R6源蔵寺棚田再生 第8回目

「源蔵寺棚田の再生 第8回目」を実施しました。

ここのところの六ノ里は朝晩、気温が一桁で肌寒いくらいとなり、日中も作業をしていても大変過ごし易くなっています。

今回、町からの方が6名(内、見学の方1名)、「六ノ里」の方が2名、合計8名の方に参加協力いただけ、今年最後の蕎麦栽培の作業を無事に行なえました。

記事に入る前に、来週、11月3日の収穫祭(六ノ里楽市)についてご紹介します。

クリックすると、印刷用PDFが開きます。

今年も「そば茶寮分福笠井」様のご協力により、店前のスペースにて開催いたします。
なお、駐車場が限られていますので、乗り合わせてのご来場をお願いいたします。

それでは、第8回目の様子を紹介してまいります。

今回は衆議院選挙の期日前投票で、六ノ里集会所が使えません。
ですので、現地集合としました。

集合後、今日の作業内容を説明し、機材を圃場に運びます。

まず脱穀するブルーシートで作業スペースを作ります。
それから、今日の作業の流れや注意点を実際にやりながら説明し、早速、作業に入ります。

今日使う機材は、足踏み脱穀機(ブルーシートの掛かった青い機械)、その右手の木製の物が先日の記事で紹介した「蕎麦の実とゴミを選別する篩(ふるい)」、この二つです。

今年は作業スペースのブルーシート上を土足禁止としています。
と言うのは、昨年、収穫した実から小石を取り除くのに大変苦労したからです。

島立てしてある刈り取った束は移動時に実が落ちるので、作業スペースまでブルーシートで包んで2人で運んでもらいます。

受け取った押し切りの係の方は、根元に付いた土や小石が蕎麦の実に混じらない様、地面に触れていた根元を切り落としてもらい、終わった物は脱穀機の横に運んでもらいます。

脱穀作業は、束を脱穀作業を行う人に渡す係と、脱穀する方の2人で進めます。

今回、参加いただいた方に作業の様子をドローン撮影していただきました。
普段は見れない画角からの写真も良いですね。

皆さんの協力で、どんどん綺麗になっていく源蔵寺の風景を、今度、お願いして空撮してもらいたいなと思ってます!

一度休憩を挟んで作業を進め、お昼となりましたので午前中の作業を終了としました。
そして、午後からは有志の方での作業になりますので、全員揃っているところで集合写真を撮影しました。

冒頭の参加協力者のところにも書きましたが、今回はいつも参加くださる町の方のお友達が見学に立ち寄ってくださいましたので、一緒に写真に入っていただいてます。

お昼を食べてからは、残って下さった有志の方と続きを始めます。

写真提供:松川哲也氏

作業をしていると可愛らしい見学の方が来られました。

この日、「おでかけ留学」で「【猟師体験】ジビエ調理と地元食材で絶品BBQ!」というイベントが六ノ里で有りまして、その散策ルートが「源蔵寺・畑ヶ谷遊歩道」でしたので見学に立ち寄ってくださいました。

蕎麦の脱穀作業を見ても、きっと何の作業をしているのか、子供達にはわからなかったかもしれません。
ですが、中には『やってみたい!』と言う子もいて興味を持って貰えたみたいです。(小さなお子さんでしたので、残念ですが安全上やらせてあげられませんでしたが。)

写真提供:松川哲也氏

蕎麦の実を見せてあげると、食べる蕎麦の元が『こんな小さな実』だというのは、子供達だけでなく同伴の親御さんもご存知無かったみたいで興味深く見て行かれました。

本日の予定分の作業が終わると、すっかり夕方になっていました。

写真には、まだ島立て中の物が写ってますが、これらはまだ乾燥が進んでませんので後日脱穀いたします。

さて、今現在の収穫量は、

前日までに脱穀した分と今日の作業分を合わせて、これだけ採れてます。
まだ脱穀の終わって無い分が有りますので、ご協力頂いた皆様のおかげで相当の量が採れそうです。

以上、第8回目の実施報告でした。

次回は、冒頭に載せました様に、いよいよ収穫祭(六ノ里楽市)です。

美味い源蔵寺棚田で採れた蕎麦、皆さんで食べに来てください。
お待ちしてます!

R6源蔵寺棚田再生 第7回目

「源蔵寺棚田の再生 第7回目」を実施しました。

ここ最近の六ノ里は、朝晩は肌寒いくらいですが、日中は少し汗ばむくらいですので、途中、休憩を取りつつ無事に作業を行なえました。

今回、町からの方が3名、「六ノ里」の方が3名、合計6名の方に参加協力いただけました。

それでは、当日の様子を紹介してまいります。

いつもの様に、六ノ里集会所に集合。
今日の作業内容を簡単に説明と11月3日の収穫祭(六ノ里楽市)のお知らせをさせていただいた後、現地に向かいました。

現地に到着して作業を実際にしてみて見てもらい、注意点を説明の後、早速作業に取り掛かっていただきました。

刈り取った蕎麦は、この様に束ねて圃場に置いていっていただきます。

作業開始から約1時間半、ここで休憩を取ります。

休憩後、作業を再開します。

今年は夏の暑さで成長し過ぎたのと、開花後の大雨のせいで倒伏が激しく、この辺りからの刈り取りが大変です。

絡まった蕎麦に苦労しながらも、刈り取りを進めていきます!

