続、雪が降る前に・・・秋仕事!

先日の記事で「雪が降る前に・・・秋仕事」を書きましたが、まだまだやる事がいっぱいで。
今回は、その後の作業について時系列で書いてみたいと思います。(長いです。笑)

綺麗だった六ノ里の秋景色もピークを過ぎ、モミジの下は落ち葉の絨毯になってます。

そろそろ本格的に冷え込んできて、雪の便りも聞こえて来ました。
ですので、その前に頑張って片付けるしか無いのです!

<11月23日>この日は、梅畑の下の草刈り。

ここは蕨が出る所で、良い蕨を収穫する為に初夏に一度刈った後は蕨を生やしたままにしていました。
まもなく梅の木の剪定をするので、このままでは脚立に引っ掛かってやりにくいです。

もっと早く刈れれば良いのですが、今年は寒くなるのが遅くなかなか蕨が枯れなくて、ここ最近で一気に枯れてきたのでやっと刈れました。

梅畑の蕨を刈ってから、ある理由でここも綺麗に草刈りしました。

その理由というのは、写真矢印の枝を来春作る椎茸のホダ木用に伐採したいからです。

枝を伐採すれば、当たり前ですが地面に倒れます。
地面が草ぼうぼうですと、春になって雪が消えた後に玉切りする際に邪魔になりますから綺麗に草刈りした訳です。

<11月24日>
翌日の朝のうち、霜が消えてからホダ木用のコナラの枝を伐採しました。

ホダ木にするには、どの時期に切っても良い訳ではありません。
椎茸を植菌する木はある程度乾かした物が良いので、紅葉時期のまだ葉が付いている時に切って「葉枯らし」を行います。

そろそろ紅葉も終わりで、葉が落ちてしまいそうだったので急いで切ったのです。

そしてこの日の午後、東の田んぼの秋耕起をしました。

耕すにはもう少し乾いた方が土の粘りが少なく効率が良いのですが、寒くなって来たこの時期では、これ以上乾くのは無理そうです。
それに、明日は雨の予報で、それ以降は雪まじりの予報です!

なので『やるなら今日!!』と、実行しました。

と言うわけで行いましたが、例年なら1時間半くらいで終えるのが、全体的に土が湿っていて2時間程掛かりました。

これで今年の我が家の米作りの仕事はおしまいです。

同日続いて、来年「シェア田んぼ」を行う圃場も秋耕起しました。
*「シェア田んぼ」に関しては、こちらの記事を参考にしてください。

ここは明後日の29日に、「シェア田んぼ」参加予定の方々と圃場周りの草刈りを行う予定ですが、先に書いた様な天気の都合で先行して行いました。

まず畦際と圃場の中の蘖(ひこばえ)、そして昨年までは使って無く草が生えているエリアを刈りました。(刈っている最中、参加予定の方が手伝いに来てくださいました。)

ここの圃場は水口から少しずつですが、ずっと水が入ってるみたいで写真中央の手前辺りの泥濘が酷く、全部終わったのは夕暮れ間近になってしまいました。

来年の米作りを考えると、近いうちになんとかしないと・・・。
(「シェア田んぼ」の記事中に、対策実施の様子も書いてます。)

<11月26日>
この日は梅の木の剪定を行いました。

剪定は春から伸びた徒長枝や無駄な枝を、将来の樹形を想像しながら行います。
梅の木の剪定時期は12月〜3月が良いそうですが、ここ六ノ里では1月〜3月は積雪が有りますので、毎年この時期に行うのです。

これが徒長枝です。

梅の実が付くのは短果枝で、この徒長枝は花が咲かず実もなりません。
将来的には徒長枝から短果枝が生えて来ますので、枝を更新したい部分では徒長枝の2/3を残したりしますが、それ以外は栄養を消費するだけなので根元からバッサリ切ってしまいます。

切った徒長枝や要らない枝は、そのまま地面に散乱させておくと来年の草刈りの際に邪魔になるので捨て場に運びます。

<11月27日〜28日>
この間は源蔵寺の圃場の片付け。

蕎麦を脱穀した残渣を圃場に運んで放置してましたので、来年の栽培に向けて、燃やせる物は燃やして肥料の灰とし、湿って燃えない物はシュレッダー・ブレードを付けた草刈機で粉砕して圃場に撒きました。

この日の作業後には、耕運機のナタ爪も交換してます。

秋耕起では出来るだけ稲株を土中に漉き込みたいのですが、今年の秋耕起では上手く漉き込めて無い気がしました。
ナタ爪を見るとかなり擦り減ってましたので、交換と言う訳です。
(*ナタ爪:YT550用 ¥11,500円。・・・高くなったなぁ。)

使う道具は、メガネレンチ、ハンマー、潤滑剤(CRC -556)。
ナットに潤滑剤を吹き付けてメガネレンチで緩めますが、それでも固い場合はハンマーで叩いて緩めてます。(我流ですので、やられる方は自己責任でお願いします!)

左が新品で、右が交換した物。

新品の真ん中付近に線が入っていますが、それを基準に見ていただけると減り具合が分かっていただけるかと。

重ねてみると、これだけ減ってます。

前回交換したのは2021年で、その際に記事にしています
ナタ爪を手配していただいた農機具屋さんの話ですと、普通に使えば4年でここまで減りませんが、源蔵寺の開墾で石混じりの圃場を散々耕したのが理由だそうです。

面倒ですが、ナタ爪の向きを間違えない様に1本ずつ交換しました。
耕起の最中にナットが緩んでナタ爪が落ちると大変(まず見つかりません!)なので、最後に増し締めして完了です。

<11月29日〜30日>
11月の半ばにも行ってますが、タラの木栽培の所の茅刈りの続き。

ここは写真の様にタラの木栽培をしていますが、秋になるとタラの木より高く伸びた茅で、ここら一面が覆われます。
この茅に雪が積もると、雪を被った茅が重みでタラの木を折ってしまうのです。

ですから、雪の時期の前に茅を全て刈ってしまいたいのですが「源蔵寺棚田の再生」に加え「シェア田んぼ」の圃場と年々作業量が増えていて、やり切れてないのが実情です。

ですが今年は、ここの部分から上の所と、

ここの部分を、近所のK君が刈ってくれました!感謝!!

そして、K君と奥さんとで、この広場の茅も綺麗に刈ってくださいました。

この広場は何も栽培はしていませんが、獣害対策の緩衝地帯の意味合いで以前は私が刈ってました。
しかし前述の様に時間が取れず、ここ数年はやれて無かったのです。

朝から夕方まで草刈機の音が響いてました。
一生懸命、本当にありがたい事です!!

<12月1日>
この日は、自宅そばの蕨の出る所の草刈り。

この斜面には、毎年、良い蕨がいっぱい出て来ます。
梅畑の所の蕨畑と同様に草を刈ってやると生育が良いのですが、ここは毎年時間切になる事が多いのです。

今年は前述の様にタラの木栽培の所を手伝っていただいたので、時間が出来ました。

そして、それに続く、蕨が増えて来ている所の草刈りも行えました。

自宅近くの道沿いの斜面、ここも時間があればと思ってましたが、今週は雪の予報ですし、明日から本業が入って来てますので、今年はパス。

まぁ、夏前に一度綺麗に刈ってますので『そう大きく伸びてないから良いかな?』と諦めます。

以上、連日の様に『雪が降る前に・・・』とバタバタ片付けてました。
これから雪の季節になると外仕事は出来ませんので、役所に出す資料作りや来年の計画など机仕事を頑張ります!(でも本当は本業の依頼がいっぱい来るのが嬉しいなぁ。笑)

「シェアたんぼ」1:秋仕事

来年実施する「シェア田んぼ」に関連して、参加者への説明会と秋の仕事を行いましたので、記事にしてみたいと思います。

<「シェア田んぼ」実施の経緯>

昨年より移住された方々から『米を作ってみたい』と相談を受けていました。

今はまだ大丈夫ですが、他の農山村と同じく近い将来、六ノ里でも高齢化で担い手の居ない田んぼが出てくると思いますので、この様な相談は将来の担い手になっていただける可能性であり、ありがたい事だと思います。

