぼを行い、こちらも約1時間程で、終わりました。
(作業後の写真は、毎年同じなので省略)

ところで、去年の記事に書いた耕運機の燃料タンクの漏れ修理は大成功で、一冬倉庫に仕舞っておきましたが、どこからも燃料が染み出していません。(当たり前だけど。笑)

さて、春耕起が終わったので、田んぼに水を入れます。

パイプから出た水が田んぼを掘らない様に、平たい石を敷いて、その上に石を置いて、そこに水が当たる様にしてます。

我が家の田んぼは、引いている水のパイプが細いので、他の田んぼの様にみるみる水が入っていく様にはなりません。

東の田んぼにも、同様に水を入れます。

こちらも平たい石を敷いて、その上に石を置き、パイプから出た水が田んぼを掘らない様にしてます。

「東の田んぼ」も同じ様に。

多分、今年も苗が来るのは5月25日頃で、我が家は代掻きを2回する(初期雑草が生えにくいんです。)ので、田植えから逆算すると1回目の代かきは5月13日頃。

今日は4月29日なので、まだ3週間ほども有りますが、今年試してみたい事が有って早めに入れたのです。

と言うのは、これまで水を入れる時は沢水を昼夜通して溜まるまで入れ続けたのですが、これだと『田んぼの底の方の土まで冷え切ってしまうのでは?』と思ったのです。

実際に、田植え後に土の底の方に手を突っ込んでみると、凄く冷たくて、まるで昔の冷害の時の様に、苗の初期生育にも悪影響があるのでは?とも思ったのです。

そこで実験として、まだ田植えまでには日数があるので、その間、日中の陽の当たる暖かい時間だけ水を入れてみて、底の方の土がどうなるかを試したかった訳です。

以上で、今回の記事を終わります。

次の田んぼの準備は、先に書いた様に3週間先の1回目の代掻きです。
少し時間が空きますが、それまでに「源蔵寺棚田の再生」の事前準備、「タラの木」の剪定、ナメコの原木栽培の菌打ち・・・他にも有ったかも。

やる事は盛り沢山ですが、今年も、ぼちぼち頑張ります!!!

来年の田んぼの準備

本題に入る前に、ここ最近の様子から。

11月になりまして、ここ六ノ里では最低気温が5度を下回ってきて、紅葉が山の上から、徐々に里に降りて来てます。

今年は暖かいので、紅葉の始まりが例年より1週間ほど遅いですが、もう数日もすれば家の周辺も良い彩になるのではと思います。

蕎麦の刈り取り→脱穀がやっと終わり、今は最後の仕上げの天日乾燥を行ってますが、それももうすぐ完了します。

さて、以前の記事の様に蕎麦に翻弄されて来ましたが、その合間を見て来年の田んぼに向けての準備は進めてきてますので、今回はその様子を記事にしてみたいと思います。

10月、米の脱穀が終わり、蕎麦の刈り取りにはまだ間が有りますので、茅刈りを行ってます。

この作業、例年なら11月の終わりか12月に入って茅が枯れてから行ってましたが、枯れてからですと茎に蓄えられている養分が根っこに戻ってしまうので、お盆過ぎくらいの、まだ穂が出ていないうちが最適だそうです。

ですが、蕎麦にかまけて時間が取れず、この時期になってしまいました。
密生して高く伸びてしまっているので刈るのが大変でしたが、根元を縛って草刈機で刈り倒していきます。

刈った茅の束は、まだ青々として水分量が多く重いので、集めて1箇所に積んで乾いて軽くなるのを待ちます。

ある程度乾いたら、軽トラに積んで田んぼまで運びます。

田んぼに運んだら、例年なら写真の様に立てて縛って、来年の春まで保存しておくのですが、今年は行いません。

と言うのは、

『食味値を上げるには、タンパク分を減らす為に、肥料を抑えた方が良い』と農業指導員のアドバイスで、毎年、肥料を抑えて来ましたが、結果は点数は変わらず収量が減って来てました。

点数が上がらないのに収量が減るのは気に入らないので、六ノ里の米農家さんのアドバイスもあって、今年は土作りの肥料を入れた上に『一発肥料』もメーカー規定量を入れてみましたら、収量も増えて点数は過去最高となりました。

では、『何がタンパク分を増やしているのか?』を考えたのですが、思い当たる事が一つあります。

我が家では、作土の量を増やす為と土質を良くする狙いで、毎年、代かきの際に写真の笹竹(山にしている分)と、

冬の間立てて保存した茅を田んぼに並べて耕運機で踏み込んでいるのですが、どうもこれが原因では無いか?と思ったのです。

色々と調べたところ、有機エムコートの様な『一発肥料』は田植え後と出穂・開花時期の2回に分けて効くそうです。

では、代かき時に踏み込んだ茅は土中で分解が進んでいき、特に夏場の高温時にさらに分解が進んでいきます。

なので『一発肥料』の2回目が効く頃に『茅の肥料分も効いてしまっているのでは?』(上の図の赤斜線部分)と推測したのです。

この推測からすると、『春に入れた茅が、秋にはどんな状態か?』が気になります。

そこで、田んぼの中を数箇所掘って確かめてみました。

写真の様に、大量に入れた茅はほぼ残ってません。
これは綺麗に分解され肥料分になったと思われるので、先の推測も間違って無いかと。

ただ、昨年は『一発肥料』では無い有機アグレットを使ってます。
これは穂が出る頃にもう一度肥料が必要(穂肥)ですが、それを行ってません。

となると推測からすれば、ちょうど穂肥の必要な頃に茅の分解が進んで、穂肥代わりになって余分な肥料にはならない筈ですが、収量は落ちてます。

まぁ、これは初期の肥料分が少な過ぎて、田植え後の稲の初期生育が悪かったのかもしれません。

と言うわけで、今年から茅の使い方を変えてみます!

刈って干しておいた茅は、写真の様に畔波板で囲った中で草刈機で細かくします。

チッパーと言う機械を借りて来て細かくすると良いのですが、実は借りて来ても、この場所まで運び込めないので草刈機なんです。(笑)

これを来年1年かけて分解させ堆肥にして、再来年の春耕起の際に田んぼに入れます。

では、来年春の分は?と思われるでしょうが、茅が悪さをしていると言う推測を確実にする為に来年は無しとしてみます。

でも、本当にこの推測が全てかと言えば、そうでは無いと思います。
ですが、ここまで茅を入れてるのは我が家だけなので、まずは茅からやってみます。

はてさてどうなるか?は、来年の秋のお楽しみです。