ここでお昼となりましたので、本日の作業を終了しました。

最後に、全員で集合写真を撮ります。

作業の終わった圃場の全景です。

倒伏で絡まった蕎麦に苦労しましたが、半分くらいは刈り取れました。
参加協力いただいた皆様、有難うございました。

午後から刈り取りの終わった分の島立てをスタッフで行いました。
まだまだ刈り取りの終わって無い分が有りますが、頑張って終わらせてまいります!!

以上、第7回目の実施報告でした。

次回、第回目は10月26日(予備日27日)を予定しております。
作業内容は、蕎麦の脱穀です。

募集案内は「六ノ里地域づくり協議会 景観整備部」のサイトで行われますので、興味を持たれた方は覗いてみてください。

是非、ご参加いただき一緒に蕎麦を育てましょう!
多くの方のご協力を、宜しくお願いいたします。

今年の米が出来ました!2024

先日の記事で「籾摺り」に出していた「米」が出来上がりましたので、記事にしてみたいと思います。

去年は新米が出来上がるのが待ち遠しくて籾摺り屋さんに電話しましたが、今年はおとなしく、来年の米作りの準備をして待ってました。

まずは先日脱穀した際に藁(わら)がいっぱい出ましたので、去年の使い切れなかった分を田んぼで燃やしました。(写真は秋耕起の日に撮りました。)

昨年もご近所の畑をしておられる方に大量に貰ってもらったのですが、それでも余ってしまうのです。

野焼きは何かと問題になる様ですが、ここは「ど田舎」ですし肥料としては有効なので、そこはお許しいただくと言う事で。

藁を燃やした翌日、秋耕起を行いました。
まず上の田んぼを行って、

その後、東の田んぼを行いました。

この時期の田んぼは半分乾いて土が固いので、なかなか耕運機のナタ爪が土に入りませんが、稲株が起こせる様に注意して耕してます。

さて、そんなこんなで籾摺りに出して3日目の29日、待望の連絡が有りましたので早速受け取りに!!!

受け取って来た今年の新米です。

今年採れたコシヒカリは7袋ジャスト。(1袋は30kg)
色々な方にアドバイスいただき肥料を増やしたので、昨年より+1.5袋(90kg)増です。

この写真は籾摺りが終わった玄米の状態。
昨年と比べて青い米の量もほぼ同等で、とても良いです!(去年の写真はこちら

今年も新米を早く食べたくて、受け取ったその足で精米に行きました!

今年の夏は昨年以上に暑く、すぐ近くの地域でも白濁が多かったと聞きましたが、さすが六ノ里、ほとんど有りません!

早速、炊いて食べました。

食べた感想は、何故か『こんなもんかなぁ・・・』。

もちろん美味しいですよ。
でも去年新米を最初に食べた時の『凄く美味しい』って程じゃ無い。
もっとも、私の舌の感覚なんて適当でしか有りませんが。(笑)

<訂正>
水の量を少し多めに炊くと、昨年以上に美味かったです。

と言うのは、以下の検査結果の様に、今年はアミロースが昨年よりも低かったのです。
このアミロースが低いと粘りが強くなって、まるで餅米を混ぜた様な食感になるので、普通の水量ではモチモチし過ぎて私の好みに合わなかっただけでした。

そこを考えて、水の量を少し多めに炊いたら美味かったという訳です。(笑)

で、本日「食味値」の検査に出して、結果が出ました。
今年の米作りの「通知表」とも言える検査結果はと言うと・・・

今年も肥料を工夫したのですが、結果は今年も大きく変わらない。

今年も「米作り」の結果をまとめてみました。

この表の数値の変遷を見る限り、相関性が見られないのです。

例えば、図中の青の2020年と2024年を比較して、同じ82点ですが

・水分量は良い方(最適値14〜15%)に変わった。
・タンパクも減少して良い方向(7〜8%が普通。それ以下はもっと良い)に。
・アミロースは数値が低い方に。(18.5〜20%普通で、低いほど美味しい。)

これで何故同じ点数なんでしょう?
正直、何が「点数の違い」なのか良く分かりません。

2020年以来、『タンパクが多いのは窒素分が多いせい。肥料を減らすと良い』と農業指導員からのアドバイスで肥料を減らして来ましたが、点数はほぼ同じで、ただ収量が減っただけ。

今年、地元の米農家さんのアドバイスにも基づき、窒素分が増えてタンパクの数値が悪くなるのは覚悟で、肥料をメーカー推奨量を入れたら収量は大幅増。
しかも点数は過去最高タイ。

でも指導員さんのアドバイスが良くないと言う訳ではありません。
作る田んぼの環境、その年の気候、色々な要素が絡み合っての結果だからです。

農業指導員さん曰く『タンパクが7%を切ると85点以上になる』との事。
なので、来年に向けてまた色々調べて、点数の上がる方法を考えましょう!