ですが、米作りは野菜作りに比べれば簡単とは言われていても、未経験の方がいきなり単独で米作りというのは、たとえ指導付きであっても難しいと思います。

というのは『米を作ってみたい』と思われていても、田植え、稲刈りの他のいろいろな作業があるのをご存知無いかもしれません。
知っておられても実際に体験して見ないと、作業が大変だとか、面倒だとかは分からないかもしれません。
そして、その大変さを『体力的や時間的に受容できるか?』と言う問題もあります。

そこで、まずは1年か2年、複数の家族で「シェア田んぼ」という形で「米作りの学校」的に一連の作業を体験していただく形を試験的に行ってみることにしました。

これなら各作業を実際に体験出来ますし、複数家族で分担出来るので作業の負荷も少なくなって、米作りの実際を分かっていただけると思われます。

<「シェア田んぼ」説明会>

11月22日に参加予定の方々に集まっていただき、年間を通してのスケジュール(上の図)と実行にあたってのルールの説明を行いました。

その後、実施する圃場に移動し「秋の仕事」を行う日を、皆さんと決めました。

<秋の仕事/下準備>


説明会の翌々日、先行して秋耕起を行いました

本当は皆さんと決めた作業日に行ないたかったのですが、作業日前日が雨、その後は雪が降る予報と、この日を逃すと出来そうに無かったので先行して行いました。

耕す前に、この圃場の水口がどこにあるかの確認の為に圃場周りの一部の草刈りを行い、圃場内の蘖(ひこばえ:刈った稲株から新たに伸びてくるもの)も刈りました。

草刈りの音が聞こえたと、参加される方が1名、草刈りに参加くださいました。

草刈り後に秋耕起をしてみると圃場の東側の中央辺りがぬかるんで大変で、終わったのは日暮れ近くでした。

これほどぬかるんでいると、1年を通しての米作りの中で何かと大変になりますので、原因を探って対策を施す必要があります。

<水口の点検>
秋耕起の翌日、水口の点検を行いました。

ぬかるんでいる原因を調べてみると、水口からチョロチョロとずっと水が入っている状況で、これではいつまで経っても乾きません。

この状態ですと、米作りの中で「中干し」と言って、稲株が育ってきた段階で一度水を止めて圃場を干すのですが、水を切れないので干せません。

『なぜ水口から水が入り続けているのか?』の原因を1つづつ探ってみると、

この時期だと用水路の水門は閉めて水を切ってあるはずですが、ここの水門は隙間からずっと入ってきていました。

ですので、土嚢を用意して隙間を埋めてみましたが、完全にと言う訳にはなっておらず、まだ圃場側の出口から水が出て来ます。

それに何処かから湧いてくる分もあるみたいで、写真の様に分水栓辺りに水が溜まってきてます。

そして、この分水栓の蓋と本体の隙間から水が入って来てます。

分水栓の蓋を外してみると経年劣化で歪んだのか接触面側が平面になってません。

現地では補修が出来無いので、圃場側の水の出口に肥料袋を被せて縛って水が入らない様にして蓋を持ち帰っての修理する事としました。

持ち帰った後、分水栓の蓋の接触面側を削って平面を出したのち、蓋の裏側にシール材としてスポンジシートを貼り付けました。

<水口の修理>
点検の翌日、補習した分水栓の蓋を取り付けてみましたが、最初に比べれば少なくなったとは言えまだ入って来ます。

本来、この分水栓は水路を流れる水の量が多ければ、水圧で蓋が押し付けられて水が入らない構造ですが、どこからか湧いているくらいの水量(写真)では押し付けられません。

そこで写真の様に、取り敢えずは石で蓋を押し付ける様にしておきました。

また、圃場側の出口に補修用の分水栓を取り付けました。

これにより雫が垂れる程度になりましたので大丈夫と思います。
(4日後に確認しましたが、写真の水が溜まっている辺りは乾いてました。)

<秋の仕事>
ここからは皆さんと行った、秋の仕事についてです。
なお、私も一緒に作業していますので、作業の写真は有りません。

まずは圃場の周りの草を刈って、

刈った草は来年の秋耕起で入れる堆肥にする為に、圃場のすぐ横の薮を刈り払って畦並板で囲って堆肥場を作って、そこに運び入れました。

入れた雑草がこなれる様に石灰窒素や米糠を入れると聞きますが、どちらも食味値のタンパク分が増える要素なので入れません。
春耕起までに堆肥化するには必要なのかもしれませんが、使うのは来年の秋耕起なので、入れなくてもそれまでにはちゃんと堆肥になります。

堆肥場を作った後は、水路の上に草が覆い被さっていましたので刈りました。

この覆い被さって草は冬の間に積雪で水路の中に押し込められます。
春になって圧縮され湿った草を取り除くのは大変なので、今のうちに行いました。

水路の中の溜まった土砂は、参加者の方が自主的に一部取り除いてくださいました。
まだ残ってはいますが予定時刻になりましたので、あとは来春の井普請で行います。

以上、今回の記事は終了です。

参加いただいた3家族の皆様には、積極的に作業をこなしていただきました。
今年の作業は終わりですが、来春からも美味い米を目指して頑張りましょう!

雪が降る前に・・・秋仕事!

ここ六ノ里では寒い日が続いていて、もうそろそろ初雪が来そうです。
今年は蕎麦の作業に加えて10月いっぱい出稼ぎに出てましたので、今はその間に出来て無かった秋仕事を頑張ってます。

今日はその様子を書いてみたいと思います。

まずは収穫してきた豆の乾燥。

少し前までは蕎麦を同じ様に乾燥させてましたが、豆も殻のままブルーシートに広げて天日で乾燥させ、乾燥したら足踏み脱穀機で脱穀します。

我が家では数種類の豆を栽培してますが、特に大豆は味噌作りの材料ですから丁寧に仕上げます。

そして、干し柿作りも。

庭にある蜂谷柿を高枝切り鋏で収穫し、夜鍋仕事で皮を剥いて、翌日の朝、焼酎に浸してから干します。

1月頃には、美味しい干し柿になります。
干し柿を開いて、そこにクリームチーズを乗せてクルクルと巻くと、なかなか洒落た酒の肴になりますよ。

さて、田んぼの方は秋耕起を行います。

まずは乾き具合の良さそうな、東の田んぼから。

昨年の秋に仕込んでおいた茅の堆肥を田んぼに撒いて、

愛用の耕運機で丁寧に耕します。

本当はもっと早くに行うのが良いのですが、冒頭に書きました様に蕎麦と出稼ぎでなかなか出来ず、それに加えて天候不順で田んぼがなかなか乾かないので、時期としては遅くなってしまいました。

堆肥は、去年の秋に仕込んだ、写真の東の田んぼ用の堆肥場から撒いてます。

写真に写っている藁束は昨年の残りで、今年も新しい藁束が出来きて倉庫がいっぱいとなりましたので、堆肥に加える事にしました。

堆肥を堆肥場から出していると、底の方からカブトムシの幼虫がいっぱい出てきました。

少し堆肥を残してやって、その上から刈った草や茅、藁束、茅を入れておきました。
来年の夏頃には、いっぱいカブトムシが羽化して出てくるかな?

なお、このブログを見てくださってる方の中には、幼虫が苦手な方もおられるかもしれないので写真にぼかしを入れてます。
はっきり見たい方は、写真をクリックすると別ウインドウで開きます。(居るのかな?)

1時間半ほどで、東の田んぼの秋耕起終了。

続いて上の田んぼの秋耕起、といきたいところですが、まだ乾いてません。
明日以降、天気が良さそうなので、上の田んぼは後日とします。

少し時間が空いたので、ちょっと単車でお出かけ。

雪が降らなくても気温が0度以下になると、凍結防止剤を撒きに来てくれますので、その前に少しでも乗っておこうかな、と。

白鳥辺りでは紅葉シーズンも終わりですが、まだ紅葉の綺麗な所が残ってますので短時間ですが堪能して来ました。

帰宅して、日暮までには時間があったので、タイヤをスタッドレスに履き替えます。

交換時に摩耗具合が少し心配でしたが、来週、車検に出すので、その時に聞いてみてダメそうなら交換かな。

<11/20 追記>

車検時に相談したところ『限界に来てるので、交換した方が良い。まぁ減っている事を頭に入れて、それなりの運転をすれば今年は何とかなるかも』との事。

私の住む所は六ノ里でも凍結しやすい所ですし、積雪量も多い。
雪に慣れたとはいえ、まだまだ技量も足らないので即交換する事にしました。

ですが、在庫が無かったので、昨日、街に行く用事が有ったので、その際に昔から付き合いの有るタイヤ屋に寄って、在庫が有ったので交換しました。

明けて翌日の朝。
まだ上の田んぼは、乾き具合が良くありません。

この状態でも秋耕起出来なくは無いですが、まだまだ粘いので作業性が良く無いです。
まだ数日天気が続きそうなので、もう少し様子をみる事にしました。

じゃぁ、暇になるかと言うと、そうはいかない。(笑)
来年用の堆肥を作る作業が残ってます。

午前中で写真の斜面いっぱいに生えていた茅と雑草(主にゼンマイ)を刈りました。

午後からも残りを刈って、刈った茅や草をレーキで斜面の下に落とします。

それを写真に写っている丸いバッグ(バネ付マルチバッグという商品)に詰め込んで、まずは東の田んぼ用の堆肥場に運びます。

運んだら堆肥場に入れて、を繰り返し、山盛りになったら足で踏み込んで、また運んで写真の様に山盛りにします。

これだけ山盛りでも、来年の秋頃にはこなれて半分以下になります。

次にもう1か所の堆肥場にも運んで入れます。

ここは上の田んぼ用の堆肥場で、少し距離があるのでバッグ2つに詰めたら軽トラで運んで入れます。

ここも山盛りになるまで入れたいのですが、そろそろ日暮れなので、今日はおしまい。

秋の鱗雲(?)でしょうか。
夕焼けと相まって、ちょっと荘厳な感じでした。

ゆっくり夕空の移り行くのを眺めてたかったのですが、夕食用にナメコの収穫をしなくちゃならなくて、残念ですがそこそこにして。

で、この日採れたナメコは、これだけ。

いつもお世話になっているご近所のお母さんの所にお裾分けしましたので、写真よりもう少しあったかな。

写真の半分くらいを贅沢に使って、ナメコ汁に。

今年採れた新米のご飯に、自家製味噌と自家栽培の野菜の美味いナメコ汁。
ささやかですが、すごく満たされる夕食でした。

さぁ、明日も頑張ろう!

R7源蔵寺棚田再生 収穫祭(六ノ里楽市)

一昨年の春より実施している「源蔵寺棚田の再生」。
今年も新たな耕作放棄地を六ノ里内外からの協力を得て、開墾し蕎麦を栽培しました。

その1年の区切りとして地元の農産物の展示販売も併せ、今年も「六ノ里楽市」と銘打ち収穫祭を開催いたしましたので、今回はその様子を紹介したいと思います。

が、まずは、その前に収穫祭に向けての準備の様子から。

先日記事にした「蕎麦の脱穀」状態では、まだ蕎麦粉には出来ません。

と言うのは、写真の様に葉っぱや茎が混ざっているので、蕎麦粉に石臼で挽いてもらうには、まず、このゴミを取り除かないとならないのです。

それには唐箕と言う昔から使われている機械で、ゴミと蕎麦の実に風選します。

これが唐箕で風選した状態で、先ほどの写真の様に葉っぱや茎が無くなってます。

次に、天日に干して水分量を調整します。

蕎麦に挽く、保存しておく、どちらも水分量が15%前後が良いそうです。
ですから、写真の様にブルーシートに広げて天日乾燥させるのです。

乾燥が終わったら、最後に蕎麦の実に混ざっている小石を取り除きます。

この小石を取り除く作業を文字通り「石抜き」と言い、以前は写真の様に乾燥が終わった蕎麦の実を篩(ふるい)に入れて一つずつ目視で取り除いてましたが、ものすごく大変でした。

去年から米を籾摺りに出している地域の業者さんが引き受けてくださって、石抜き機でやっていただけるので助かってます。

ここまで出来て、やっと製粉・蕎麦打ちしてくださる「そば茶寮文福笠井」さん(以下、文福笠井さん)に出せます。

今年は天候不順で遅れに遅れて、出せたのが収穫祭の4日前。
期限ギリギリでしたが、何とか間に合いました!
あとは打ち上がった美味しい蕎麦を、収穫祭の当日朝に受け取るだけです。

蕎麦の準備の話は、ここまで。
次は前日に行った会場準備の様子です。

今年も協賛いただいている文福笠井さんのご好意で、会場として店前の個人のガレージと駐車場の一部を貸していただきました。

六ノ里集会所からテント、机、椅子を搬入し、テントを仮設置しました。
平日にも関わらず、有志の方々にお手伝いいただき、ありがとうございました。

なお、夜の間に強風が吹いてテントが倒れても困りますから、テントは脚は立てないで写真の状態にしておきます。

会場準備が終わる頃、山々には夕陽がさして始まった紅葉がさらに綺麗でした。

明日も今日同様に良い天気になりそうです!

明けて収穫祭当日の朝。

昨日に引き続き集まってくださった有志の方々と会場準備。
テントを立てて所定の位置に移動し、机、椅子を配置。
ガスコンロをボンベに接続して、ここまでは順調に準備完了。

ですが、ここで問題発生!
茹でた蕎麦を締める流し台に水道水のホースを引いてきて繋げるのですが、ジョイントが合いません。
去年どうやったか思い出そうとしましたが、1年に一回の事なので記憶が曖昧で・・・。

機転を効かした有志の方がジョイントを家まで取りに行って貸してくださり、無事に繋げる事ができました。感謝です!!

時刻はそろそろ10時になり、お客様が集まって来られてます。
水道の件であたふたしましたが、何とか準備完了です。

時刻になりましたので、「源蔵寺産幻蕎麦」を使用した蕎麦の試食販売の開始です。

ご注文いただいたお客さんと、出来上がる間は和気あいあいに話が盛り上がります。

なお、写真の右手に少し写ってますが、今年も六ノ里棚田米生産組合産さんから「六ノ里棚田米」、喫茶暖さんから「小魚の揚げ物」、桜里舎アグリさんから「さつまいも」の即売が、会場提供と蕎麦の実から製粉・蕎麦打ちいただいた文福笠井さんからは「わらび餅」の販売がありました。

さて、今回の試食販売の蕎麦が、どの様に調理されて出て来るかと言うと、

蕎麦は注文をいただいてから、大鍋で茹で上げます。

麺類は茹で加減が大切なのは蕎麦も同じです。
なので、タイマーを使って出来るだけ正確に茹でます。

茹で上がったら、すぐに水道水で締めます。

蕎麦を締めるには冷水を使いますが、ここ六ノ里は水源が近く、浄水場もすぐそばで真夏でも水道水は冷たいぐらいですから、水道水で十分なのです。

蕎麦を締めたら器に入れて、熱々の出し汁をかけて出来上がりです。

販売時に番号を入れた食券をお客さんに渡してますので、出来上がったら番号を呼んで取りに来ていただきます。

これが出来上がった「源蔵寺産幻蕎麦」を使用した蕎麦です。

昨年までは「抜き実(殻を外した実)」を石臼で挽いた「一番粉」と呼ぶ蕎麦粉でしたので白い蕎麦でしたが、今年は「挽きぐるみ」と言って殻が付いたまま石臼で挽いた蕎麦粉を使ってます。
「挽きぐるみ」ですから、今まで以上に蕎麦の風味が強くなってます。