ま、食べて美味い米なので、良いのですけどね。(笑)

蕎麦選別作業の改善


先日、蕎麦の刈取りの機械化を目指して「SO-BINDER(そばいんだー)」を制作した記事を載せましたが、他にも作業を少しでも楽にしたい工程が有ります

今回は、その中の選別作業工程を改善すべく「蕎麦専用ふるい」を制作しましたので、紹介してみたいと思います。

まず最初に、蕎麦栽培の残った大変な「脱穀〜選別」の作業についての説明からしてみたいと思います。

一つは脱穀の工程。

現在は「足踏み脱穀機」でペダルを踏んで脱穀ドラムを回し、そこに蕎麦の束を押し付けて脱穀してますが、片足立ちでペダルを踏みつつ束を押し付けるのは、バランスが取りにくくて大変なのです。

なので、脱穀ドラムが自分で回ってくれれば、両足で立って束を押し付けるだけので楽になると思います。
つまりは「電動脱穀機」を購入すれば良いのですが、結構な値段がします!!

でも、慣れの話も有ると思いますので、これは『そのうちに』と思っています。(笑)

次に選別の工程。

今は手動の唐箕(とうみ)で風選するのですが、ハンドルを手で回して風を起こすので回転数がなかなか一定になりません。

風が強すぎると良い実まで排出されてしまいますし、弱過ぎると良い実にゴミが混ざって取りきれないのです。

一定の回転数で回せる「電動唐箕」を購入すれば良いのですが、これも結構な値段がします!!
なので、これも慣れの問題ですので、『そのうちに』です。

この2つの工程よりも、この秋の収穫までに必ず改善したい事が有りまして、それが今回の記事の「蕎麦専用ふるい」なんです。

その工程は脱穀した蕎麦の実を唐箕に掛ける前に行う作業で、脱穀した実の中に混ざっている大きな葉っぱや長い茎を取り除く作業です。

実際にどの様に行うかと言いますと、写真の様に脱穀した物を少しずつ篩(ふるい)に掛けて取り除くのですが、篩の大きさが小さいのもあって、とにかく時間が掛かるのです。

また、片手で篩を持って揺り続けるので、だんだん手が疲れて痛くなってきます。

そこで、この図の様な大きな篩を作ろうと計画し設計しました。

簡単に構造を説明すると、赤い部分がローラーになっていて、青い部分が篩です。
黄土色のハンドル部を持って左右に揺すれば、グレーの部分に実が溜まると言う具合です。

これなら今までの篩に比べて、一度に処理出来る量が増えて、手に掛かる負担も少ないはずです。

と言う訳で、制作しました!

当初、仕事で良く使っている「アルミフレーム材」で作ろうと考えてました。

この「アルミフレーム材」は各部品の長さに加工して納品して貰えるので切断加工の手間が無く、また、各部品の接続もブラケットをネジで締めて固定出来るので作業が早いのです。

ですが、必要分の材料代を見積もるとかなり高くなります。
先日「SO-BINDER(そばいんだー)」の部品製作でお金を使ったので少しでも安く、と2バイ4材で作りました。(笑)

部品構成は、写真左から、土台のフレーム部分、篩部分、実を受ける部分、の3部品です。

実を受ける部分はホームセンター等で売っている、セメントを混ぜる「トロ舟」です。

篩に使う網はネットで探しましたが、販売単位が多く(何十メートル単位)、その分高価になるのでどうしようかと思ってました。
が、地元の金物屋さんで切り売りしているとの情報をいただき、使用分だけを安く入手出来ました!

篩部分の枠の下には溝が掘ってあって、土台のキャスターが嵌る様になってます。

このキャスターのおかげで、大きな篩を動かすのにも力が入りません。
12Vバッテリーを電源にモーター駆動も考えてますが、そこはまず使ってみてからにします。

実施に使ってませんが、動かしてみた感じでは『良いのでは』と思ってます。

脱穀しました!2024

本日、脱穀しましたので、その様子を紹介したいと思います。

その前に、少しいつもの前置きから。

暑かった夏も一段落した様で、ここ六ノ里では朝晩涼しいを通り越して若干寒いかな?って日もあります。

秋への季節の移ろいと共に、色々な作物が収穫に向かってます。

今年も栽培している蕎麦、「源蔵寺棚田の再生」に加え、他に「そば茶寮文福笠井」さんの下でも栽培してますが、今年は何処も夏の暑さのせいか育ちが良すぎて大雨での倒伏がひどいですが、

生育は順調で多くの実を付けてくれて、今は30〜40%くらいの黒化率です。
(*黒化率とは、一番上の実の集まりの中で黒く熟した実の割合です。)

もう少し経って、黒化率60%くらいになったら刈り時になります。

稲作の方は、六ノ里では今が稲刈りの真っ盛り。

それぞれの田んぼの耕作者の思いからか、または委託先の都合か、時期に多少のズレはありますが、徐々に稲刈りが進んでます。

以上、ここ最近の六ノ里の様子でした。
それでは記事の本題、脱穀の紹介を始めます!