味はもちろん、収穫時期を文福笠井さんよりアドバイスいただいたのもあって、甘みが強く今まで以上の味となりました。

昨年は蕎麦の他に「蕎麦団子」を提供しましたが、今年は目先を変えて「蕎麦クレープ」としました。

蕎麦クレープの味付けは、今回は餡子(写真)とネギ味噌です。
もちろん「源蔵寺産幻蕎麦」の蕎麦粉を使用してますので、これも味わいが格別です。

作り方は蕎麦粉を水に溶いて、フライパンで薄く伸ばして焼き上げます。
しかし焼き加減が大切で、少し焦げ目が付くくらいが香ばしくて美味しいです。

食べていただいた方のお話だと、餡子の方がより蕎麦の風味があって良かったそうです。

そして今年も「ちくわの磯部揚げ」のキッチンカーのKOAさんに来ていただき、昨年同様、一緒に収穫祭を盛り上げてくださいました。

KOAさんでは通常5種類の「ちくわの磯部揚げ」を販売されてます。
私が選んだのは写真は「柚七味いそべ」で、柚の風味にマヨネーズ+七味が良くあっていて、大変美味しかったです。

そして今回は通常メニューに加え、特別に「蕎麦五平餅」が販売されてました。
半殺しのご飯に蕎麦の抜き実が入っていて、タレもまた格別で大変美味しかったです。

KOAさんは郡上界隈のイベントに良く出店されてますので、出店情報をInstagramで検索していただき、是非、味わってみてください。(蕎麦五平餅は無いと思いますが)

賑わう会場の様子です。

ここ六ノ里は元々、地域内外にかかわらず、人との繋がりが深い地域です。
なので、収穫祭当日も、地域の方同士、他より来場いただいた方と地域の方、どちらでも様々な話の輪が出来ていて楽しそうでした。

私はスタッフとして手伝ってましたので、話に混ざれないのが残念なくらいです。(笑)

時刻は13時半となり、お客様の来場も途絶えて来ました。

蕎麦は昨年より販売数を増やしたので、まだ少し残ってますが、キリが良いので終了としました。

ご来場いただいた皆さん。
お手伝いいただいた皆さん。
ご協力いただいた文福笠井さん。
出店いただいたキッチンカーKOAさん、喫茶暖さん、六ノ里棚田米生産組合さん、桜里舎アグリさん。

皆さんのお陰で、今年も無事に収穫祭を開催する事ができました。
誠にありがとうございました!

そして今年の蕎麦も出来が良く、多くの方に美味しいと言っていただけましたので、目的達成です。

最後に会場の片付けです。

これも有志の方々に手伝っていただき、短時間で終える事ができました。感謝です!

以上、「R7源蔵寺棚田再生」収穫祭(六ノ里楽市)の実施報告でした。


2023年より3年間続いた第1期は今年で終了しますが、来年からは第2期として「六ノ里の景観整備活動」は続きます。

第2期では「源蔵寺棚田の再生」も行いますが、今年までの蕎麦栽培から内容を変えて野菜を栽培し参加者で山分けを計画してます。

里山再生と野菜の栽培に興味を持っていただけた方、是非、ご参加・ご協力ください。
もちろん、蕎麦栽培も続けてまいりますので、そちらへのご協力も大歓迎です。

興味を持たれてお手伝いいただける方は、募集案内は「六ノ里地域づくり協議会 景観整備部」のサイトで行われますので覗いてみてください。

多くの方のご協力を、宜しくお願いいたします。

R7「源蔵寺棚田の再生」第8回目

「源蔵寺棚田再生」第8回目を実施しました。

ここのところ毎週末が天候不順で本日の開催も危ぶまれましたが、なんとか午前中は雨の降らない予報なので開催としました。

今回は町からの方が4名、六ノ里の方が2名、合計6名の方に参加協力いただき、今年最後の蕎麦栽培の作業を無事に行なえました。
参加いただいた皆様、誠に有り難うございました。

記事に入る前に、11月8日(土)の収穫祭(六ノ里楽市)についてご紹介します。

クリックすると、印刷用PDFが開きます。

今年も「そば茶寮分福笠井」様(以下、笠井様)のご協力により、店前のスペースにて開催いたします。

栽培し収穫した蕎麦の実を、笠井様にて製粉して蕎麦を打っていただき、当日試食していただきます。(材料費等掛かりますので、有料とさせていただいてます。)

なお、駐車場が限られていますので、乗り合わせてのご来場をお願いいたします。

それでは、第8回目の様子を紹介してまいります。

昨年までは圃場で脱穀を行ないましたが、今年の圃場は狭く、また畝で平坦部が無いので作業がやりにくいので、今年は脱穀作業を六ノ里集会所で行う事としました。

ですので、集合時間前に集会所駐車場にて写真の準備を行なってます。

集合時間となりましたので、今日の作業内容を参加者の方に説明しました。
その後、ハサ立てしておいた蕎麦を取りに圃場に向かいます。(写真無しです。)

圃場に移動しハサ立て乾燥した蕎麦の束を軽トラックまで運びます。

実が落ちやすくなっていますので、実落ちを出来るだけ防ぐ為ブルーシートに包んで運びます。

今年初めてハサ立て乾燥としましたが、風で倒れる事も無く乾燥も十分なので、有効だったと思います。

ハサから蕎麦の束をブルーシートに下ろし、包んで運べる量になったら2人1組で運びます。

軽トラックも荷台にブルーシートを敷いておき、実が落ちても回収出来る様にしてあります。

荷台に載せ終えたら、写真の様にブルーシートで包んで集会所まで運びます。

六ノ里集会所に戻ったら、軽トラックの荷台から蕎麦の束を下ろします。

荷台にブルーシートを敷いてありますので、それごと下ろせますから実落ちも無く作業効率が良いです。

本日使う機材は、足踏み脱穀機(ブルーシートの掛かった青い機械)、その奥の木製の物が蕎麦の実とゴミを選別する篩(ふるい)、この二つです。

収穫した実から小石を取り除くのに苦労しますので、今年も作業スペースのブルーシート上を土足禁止としています。

作業は脱穀する人2名、脱穀し終えたガラから残った実を取る人2名、脱穀し終えた実とゴミを篩(ふるい)で選別する人2名と分業して行いました。

篩(ふるい)をかけた蕎麦の実です。

まだいっぱい葉っぱや茎が有りますが、これは後日、唐箕(とうみ。風選する機械)で蕎麦の実だけにします。

作業終了時刻となりましたので、集合写真を撮って終了としました。

まだ未脱穀の蕎麦の束が残ってましたが、予報より早く小雨が降ってまいりましたので、残った分はスタッフで脱穀とします。

今年ハサ立てした蕎麦の収量はコンバイン袋に2袋ほどとなりました。
この後は、収穫した蕎麦の実を唐箕にて風選し、天日乾燥、石抜きを行います。

以上、第8回目の実施報告でした。

次回は、冒頭に載せました様に、いよいよ収穫祭(六ノ里楽市)です。

美味い源蔵寺棚田で採れた蕎麦、皆さんで食べに来てください。
お待ちしてます!

今年の米が出来ました!2025

先日の記事で籾摺りに出していた米が出来上がりました。
今回はそれについて、記事にしてみたいと思います。

と、その前に少しだけ前置きを。

「源蔵寺棚田の再生」で栽培している蕎麦。
いろいろとご協力いただいている「そば茶寮文福笠井」さんの下にも植えてます

籾摺りの終わった米を受け取った帰りに通ってみると、写真の様に黒化が予想以上に進んでました。

今週末は天気があまり良くないので刈取りはどうかと思ってましたが、この様子では来週末では遅いと思われます。(遅くなると刈取りの際に、いっぱい実が落ちてしまうのです。)

天気予報を見ると14時くらいまでは降りそうにないので、急遽刈れるだけ刈る事に。

ここは他の圃場に比べて倒伏がほとんど無いので、蕎麦用バインダーで刈れると思ってましたがどうも調子が悪い・・・まぁここまで刈れたので良しにします。
(これ以上刈っても、置き場所が無いのもあります。)

半分くらいまで刈ったところで、まだお昼前ですが雨がポツポツと・・・。
刈った蕎麦を濡らすのは置いておく間に蒸れてしまうので、ここで終了。
雨に濡れないうちに自宅の車庫に運んで、平日に家内に脱穀してもらう事にしました。

さて、それでは本題に入ります!

受け取って来た今年の新米です。

先週の中頃に出来上がりの電話をいただきました。
が、平日は町での出稼ぎ中で受け取れず、週末の本日、受け取ってまいりました!

餅米が1袋混じってますが、米袋でいっぱいの軽トラの荷台に少し感動。
昨年、収量が増えて喜んでいた時の写真がこれなので、この気持ちが少し分かっていただけるかも。(笑)

今年採れたコシヒカリは7袋と19kg。(1袋は30kg)
昨年より19kg増えました。

餅米の方は1袋と13kg。
昨年より13kg増えました。

さて、今年の米の出来はどうか?と、早速、米袋を開けてみました。
写真ではあまり良く分からないですが、昨年と比べて青い米の量が少ないです!(去年の写真はこちら

受け取ったら新米を早く食べたくて、今年もその足で精米に行きました!

これがコイン精米機です。

JAにあったり個人の工場の前にあったり、と、ここらでは、結構よく見かけて、大体どこでも10kg まで¥100円、20kgまで¥200円、30kgまで¥300円で精米が出来ます。

お金を入れると投入口のシャッターが開きますので、投入口(写真の米袋を入れてある所)から玄米を入れます。

すると、こんな具合に。

精米すると日にちで鮮度が落ちていくので、普段は1週間ほどで消費出来る量だけ精米するのですが、今回はお世話になっている方々に早く新米をお届けしたくて、1袋(30kg)を投入しました。
すると、写真の様にいっぱいいっぱいで、溢れないかと心配しました。(笑)

投入し終えたら、中央の精米後の米が出てくる箇所に米袋をセットします。

で、精米度合いを5分付き、7分付き、標準、上白、無洗米の5段階から選んで、そのボタンを押すと精米が始まります。

少し待つと中央部分、写真の様に精米された白米が出てきてホッパーに溜まります。

有る程度溜まったら、足元にあるペダルを踏むんでセットした袋に白米を落とします。

以上、簡単にコイン精米機の使い方を説明しましたが、需要あるかなぁ・・・。(笑)

精米したての白米の写真です。
白米とはよく言ったもので、半透明で綺麗です。

全国的に暑さによる米の出来の話を聞きますが、近くの地域では暑さによる未熟米(白く不透明になります)が多いと聞きました。

ここで暮らして7年目、昨年からここ六ノ里の夏も暑くなりましたが、暑くなったとは言っても最高気温が32度くらいですので、今年もほとんど有りません!!

『精米したら、早く食べてみたい』と言うわけで、早速、炊いて食べました。
一口食べると『いやぁ、美味い』と顔がニヤけます。

昨年は食べた瞬間の感動と言いますか、美味さが口の中に広がる感じをあまり感じなくて『ん?』と思ったのですが、今年はバッチリ!(昨年の感想は、こちら

さて、ここまで書いたら『今年の「食味値」は?』となりますよね。

ですが、冒頭に書きました様に受け取ったのが週末なので、まだ検査に出せてません。
来週中には、結果が出ると思いますので、後日、追記で載せたいと思います。

以上で、今回の記事は終了です。
さぁ、「食味値」が気になるところですが・・・楽しみにして仕事を頑張ります。

<追記> 後日、結果が出てまいりました。

今年の食味値は過去最高の84点!

上から各項目について説明しますと、

・水分量は、少し高めの16.1%。

JAに卸すには14.5%〜16%なので、卸す農家さんは15%くらいにします。
16.1%なので+0.1%で、少しだけ高め。
我が家は自家消費なのでJAに卸さないので関係無い様ですが、専業農家さんに聞くと『長期保存するにはもう少し乾かした方が良い。』との事。
そして乾かすには『天気の良い日に米袋の口を開けて1日におけば大丈夫』と教えていただきましたので、後日行います。

・タンパクは7%。

この値が食味値の点数に大きく影響して、7%を切ると85点以上になるそうです。
なので、惜しい!って感じでしょうか。(笑)

・アミロースは19.9%

アミロースの値が低いと『モチモチして美味しい』とされますが、標準は18.5〜20%が普通なので去年は低過ぎ。
今年は標準上限ギリギリですが、好みがあって私には程良い感じです。

・脂肪酸度は23

標準値は10〜20で、20を超えると古米化しているそうです。
が、これ食味値には影響無いらしい。

天気に左右され、昨年に脱穀が遅れたのが増えた理由と思われますが、味には全く感じられないので気にしない事にします。(笑)

米作りを開始した2020年以降の稲作実績をまとめてますので、今年の分も入れてみました。

私の住む六ノ里で米作りをしている方々は概ね85点以上なので、なんとか私もその仲間入りがしたくて頑張ってきて、あと1点のところまで来れました。

上にも書いた様に、食味値はタンパクの値が大きく影響し、タンパクは肥料の窒素分が大きく関係するそうです。
昨年の結果から推測して、代掻きの際に土作りの為にずっと入れていた茅をやめた結果が出たのかもしれません。

でも、まぁ、過去最高の収量で、過去最高の食味値なので満足してます。

ですが、来年もまた工夫して、より良い結果を目指そうと思ってます!

R7「源蔵寺棚田の再生」第7回目

「源蔵寺棚田の再生」第7回目を実施しました。

11日(土)が雨で作業になりませんので、予備日の12(日)の実施です。
今年は冬の大雪から始まって、天候に翻弄される年の様です。

ここ六ノ里は、朝晩、肌寒い日も有りますが、今年は日中は汗の出る日も有ります。
夏では無いからと油断せず、休憩を取りながら行いました。

今回の参加者は、町からの一般のご協力者の方が5名、六ノ里のご協力者の方が2名、合計7名の方に協力いただけました。(*前日、町の方が1名)
参加いただいた皆様、誠に有り難うございました。

当日の様子をご紹介する前に、今回刈取りをする圃場の様子をお伝えします。

蕎麦の刈取りは手刈りの場合、黒化率(蕎麦の実が黒くなった比率)が60%が良いそうで、今の黒化率は写真の様に具合の良い箇所もあります。

というのは、同じ圃場の中でも黒化率が大きくバラついていて、60%ほどの所もあれば、まだ花盛りで実が緑の所もあるのです。

葉や茎の具合を見ても、少し早いですが、『ハサ立て乾燥*』しますので刈れる部分だけ刈ります。*『ハサ立て乾燥』については、後ほど説明します。

なお、雨で順延した11日に改造したバインダーを使って刈ってみましたが、昨年よりは倒伏が少ないとはいっても、上部が隣の畝と絡んでいるとバインダーが移動すると引き上げられてしまい結束が出来ず使えませんでした。

よって、今年も頑張って手刈りで行います。

それでは、ここから当日の様子を紹介してまいります。

DSC_0941

いつもの様に、六ノ里集会所に集合です。

今回は予備日に順延となった為、皆様ご都合がつかず少人数となりました。
ですが、今回も常連の頼りになる方々ですので、安心して行えます!

今日の作業内容について簡単に説明を行い、その後、現地に向かいます。

現地に着いて用意し、早速刈り取り・・・といきたいところですが、昨日から夜半にかけての雨と朝方の夜露で濡れているので、刈取りには不都合です。

そこで作業の前に「今回のお楽しみパート1」から。*「今回のお楽しみ」は今回が初ですが。

「今回のお楽しみパート1」は、天然のアケビ採りです。

圃場整備の一環で、参加者の方に周辺の草刈りをお願いしていますが、草刈りを行なった結果、周辺環境が良くなって日当たりが良くなり、この様に密生して実が付く様になったのではないかと考えてます。

高枝切りハサミを用意して来ましたので、参加者の皆さんにお土産用に存分に採取していただきました!