我が家は先日の記事で書きました様に、少し早めに刈ってハサ掛けして、そろそろ1週間になりますので、脱穀を行います。

脱穀にはハーベスタ(脱穀機)を使います。

脱穀時に不具合が出て作業出来ないのは、天気の都合もありますしマズイので、作業日前に各部点検と動作テストを行います。
今年は脱穀部への動力伝達のVベルトに傷みを見つけましたので交換も行いました。

また、昨年仕舞う際に取りきれなかった古い籾の清掃も行いました。
毎年不思議なのですが、綺麗にしたつもりでも倉庫までの移動(自走してます)の際に、何処からか籾がやゴミが出て来るんです・・・。

脱穀当日、予定通り良い天気です。

脱穀自体は、お昼から始めて遅くとも16時には終わりますので、午前中にハサ掛けの上に雨除けで掛けてあるシートを外したり、脱穀した籾を入れるコンバイン袋の用意を行います。

13時になったので、東の田んぼから始めます。

毎年書いてますが、うちはタカヤマモチ(餅米)とコシヒカリ(ウルチ米)を同じ田んぼで作ってますので、脱穀も分けてしないとならないので、まずはタカヤマモチから脱穀します。

その理由は脱穀終了時にハーベスタ(脱穀機)の中に多少の籾が残るのです。
正直なところは混ぜたく無いですが、かと言って、内部の清掃は凄く時間も掛かりますので、多少混ざるならウルチ米に餅米が混ざる方が美味しく食べられますので先にタカヤマモチ、と言う訳です。

毎年、脱穀作業は家内と2人で行いますが、稲刈りの記事にも書きました様に、今年から同じ移住者仲間も稲作を始めたので、今日は見学に来てもらってます。

彼らもこの後数日のうちに自分の所の脱穀を行いますので、まずは、機械のセットの仕方と注意点を伝え、実際に脱穀してみせます。

少し作業の流れを見てもらったら、実際にやってもらって要領を覚えてもらいます。

最も、始めてだと何かと戸惑う事もあるかと思いますので、彼らが脱穀する際は手伝い(邪魔?)しに行くつもりです。(笑)

東の田んぼのタカヤマモチの脱穀が終わったら、上の田んぼに移動してタカヤマモチの脱穀を終わらせ、続いてコシヒカリの脱穀を行います。

上の田んぼのコシヒカリの脱穀は14時に終わりました。

東の田んぼに移動して、こちらのコシヒカリの脱穀です。

13時から始めて全ての「脱穀」が終わったのが15時過ぎ。

去年より少し終了時間が遅い(と言っても10分くらい)ですが、今年は、まだまだ暑くて途中休憩をしたのと、脱穀の講師もしていたので掛かった時間としては早かったくらいです。

さて、今年の東の田んぼの収穫量。

コシヒカリが7袋で、タカヤマモチ(右に少し離して置いてある)が1袋。

続いて、上の田んぼの収穫量。
コシヒカリが6袋で、タカヤマモチ(左に少し離して置いてある)が1袋。

トータルすると、

コシヒカリが13袋。
2020年が14袋、2021年が12袋、2022年が11袋(植えた量が少ない)、2023年が9袋半なので収量が増えてます!

タカヤマモチは2袋。
2020年が2袋強、2021年が2袋弱、去年が2袋半(多く植えた)、2023年が1袋半なので、こちらも収量増えてます!!

脱穀が終わったので、早速、籾摺り屋さんに持って行きました。
きっと2、3日後には今年の新米が出来上がると思います。
(タカヤマモチは量が少なすぎて乾燥機に掛けられないので、例年通り天日で干した後、あらためて籾摺りに持って行きます。)

以上で、今年の脱穀も無事に終了しました。

肥料を増やした目論見通りに収量が増えて嬉しいですが、後は「食味値」がどうなるか?です。
「食味値」も目論見通りに上がってると良いなぁ。(笑)

稲刈りです!2024

今年も稲刈りの時期になりました。
昨年に増して暑い夏で稲の実り具合が早く、去年よりも1週間早い実施です。

それでは、稲刈りからハサ掛けの様子を紹介してみたいと思います。


稲刈りにあたって、画像の様に、天気予報では来週以降『曇り時々雨』の日が続くみたいで『いつ刈る???』と悩みました

と言うのは、ハサ掛けは乾燥させる意味も有るので、ハサに掛けても雨に降られて濡れるだけなら嬉しくありません。

それともう一つ、考えている事がありまして。

これは昨年まとめた物ですが、この表中の「脂肪酸度」が毎年、数値が大きくなってますが、標準値は10〜20で数値が大きい程、酸化が進んで古米化しているそうです。

この原因として考えられるのが『米を乾かす事に執着するあまり、ハサ掛け期間が長すぎるのではないか』です。

実際、米作り最初の年2020年は、台風が来るので慌てて稲刈りから1週間くらいで脱穀したので、ハサ掛け期間が短くて数値が19だったのかもと考えてます。

あと、稲刈りの時期も、コンバインで刈る他の方と同じか少し遅く刈ってましたので、それにハサ掛け期間がプラスされるので脂肪酸度が増えている原因かと。

ですので、今年は早めに刈って、ハサ掛けの期間はそこそこにと思ってましたので、雨が続いてハサ掛け期間が長くなるのは避けたかったのです。

そんな訳で、天気がこんな感じなら『ハサ掛けを諦めなければならないか』と悩んでましたが、日々の予報が当たらず、実際にはそう崩れる様子も無いので、例年通り、稲刈り→ハサ掛けで行う事にしました。

稲刈り当日の東の田んぼ。

前々日に降った雷雨による水溜まりもほぼ消えて、これなら稲刈り出来そうです。

続いて、上の田んぼの様子。

ここの西側が雨水の溜まりがなかなか消えなくて、やっと消えてもまだ少しぬかるみますが、何とか稲刈り出来そうです。

なお、実り具合はどちらも良さそう。

夜露の濡れも消えた午前10時、それでは稲刈り開始です!!