そうこうしている間に日差しも届いて、少し乾いてきましたので本日の作業に入ります。

女性陣の皆様には、鎌で蕎麦の刈取りをお願いしました。

昨年は1畝2列で蒔いて大きく育ち過ぎ、全て倒伏し絡んで刈取りが大変でした。

今年は育ち過ぎと倒伏を防ぐべく、1畝に1列で蒔きました。
結果、倒伏している箇所は有りますが、私も刈って見ましたが絡みが緩く、昨年よりは刈りやすかったです。

ただし、バインダーと違って束に縛らないとならないので非常に手間ですが、皆さん頑張ってくださいました。

男性陣は『ハサ立て乾燥』用のハサを立てていただきました。

7月の種蒔きの際に鹿除け網の支柱を作りましたが、その際に出た支柱にならない太い部分をハサの横木とし、足の部分もその際に作った物に加え、足らない分は新たに竹を切って作りました。

さて、この『ハサ立て乾燥』ですが、横木を膝くらいの高さになる様にハサを立てて、そこに刈った蕎麦の束を「立て掛けて」乾燥させます。

昨年、大きく成長して倒伏した物は茎が柔らかくクタクタで『島立て』しようとしても自立が難しく、結果、蕎麦の束の上部を固く縛る事となりました。

こうすると自立はしますが、実が付いた部分を縛りつける事になるので、雨が降ると侵入した水分がいつまでも乾かず、気温が高い日には大事な蕎麦の実が蒸されて品質の劣化となりました。

そこで何か良い方法が無いかと考えた結果がこの方法で、これなら茎が柔らかくても立てれますし、実の付いた部分には隙間が有るので乾燥しやすいという訳です。

なお、『ハサ掛け』としなかった理由は、実の付いた部分がぶら下がる事になるので、乾燥が進むと風で揺さぶられ実が落ちてしまうのでは、と思ったからです。
(長野の方で『ハサ掛け』されている農家さんは、庭の数段のハサに掛けて、その下にブルーシートを敷かれてました。)

予定分が終わり、時間になりましたので、本日は終了です。
いつもの様に、参加者の皆さんと記念撮影をしました。

なお、写真左の部分はまだ黒化率が低く刈れなません。
ここは後日となります。

さて皆さんに頑張っていただいた後は「今回のお楽しみパート2」です。

一昨年の圃場に移動していただき、皆さんで畑をガサガサと・・・。

はい、「今回のお楽しみパート2」はサツマイモの収穫です。

何ヶ所か場所を示して掘っていただくのですが、いっぱい芋が付いたアタリの所も有れば、ハズレもあります。

アタリだと、こんな感じに1株に大きなサツマイモが何個も。

皆さん自らが掘ったサツマイモを手に満足そうな表情で、喜んでいただけた様です。

以上、第7回目の実施報告でした。

さて次回、第8回目は、10月25日(予備日26日)に、今回刈り取った蕎麦の脱穀を行ないます。

募集案内は「六ノ里地域づくり協議会 景観整備部」のサイト同インスタグラムに掲載されますので、興味を持たれた方は覗いてみてください。

皆さんと一緒に、美味しい蕎麦を目指しましょう!

脱穀しました!2025

本日、脱穀しましたので、今年もその様子を紹介したいと思います。

先日の記事で稲刈り、ハサ掛けの様子を紹介しましたが、あれから約2週間。
本当は先週末に脱穀したかったのですが、天候不順でやれず。

例年なら天気の良い日を選んで脱穀となるのですが、今年は9月中から本業の出稼ぎ中で、平日は仕事で土日限定となりますが、明日の土曜日は雨みたいですので急遽休みを取って行いました。

まずは東の田んぼの様子。
今週は割と天気が良かったので、良い具合に乾いてます。

上の田んぼも、良い具合です。

まぁ、多少難が有っても、この日しか出来ないのですが・・・。

さて、先日、整備したハーベスタ(これも記事にしました)を倉庫から持って来て、

タカヤマモチ(餅米)から脱穀します。

毎年書いてますが、先にタカヤマモチを脱穀する理由は、脱穀するとハーベスタの内部に多少米が残るので、混ざるならコシヒカリに混ざった方が良いからです。

スタート地点でハーベスタの畳んである部品を展開、付属部品を取り付けて準備完了。
早速、脱穀していきます!

約20分で、タカヤマモチの脱穀終了。

今年は上の田んぼのタカヤマモチを、この田んぼにひとまとめにしていたので、一気に餅米は片付きました。
*先日の稲刈り、ハサ掛けの際に、ハサが足らなかったのは、これかもしれない。

続いてコシヒカリの脱穀を行いました。

10時40分に始めて11時15分、約30分で東の田んぼの脱穀は終了です。

この後、ハーベスタを移動させて上の田んぼの脱穀をしましたが、毎年、同じ内容なので、今年は省略。(笑)
こちらは約30分ほどだったので、トータル1時間半で全ての脱穀が終わりました。

あとは後片付けですが、ハサ木は稲束が掛かっていた所が多少は湿っているかもしれませんので、この先長く使える様に数日乾かしてから仕舞います。

稲藁は畑仕事で使うので、数束を一つに縛って倉庫にしまいますが、毎年入りきらないので、入らない分はご近所の方々に貰っていただきます。

我が家では毎年大量に出ますが、最近はコンバインで稲刈りするので稲藁は希少だそうで、喜んで受け取っていただけます。

稲藁の片付けをしてもらっている間に、ハーベスタの清掃です。

中に籾が残っているとネズミが巣食うので、丁寧に取り除きます。
また来年の脱穀の際、新米に去年の米が混ざるのも嫌ですからね。

今年の整備の際に『揺動板』の横のシール材を補修したおかげで、ハーベスタ下に溜まる籾の量は格段に減りましたので、苦労した甲斐が有りました!!

さて、今年の収量ですが、

東の田んぼは、コシヒカリが6袋と1/3。タカヤマモチが3袋。

上の田んぼが、コシヒカリ8袋。

まとめると、この様になり、過去最高の収量となりました。

他の農家さんの状況を聞きましたが、ここ六ノ里ではどこも収量が多かったそうです。
そして、食味値も例年以上に良かったそうです。

我が家も色々と肥料を工夫した結果、今年はコシヒカリの『ひこ生え』がほぼ無く、タカヤマモチも例年より少ないです。
*『ひこ生え』が多いのは、肥料が余っていると考えて良いそうです。

これは余分な肥料が無く、稲穂に米が形成される頃の肥料が適量だったと思えます。

となると、今年は食味値も過去最高となる!
まぁ、これは分かりませんけどね。(笑)

現在、籾摺り屋さんに出してますので、来週の中頃には今年の新米が出来上がります。
仕事を頑張りながら、楽しみにしています。

稲刈りです!2025

朝晩はめっきり涼しくなった六ノ里。
今年も稲刈りの時期になりました。

昨年と同じく今年も猛暑で稲の実りが早く、昨年並みに早く刈りたかったのですが、雨の日が続いて、なかなか田んぼが乾きません。
結局、去年よりも1週間遅い実施となりました。

今回は、この稲刈りからハサ掛けの様子を紹介してみたいと思います。

が、本題に入る前に、いつもの前置きを少しだけ。
今回は今の蕎麦の圃場の様子を紹介します。

「源蔵寺棚田の再生」今年の圃場です。

先日の大雨で、残念ながら今年も倒伏してしまいました。

昨年は倒れたままにしていましたが、今年は倒伏してすぐ、支柱と麻紐で越しました。
(雨が降ってきて、全ては無理でしたが、2/3は戻せたかと)

去年の圃場、中段は今年の圃場より10日ほど種蒔きを遅らせたのが良かったのか、ほぼ倒伏無しで育ってます。

どちらの圃場も、10月に入れば黒化率(蕎麦の実が黒くなる比率)が上がって、刈取りの時期になります。
このままでいけば、昨年蕎麦用に改造したバインダー「SO-Binder」で刈れそうです。

さて、前置きはここまで。本題に入ります。

先日の「バインダーの整備」の記事の最後にも書きましたが、稲刈りを予定していた9月20日では、それまでに雨が降って田んぼが乾かず出来ませんでした。

数日好天が続いて、昨日、やっと稲刈り出来た次第です。

今の六ノ里の棚田の風景です。

本来この時期なら、写真の辺りは稲刈りが終わっているはずですが、今年はまだです。
どうも田んぼが乾かず、コンバインがぬかるみで立ち往生の可能性が高く出来て無いそうです。(専業農家さんの話では、立ち往生があったそうです。)

我が家はコンバインに比べ軽量なバインダーですし、しかも「ゼロプレッシャー・タイヤ」なので、なんとか稲刈り出来そうです。(「ゼロプレッシャー・タイヤについては、こちらを参照ください。)

我が家の東の田んぼの様子。

コシヒカリもタカヤマモチも、黄金色の稲穂が垂れてます。

心配していた田んぼの乾き具合は、北西の角のいつも乾きにくい所は多少ぬかるみますが、長靴が潜らないので、まぁなんとかなりそう。

上の田んぼの具合は南西角が柔らかいですが、こちらも長靴で歩けない程でも無い。

どちらの田んぼも刈り時なので、稲刈りやります!!

なお、今年初めて、我が家の田んぼでも倒伏が発生しました。

多少倒れかかったぐらいなら刈った事がありますが、ここまでの状態は無いので、正直手こずりそうです。

まずは東の田んぼから。
水口に近い所に植えてある「タカヤマモチ(餅米)」を刈りました。

所要時間は10時頃から始めて終了が10時20分、約20分程で終了。

続いて「コシヒカリ」を刈りました。
10時半から始めて11時過ぎ、多少手こずりましたが30分程で完了。

土が柔らかい場所では「ゼロプレッシャー・タイヤ」でもタイヤが空転しました。
なので稲列にバインダーの先を合わせるのに苦労しました。

またこちらの田んぼでも一部軽い倒伏が有って、そこでは稲列がどこにあるのか見えなくて・・・バインダーで踏み倒しかけてはバックしてと大変でした。

続いて、上の田んぼの「タカヤマモチ」を刈りました。

この所要時間は約20分程。
ここら辺りは良く乾いていたので、別段問題も無く刈れました。

続いて「コシヒカリ」を刈りましたが、先に載せた倒伏部で悪戦苦闘しました。

タイヤで踏み潰して泥が付いたのは、そのままハサに掛けておけば落ちるので良いのですが、稲列が分からずバックしたら隣の列の稲穂をバインダーの送り部分に巻き込んでしまい、少し無駄にしてしまいました。

ここは11時40分から始めて、終わったのが1時前なので、コシヒカリだけで1時間も掛かりました。
昨年はタカヤマモチ、コシヒカリ両方で1時間ほどなので、悪戦苦闘ぶりを分かっていただけると思います。

刈取りが終わったので、先にコンバインを洗って乾かしておきます。
ハサ掛けしている間に、乾いてくれますので。

私流の掃除方法は、まず、刈取り部に溜まった藁クズをエアブローで落とします。
そのまま洗い流すと、濡れた藁くずがいろんな所に引っ掛かって取るのが面倒です。

次に高圧洗浄機で洗うのですが、田んぼが柔らかいのでタイヤの溝の部分には土がいっぱい付いてます。
これを洗い流すのはもったいないので、先に丁寧に手で集めて田んぼに戻して、それから洗います。

洗車(?)が終わると、時刻は13時。
お昼はとっくに過ぎてますが、ここで昼食とします。(栃洞産の米のおにぎり)

簡単な昼食を採ってから、ハサ掛けに入ります。

ここで『凄腕の助っ人』登場!
我が家が米作りを始めた最初の年、稲刈りやハサ掛けを教えてくださった方です。

通り掛かって稲刈りをしているのを見て、手伝いに来てくださいました。

1時間ほどで上の田んぼのハサ掛け終了。

『凄腕助っ人』のお陰で、予定していたより30分は早く出来ました!
本当にありがたい。感謝、感謝です!!

続いて、東の田んぼのハサ掛けです。

写真にある様に、ハサ木を持っていって並べてます。
我が家では『上、西1』の様なナンバーをハサ木に書いてありますので、その通りに田んぼに持って行ってハサを立てれば良いのです。

ハサを組んで、順調にコシヒカリから掛けていきましたが、ここで問題発生!

両方の田んぼにタカヤマモチを植えてますが、脱穀はコシヒカリと混ざらない様にタカヤマモチだけまとめて先に脱穀を行います。
なので、東の田んぼに運んで一緒にハサ掛けするのですが、今年は掛ける場所が足らない!!

先日もお隣のお父さんから『今年は良く出来てるなぁ。』と言ってくださってましたが、ハサが足らなくなるとは。
ただし、稲束が太いだけで、収量は変わらないかもしれませんが・・・。

結局、ハサを一部延長したり、コシヒカリを上の田んぼのハサに持って行って掛け直したりして、終わったのは写真も撮れないくらい暗くなってました。(この写真は途中の物)

明けて翌日、今朝の東の田んぼの様子。

昨夜は日没で掛けられなかった雨避けのブルーシートを、東、上ともに掛けました。
この雨避けは、天気の良い日には根元も乾燥させるべく、くるくると巻いて端に縛っておきます。

以上、今年の稲刈りの記事でした。

今年は、天気と田んぼの乾き具合に、本当にヤキモキしました。
1週間ほど遅れはしましたが、無事に稲刈りを終える事ができました。

この後は、約2週間ほどハサ掛けの後、脱穀する予定です。
さてさて今年の収量は、どれくらいあるのでしょうか?
楽しみです!

バインダーの整備

前回の記事はハーベスタの整備を紹介しました。
今回は稲刈りに使用するバインダーの整備を記事にしてみたいと思います。

その前に、いつもの前置きを少し。

毎年9月7日は栃洞白山神社の例大祭です。

朝から地域総出で、境内や本殿、拝殿の掃除を行い祭礼の準備を行います。

掃除が終わるとキリコ灯籠を吊るした後、拝殿にゴザを敷き、祭壇を設置してお供物を飾ります。

神事の際に座る床几を並べて、準備は終了。
午後から神事を執り行ないます。

神事とその後の直会の様子は、去年も紹介しましたので省略。
もし詳しくお知りになりたい方がおられましたら、去年の記事をご覧ください。

と言いますか、神事には出席してますので写真を撮れませんし、直会は何かホッと気が抜けたのか撮ってません。(笑)

そして祭礼の夜には拝殿踊りが開催されます。(詳細は去年の記事を参照ください。)

先日の平谷白山神社の拝殿踊りもでしたが、今年は多くの方が来られて、拝殿に上がれない人が出るくらいでした!

拝殿踊りには、近隣の方だけでなく、遠方からも来られますが、今年、一番遠方から来られた方は、なんとイタリアから。

どういう縁で来られたかは、私、外国語が苦手なのでよく分かりません。
しかし、拝殿踊りも拝殿に上がって踊りの輪に加わって踊っておられました。
そして、拝殿踊りの後の恒例の栃洞屋での宴会にも参加いただき、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。

日本とイタリア、全く文化の違う人同士でも、ここの祭りには通じ合える様な空気感が有るのかもしれません。

さて、それでは本題に入ります。
まずは今の田んぼの様子から。

我が家の東の田んぼも、こんな感じに。

上の田んぼも順調に育ってます。

餅米のタカヤマモチも、

コシヒカリも、稲穂が垂れてます。

こうなれば、そろそろ稲刈りの時期となります。

稲穂が実るのにはたっぷりの水が必要ですが、もう十分実ったので必要ありません。
稲刈りに向けて、水口を切って田んぼの水を抜きます。

水が溜まっていると刈った稲束が濡れてしまって良くないですし、あまりにぬかるんでいると、これも良く無いので、稲刈りの日を決めたら早めに抜きます。

上の田んぼも、水口を切って水を抜きます。

水を落としたので、あとは稲刈りまでに乾いて良い具合になるのを待つだけです。

そして、稲刈りの日を決めたら、それまでにバインダーの整備を行います。
『さぁ刈るぞ!』となって、不具合が出たら何ともならないですからね。

今年もお隣にお借りした、クボタのバインダー RB30です。

昨年の稲刈り後に必要箇所への給油は行ってますが、各部のオイルはそのままにしてますので、今回の整備のメインはオイル交換になります。

作業後にオイル交換していない理由は、稼働して熱が入るとオイルは酸化しますし、1年置いておくと気温差で内部が結露してオイルに水分が混ざる可能性もあります。

これらはオイル品質の劣化の原因なので、使う前に換えてあげたいのです。

なお今回、ミッションケース、チェーンケース、結束ケースのオイルも交換しますが、これらは交換の推奨時期が取扱い説明書に記載されてますので、それに満たなければ毎年行う必要は無いです。