まず東の田んぼから。

と言っても順番に大きな意味は無く、強いて言えば『ここをやっている間に上の田んぼのぬかるんでいる所が、少しでも乾いてくれないかな』という目論みです。

最初に水口に近い側に植えてあるタカヤマモチを刈ります。

その後、コシヒカリを刈り取ります。

田んぼの乾き具合で『刈った稲束に土が付くと嫌だなぁ』と心配しましたが、何とか大丈夫そうで安心しました。

ここでお昼となりましたので、昼食とします。

昨年の昼食は畦で「おにぎり」でしたが、今年は凄く暑くてあまり食欲が無く、すぐ近くの「Cafe清桜里」に行って、写真のオヤツみたいな昼食にしました。(笑)

さて昼食も済ませたので、ハサ掛けに入ります。

昨年は東の田んぼ、上の田んぼの順で、両方先に稲刈りを済ませてからハサ掛けに入りましたが、少し空模様が怪しいので、先に刈った東の田んぼのハサ掛けを行います。

ハサ木を組んでいると、お隣のお父さんが手伝いに来て下さいました。
いつもいつも何かと気に掛けてくださっていて、本当にありがたいです。

お隣のお父さんの助けもあって、12時半から始めて14時前、約1時間半弱で終わりました。

遠くで雷がゴロゴロ言ってますが、雨雲レーダーを見ると、まだ何とか大丈夫そう。
ですので、続けて、上の田んぼの稲刈りもします。

こちらも、まず水口近くのタカヤマモチを刈って、

それからコシヒカリを刈ります。
14時から始めてタカヤマモチ、コシヒカリの両方刈り終わると約1時間の15時でした。

刈り終えたのでハサ木を出して組んで、稲束をどんどん掛けていきます。

相変わらず雷鳴がゴロゴロ言ってますが、何とか大丈夫そうです。
ちなみにこの日は、郡上八幡辺りは大雨で降水量が基準値を越えたので、長良川鉄道が運休したそうです。

最後にハサに掛けた稲束の上に雨除けのシートを掛けて終了です。

作業が完了したので、この後は、今年から稲作を始めた仲間の所へ。

この仲間も移住者で、『色々やり方を教えるから米作りなよ。そんな難しく無いって』と私がそそのかしたのです。

ですから、本来なら稲刈りもフォローしないとダメだと思うのですが、天気の都合で稲刈りが重なっていて見に行けて無かったのです。

やっと自分の方が終了したので、やっと見に行けました。
流石に初めてで、まだ終わって無かったから、少しだけ手伝いました。

ですが、日没で残りは明日に。

作業を終えて、空は綺麗な夕焼けに。

明日の天気予報は雨になってますが、これなら大丈夫そうで続きが出来そうです。
時間を見て、また覗きに行くつもりです!

さて、週初めの予報では、来週はずっと「曇り時々雨」でしたが、今日の夕方の予報はこんな感じ。

これなら、ハサ掛け約1週間の26日か27日に脱穀出来そうです!
それまでに「ハーベスタ(脱穀機)」を出して来てメンテしなきゃ、です。

バインダーの改造、その後

先日の記事の続きです。
頼んでいた部品が出来て来ましたので、早速組み上げて完成し、その使用具合をテストしましたので、今回はその様子を記事にしてみたいと思います。

その前に、今現在の蕎麦の様子です。

六ノ里のいつも何かとお世話になっている方の大きい方の圃場は、大雨の影響も無く順調に育っていて、

まだ少しずつですが、実が付いて来てます。

先ほどの方の、小さい方の圃場。

ここは、ニホンジカによる食害で酷い事になってましたが、
(奥の左の方が食われて無い所で、それ以外は上の方を全部食べられてました。)

鹿避け網を設置してから食べられる事も無く、何とか復活して来てます。

続いて「そば茶寮文福笠井」さん下の圃場。

ここが一番大雨と風による倒伏がひどいのですが、

それでも、こんなにいっぱい実が付いて来てます。

ただ収穫するのに倒伏で大変そうです。

最後に、ご近所のセイさんの圃場。

ここも順調に実を付けて来てます。

これらの他にも「源蔵寺棚田の再生」の圃場でも大きな実が付いて来て、この秋は六ノ里でいっぱい蕎麦が採れそうです。

と言う訳で、バインダーの改造を収穫に間に合わせないとなりません。

では、バインダー改造の続きをご紹介します。

前回の記事で設計して、発注していた部品が出来てきました!

不具合が有れば再加工などをしなくてはなりませんから、一度、仮組みして嵌め合わせ具合を確認します。
問題が無いので、黒く塗装し、塗装が乾燥した後に組み上げます。

完成した写真(横)。

完成した写真(斜め)。

車輪を大きくしたので、畝間を走らせる事が出来ます。

完成したので、今年使われていない田んぼで大きく伸びた雑草を刈って試します。

実際には畝の上2列のスジ蒔きを刈るので違いますが、この方が条件的に厳しいのでテストにはなるかと思います。

結果はこの写真の様に、背丈が高くても綺麗に刈れて結束してくれてます。
ただ、蕎麦は根張りが弱いので、実際に刈る際には引き抜かない様に、最適な速度を模索すると思います。

もう一つ、構想・設計時に懸念していた事が有ります。
それは車輪を外に出したので、刈って倒した束を車輪が踏むのです。

ですが、踏むのは結束した辺りですので、今のところ『問題無いのでは?』と思ってます。
ここは蕎麦を実際に刈ってみて、必要なら対策する予定です。

最後に、少し「お遊び」です。(機能には全く関係無いので。)

蕎麦を刈るバインダーですので、『蕎麦-バインダー』。
『SOBA-BINDER』なので略して『SO-BINDER(そばいんだー)』。
ステッカー制作して、貼り付けて完成です!