では、オイル交換の作業に入ります。

まずはミッションケースのオイルから。
作業を行うのにカバーが邪魔なので外します。

ミッションケースの給油口と排出口は写真の通り。

カバーを外す理由は、給油口周りに付いたオイルを拭き取り難いからです。
油分が残っていると滲み出たものか分かり難いですし、汚れも付着しやすくなります。

次に、排出口の下に「廃油処理箱」をセットします。

オイル交換と言えば、昔は廃油トレイに抜いて、抜いた廃油は大きめの缶に入れておいて、ある程度溜まったらガソリンスタンドで処分してもらう、これが普通でした。

これなら、そのまま古いオイルを抜いて、燃えるゴミ(自治体の規定による)に出せますから、廃油を缶に移す際に『こぼして床の掃除が大変!』なんて事もありません。

次にオイルを抜く為に、排出口のボルトを外します。

ただし、この時、まだ給油口は外しません。
と言うのは、給油口を外してから排出口を外すと、一気にオイルが出るからです。

給油口を閉じたまま排出口のボルトを抜けば、中がある程度負圧になるので一気に出ないので、排出口のボルトを持った手にオイルが掛かる事も少なく、慌てずに作業が出来ます。

排出口のボルトを外したら、給油口を開けて古いオイルを全部排出させます。

オイルが入っている箇所は、このミッションケースもですが、完全密閉では無いので、そのままでもオイルは出てきますが、抜け出てくる速度が違うので給油口を開けた方が作業性が良いです。

古いオイルの具合を目視と手触り、後、匂いを確認します。

長年使って、その間交換はしてないと聞いてましたが、ほとんど汚れは無さそうです。

目視の理由は、金属粉が多かったら中が摩耗していたり、金属片が有れば内部の破損が考えられますし、白濁(乳化)していたら、どこからか水が入り込んだ可能性が分かるからです。

指で触る理由は、オイルは劣化が進むと粘度が落ちるので、新品のギアオイルと触り比べれば劣化の度合いが分かるのです。
今回は新品のオイルと同等の粘りもありますが、酸化した匂いがしますので、まぁ交換して妥当かと。

古いオイルが出てしまうのを待つ間に、排出口のボルトと給油口をパーツクリーナーで洗浄しておきます。
特に排出口のボルトとワッシャの間に小さなゴミが入っているとオイル漏れの原因になりますので、そこは丁寧にやります。

古いオイルが出て来なくなったらウエスで拭いて、排出口のボルトをねじ山の半分くらい手でねじ込んで、パーツクリーナーで洗浄します。
これは排出口のボルトのワッシャとミッションケースの間にもゴミを入れない為です。

排出口を適度な力で締め付けたら、次はギアオイルを入れます。

使うオイルは、これです。(今はパッケージが変わったみたいです。)

ホームセンター「コメリ」のオリジナル商品で、4Lで¥4,500円。

オイルを選ぶ際に重要なのは『規格が同等以上か』です。
このオイルはSAE90のGL-5で純正オイルと規格が同じなので、これで問題無いです。

新しいオイルを入れたら、給油口を閉めて、排出口、給油口共に、今一度パーツクリーナーで洗浄しておきます。
こうしておけば、万が一オイルが滲んで来てもすぐに分かるからです。

ちなみに、整備をする際に必要な情報、例えばオイルの量だとか、排出口、給油口の位置などは取扱い説明書に記載されてますので、それを見ながら作業を行ないます。

ただ、それぞれの作業に必要なページは限られるので、私は写真の様に、必要な箇所だけを印刷してラミネートしてます。
こうしておけばオイルで汚れた手で触っても大丈夫ですし、保管しておく際も傷んだりしませんから便利です。

なお、取扱い説明書が無い場合は、メーカーのサイトでPDFデータが手に入る事があります。
またメーカーサイトに同じ型番の物が無い場合は、問い合わせると参考に出来る機種を教えてもらえます。

ミッションオイルの次は、チェーンケースのオイルを交換します。

チェーンケースの給油口と排出口はタイヤの奥に有るので、写真の様にジャッキで持ち上げてタイヤを外します。

その際、先端部のデバイダーを痛めない様に、写真の様に木材などを入れて浮かしておきます。

タイヤを浮かせたら、ベータピンを抜いてタイヤを外します。

これがチェーンケースの排出口です。

オイルを抜くにあたっては、まず排出口の下に「廃油処理箱」をセットします。
ここはタイヤの裏側で使用後の洗浄でも泥を洗い流せて無いので、外す前に丁寧に汚れを取り除きます。

綺麗になったら排出口のボルトを外します。
使う工具はこの機体では22mmのボックスレンチです。

オイルが流れ出したら、給油口のボルトを外します。

こちらも排出口同様、泥で汚れてますので、外す前に綺麗にしておきます。

オイルが排出される間に、排出口、給油口ともにボルトを洗浄しておきます。

古いオイルが排出されたら排出口のボルトを締め付けます。
締め付ける際に半分ほどねじ込んでパーツクリーナーで洗浄します。

排出口を締め付けたら、次はオイルを入れるのですが、給油口が小さくてオイルジョッキのノズルの先が入りません。

こんな時は穴に無理矢理押し込める太さのホースが有れば、それをノズルの先に付けて入れれば良いのですが、そんな都合の良いホースが手元に有りませんでした。

そんな時はジョウゴを作ります。
ボール紙でも良いのですが、少し勿体無いけど、私は耐水ペーパーを使います。

これだとオイルが浸み込みにくくて、オイルに濡れてコシが弱くなり難いのです。
*コシが弱くなると形状が壊れて、溢れる場合があります。

新しいオイルを入れたら給油口のボルトを取り付けて、排出口と共に、今一度パーツクリーナーで洗浄しておきます。

最後にタイヤを取り付けて、ここは終了です。

チェーンケースの次は、結束ケースのオイル交換です。

結束ケースは地面スレスレに位置するので、そのままでは排出口の下に「廃油処理箱」をセット出来ません。

なので、先端部の下に「廃油処理箱」以上の高さのスペーサー(写真では杭の束)を入れてから、「廃油処理箱」が入るまで機体後部をジャッキで持ち上げます。

「廃油処理箱」をセットしたら、排出口の下がフランジ状になっていて廃油が溜まるので写真の様に養生します。

これ以降の工程は、ミッションケース、チェーンケースと同じなので省略します。

続いてはエンジンオイルの交換。

これは毎年行った方がベストですが、年に一度の使用なので、オイルの量と劣化具合を確認して必要があればで良いかもしれません。

手前の白いガードが外せると良いのですが、エンジンマウントなので外せません。
養生出来る隙間も無いので、このまま「廃油処理箱」をセットして交換します。

オイル交換の工程は、ここも同じなので省略です。

ただ他と比べて廃油が機体を流れるので、交換後のパーツクリーナーでの洗浄は念入りに行います。

以上で、オイル交換は全て終了。

あとはジュート紐(稲を縛る紐)をセットして結束機の動作確認をして、刈り刃の動きを確認して作業前整備は完了です。

と、バインダーの準備は万端ですが・・・

来週末に稲刈りを予定してますが、天気が悪そうです。

果たして、予定通りに稲刈りできるのでしょうか?・・・・