蕎麦達は10月には立派な実が付けてくれていると思います。
さてさて、上手く刈れるでしょうか?

R6源蔵寺棚田再生 第6回目

「源蔵寺棚田の再生 第6回目」を実施しました。

ここ六ノ里は、朝晩こそ涼しくなって来ましたが、日中はまだまだ暑いです。
ですので、熱中症にならない様に休憩を取りつつ、無事に作業を行なえました。

今回、町からの方が18名(内12名は第4回目に引き続き「東海学院大学」の先生と生徒さん)、「六ノ里」の方が3名、合計21名と大勢の方に参加協力いただけました。

それでは、当日の様子を紹介してまいります。

いつもの様に、六ノ里集会所に集合。
今日の作業内容を簡単に説明させていただいた後、現地に向かいました。

今回、草刈り班は草の伸び具合から「ナイロン・コード」で刈りますので、石等の飛散を考慮し、作業範囲を分けて行ってます。

草取り班の皆さんには、まず、昨年の圃場で作業していただきます。

昨年に比べ畝と畝間を狭くしましたので、蕎麦が育って畝間には入れません。
ですが、そこは前回草取りを実施したのと、その後の蕎麦の成長で影になって生えてませんので、今回は畝周辺の草取りをしていただきました。

特に、鹿避け網周辺は草刈機では絡み付いたりして網を傷めるので、手鎌で刈っていただきました。

その間、草刈り班は今年の圃場と次年度実施予定の圃場周辺を行います。

圃場と圃場の間の斜面は傾斜がキツく足場が悪いので、慎重に作業を行います。

作業開始から約1時間、ここで休憩を取ります。

ここで地元の方から、差し入れをいただけました。
まだまだ暑い時期の作業ですので、非常に助かります!

休憩後は、草取り班、草刈り班で場所を入れ替えて行います。

草取り班の方々には、今年の圃場の草取りを行なっていただきました。

昨年の圃場もですが、先日の大雨で蕎麦が倒れている所が有りますので、出来るだけ蕎麦を傷めない様に注意して行なってもらいました。

草刈り班は、昨年の圃場周辺を行い、終了後は次年度実施の圃場を行いました。

最後に、全員で集合写真を撮ります。

昨年に比べ面積が拡大していますので、大勢の参加協力で作業が捗りました。
参加協力いただいた皆様、有難うございました。

作業の終わった圃場の全景です。

荒れ果てた耕地が、立派な圃場として甦って来てます!
そして、六ノ里の気候風土がもたらす素晴らしい蕎麦が元気に育っています!!

最後に、現在の蕎麦の様子を紹介したいと思います。

今年の圃場も、

昨年実施の圃場も、どんどん花の下に実が付いてきています。
これから、それらは膨らんでいき、次回10月には立派な蕎麦に育つと思います。

その様子は「六ノ里地域づくり協議会 景観整備部」のインスタグラムで紹介されますので、今後の発育を楽しみにしてください。

以上、第6回目の実施報告でした。

次回、第7回目は10月12日(予備日13日)を予定しております。
作業内容は、蕎麦の刈り取りと島立てです。

募集案内は「六ノ里地域づくり協議会 景観整備部」のサイトで行われますので、興味を持たれた方は覗いてみてください。

是非、ご参加いただき一緒に蕎麦を育てましょう!
多くの方のご協力を、宜しくお願いいたします。

栃洞白山神社の縁日2024

毎年9月7日は私の住む「栃洞」に有る「栃洞白山神社」の「縁日」です。
今年も好天に恵まれる中、無事に開催出来ましたので記事にしてみたいと思います。

朝から地区総出で手分けして「祭礼」の準備を行います。

8月に『宮掃除』と言って縁日に向けて清掃を行なっていますが、その後日にちも経って落ち葉が落ちてますので、念入りに清掃します。

清掃が大体落ち着いたら、幟を掲げ、本殿に幕を設置します。

拝殿は綺麗に掃いてゴザを敷き、その上に祭壇を設置し胡床(こしょう)を並べます。

それから各所からいただいた御神酒を並べ、祭壇にお供え物を置き、天井にキリコ灯籠を吊るします。

準備の整った拝殿及び本殿の様子。

毎年の事ではありますが、年に1回の事なので、お供え物の配置は悩みます。
ですので、毎年撮っておいた写真が役に立ちます。

ここで一旦解散となります。

午後からは、宮司さん、来賓の方々を集会所で迎え、時間になりましたら大幣(おおぬさ)を持つ氏子総代を先頭に栃洞白山神社まで歩いて向かいます。

昨年までの宮司さんがご高齢で引退されたので、今年から新しい宮司さんに来ていただいてます。
その方からのご提案で、神社に向かう道中「神楽鈴(かぐらすず)」を鳴らす「鈴祓い」を行いましたが、荘厳な感じで気分も引き締まります。

*ここ以降の神事の写真は、私自身が氏子総代で神事に参列しているので撮れません。
ですので、今年も地元のプロ写真家の松川哲也氏に幾つか写真を提供いただいてます。

写真提供:松川哲也氏

隊列が境内に到着したら御手水で心身を清めます。
その後は拝殿の決まった位置に着座し、いよいよ神事が始まります。

写真提供:松川哲也氏

神事が始まり、宮司さんの祝詞奏上。

写真提供:松川哲也氏

それを聞く、参列の皆様。
ここ栃洞白山神社の氏子に加え、六ノ里に所縁のある多くの方に参列いただけました。

以前の宮司さんの祝詞は静かで厳かな感じで良かったのですが、、新しい宮司さんの祝詞も声の大きさに強弱があって荘厳さに加えて凛とした感じで素晴らしかったです。

神事の最後は、供えて有った御神酒を参列者に配り、宮司さんに挨拶していただきましたが、その際、多くの参列者がある事にお褒めの言葉を頂き、総代として嬉しかったです。

最後に宮司さんに音頭を取っていただき、乾杯して神事は無事に終了です。

神事の終了後は、宮司さん、来賓の方々と氏子総代、責任社員で集会所に戻ります。

集会所に行っている間に、地域の皆さんで拝殿の片付けを行い、『直会(なおらい)』の準備をしていただきました。

その直会の様子。

拝殿が人でいっぱいで、1枚に納まりきれないので、もう一枚。

この「直会」とは、神事終了後に神前に供えた御神酒や御供物を、神職をはじめ参列者の方々で戴く宴会の事です。
皆さんと無事に神事を終える事が出来た事を喜び、しばし宴を楽しみます。

さて、縁日の夜には楽しみが有ります。

直会が終わったらゴザを片付けて、キリコ灯籠に明かりを灯します。

縁日の夜には、拝殿踊りが開催されるのです。

拝殿踊りとは、写真の様に大きなキリコ灯籠を吊るした拝殿で行われ、白鳥踊りの原型とも言われてます。

踊り手は下駄履きで拝殿に上がり、踊り手の一人が歌い出して踊りが始まり、踊り手全員で囃子ことばを歌いながら踊ります。

この時、歌い手に順番は無く、その場でそれぞれが歌い手に答える形で歌い返されて進み、三味線や太鼓などの伴奏は無く、踏み鳴らす下駄の音リズムに合わせて踊られます。

なお、六ノ里には3つ神社が有り、それぞれで拝殿踊りを開催しますが、郡上市の公式サイトでは紹介されていません。

毎年、近隣の方だけでなく遠くからも来られます。

以上で今年も無事に縁日が終了しました。
この様な祭礼が地元に残っていて、大切に行われている事は大変喜ばしい事だと思います。
これからも大切にし、多くの方に来ていただき、次の世代へ受け継いで行けたらと思っています。

バインダーの改造


秋の蕎麦の刈り取りに向けて、稲用のバインダーの改造を行なってます。
今回はそれについて紹介してみたいと思います

その前に、まず、いつもの前置きから。

今現在の田んぼの様子です。

「上の田んぼ」の様子。

手前の一段低いのが「タカヤマモチ(餅米)」で、奥が「コシヒカリ(うるち米)」。
どちらも稲穂が垂れて来てます。

「東の田んぼ」の様子。

こちらも手前の一段低いのが「タカヤマモチ」で、奥が「コシヒカリ」。
どちらも稲穂が垂れて来てます。

アップにしてみますと、こんな感じ。

「タカヤマモチ」は、もう刈れそうな程で、「コシヒカリ」はもう少しかな。

この様子ですと、今年は例年より稲刈りが早くなりそうです。
今年は地域の方にアドバイスをもらって、また色々と工夫したので、例年よりももっと美味い米が採れると良いなぁ。

では、本題の「バインダーの改造」に入ります。

「六ノ里地域づくり協議会 景観整備部」で「源蔵寺棚田の再生」として行なっている蕎麦栽培。

今年の圃場は、約8aくらいで、昨年実施した圃場の約1.5倍の広さがあります。

それに加えて、

昨年実施した圃場(約5a)と、

「そば茶寮文福笠井」さん下の圃場(約2a)が有ります。

その他に、

ここはお手伝いしているご近所のセイさんの圃場(約13a)に、

ここ(約16a)と、

ここ(約2a)は、同じ六ノ里の、いつも何かとお世話になっている方の圃場。

どちらも私が昨年から『そそのかして』蕎麦栽培してもらってますので、当然、刈り取りもお手伝いする事になります。(笑)

ですが、この刈り取りが、圃場の開墾を除けば蕎麦栽培で大変な作業になります!

これが昨年の刈り取りの様子です。

ご協力いただいた町の方と一緒に、鎌で刈り取っては束に縛って、

縛った束は、写真の様に「島立て」して乾燥させ、その後『脱穀〜選別』となりますが、この『手で刈り取って束に縛る』と言う作業が、凄く大変なのです。

昨年の圃場は5a程ですが、それでも半日は掛かりました。
それが今年は、その何倍もの面積になりますので、この大変な『手作業』を『機械化出来ないか?』と思ったのです。

『刈り取って束に縛る機械』と言えば、米作りに使っているバインダー(稲刈り機)があります。

写真の様に1列ずつを刈り取って、ある程度の量になると束に縛ってくれます。

ただ蕎麦の場合、私が実施している「すじ蒔き」でも一つの畝に2列蒔いているので稲に比べれば幅があります。

そこで『バインダーで上手く刈れるのか?』と言う事になりますが、写真の赤丸の様に幅が有りますので、2列のスジ巻きなら何とか刈れるのではないか、と思いました。

考えるのも大切ですが『まずは実際に試してみなくては』と。
早速、今年使って無い雑草の生えた圃場を借りて試してみました。(写真は有りません)

その結果、背の低い雑草が多いと、それが詰まって上手く排出できない事はありましたが、それが無ければ何とかなりそうです!!

実は今年の種蒔きの際に、バインダーの使用を少し考えていたので、すじ蒔きの2列の幅を狭目にしていたのです。

ただし、植っている幅よりも、もっと大きな問題が有ります。

稲と違って水を嫌う蕎麦を上手く育てる為に、写真の様に畝を立てて、その上で育ててますが、この畝が問題なのです。

では『何が問題なのか?』を説明していきます。

畝の上をバインダーを走らせて刈り取る状態を図化してみました。

この図ですと何も問題無く刈り取り出来そうですが、実際にはそうはならないのです。

と言うのは、

畝立て専用機で台形の畝を立ててますが、風雨によって上の角の部分は徐々に崩れて丸くなっていきます。
また種蒔きの際、種蒔き機を使っても畝の中心に揃えて蒔く事は容易では無く、片側に寄って蒔かれてます。

では、この状態でバインダーを畝の上を走らせて刈るとどうなるか?

畝の中心からズレている蕎麦を刈ろうと進行方向を横にずらすと、タイヤが畝の端を崩して、バインダーが畝から落ちてしまいます!!

となると、バインダーは使えないのか?

いえいえ、車輪が畝の上に有るから落ちる訳で、畝の両サイドに車輪が有れば落ちないですよね?

つまり、絵にしてみると、こんな感じ。

オリジナルの車軸を延長してトレッドを拡大し、大きな車輪を付ければ良いのです!

と言う事で、実際の作業を紹介していきます。

これが実際に改造するバインダーで、我が家で稲刈りに使う物とは別の機体です。

この機体は、今年米作りを辞められた方から、この春に譲っていただいた物で、その時点では蕎麦に使うつもりは全く無く、『持っていれば使う方も出て来るかも』くらいの気持ちでしたから、どこでどう転がるか分かりません。(笑)

まず写真の様に、畝高さを想定した台を木で作って刈り取り部をそれに載せ、車体後部はジャッキで持ち上げて機体を水平にします。

次に車輪部分がどの様に固定されているか、刈り取り刃はどの位置に有るか等をしっかり観察(これが凄く大切です!)し、取付方法などのアイディアを考えつつ、それに必要な車体各部の寸法を計ります。

測ったデータを元に、各部の位置関係を図面化したのがこの図です。

『車輪は何を使うか?』ですが、「乗用田植え機」の物が大きさ的に良さそうです。
元々バルーンタイヤとは言えノーマルタイヤは直径360mmなので、トラクター用の太いタイヤだと重過ぎて走らせられないかと思ったのです。

そこで近隣の農機屋さん、解体屋さんを回りましたが、物がありません。
ですので、ネットオークションを探してみました。

図面的には27.5インチの物が最適なのですが、そこでも程度の良い物が有りません。
売りに出ている程度の良い物のサイズで図面上で検討した結果、27インチの物を使用する事にしました。

なお、この図面には前輪を想定してφ310mmの車輪が描かれてますが、今のところは付けないつもりです。

ネットオークションで手に入れた車輪のアップです。

中古品ですが程度の良い物で、ゴム部分の劣化や摩耗が少ないです。

手に入れた車輪をバインダーの横に置いてみました。

束に縛る「ジュート紐」が入る部分(車輪上の円筒形の所)に車輪が重なってますが、トレッドを広げて装着しますので、横方向にスペースが出来て「ジュート紐」のケースへの出し入れは問題有りません。

車輪中央に駆動軸への固定部が有りますので、ここの各寸法を計ります。

新しく作る車軸は、ここに嵌まり込むので、内径や外形の寸法、固定ネジの位置などを計るのです。

そのデータを元にして、作る部品を図面化していきます。

図中の下がノーマルで、上が改造後の物です。
改造後の図中の赤い部分が手に入れた車輪の固定部で、車軸延長部品(青い部分)と赤い部分に嵌る新車軸を製作します。

新しいトレッドの幅は、立ててある畝の幅を実測して100c mとしてますが、元の車軸の取り付け穴が25mm内側に入った所にも有るので95c mに縮める事も出来ます。

上の図を元に、3D(3次元)データ化します。

実際に加工してもらうには紙の図面で良いので、2D(2次元)データのままでも良いのですが、その3面図を書くにも3Dデータがある方が簡単です。

また『各部が干渉して無いか?』や『強度的に大丈夫か?』など、色々と検証する上でも便利なので3Dデータにしています。

現在、地元の方に教えていただいた地元の加工屋さんで制作中。
畝立て専用機の時もそうでしたが、出来上がって来るのが楽しみです!

出来上がったら組み上げて、早速テストしてみたいと思ってます。
はてさて、上手く刈れるかな?(笑)