R7源蔵寺棚田再生 第7回目

「源蔵寺棚田の再生 第7回目」を実施しました。

11日(土)が雨で作業になりませんので、予備日の12(日)の実施です。
今年は冬の大雪から始まって、天候に翻弄される年の様です。

ここ六ノ里は、朝晩、肌寒い日も有りますが、今年は日中は汗の出る日も有ります。
夏では無いからと油断せず、休憩を取りながら行いました。

今回の参加者は、町からの一般のご協力者の方が5名、六ノ里のご協力者の方が2名、合計7名の方に協力いただけました。(*前日、町の方が1名)
参加いただいた皆様、誠に有り難うございました。

当日の様子をご紹介する前に、今回刈取りをする圃場の様子をお伝えします。

蕎麦の刈取りは手刈りの場合、黒化率(蕎麦の実が黒くなった比率)が60%が良いそうで、今の黒化率は写真の様に具合の良い箇所もあります。

というのは、同じ圃場の中でも黒化率が大きくバラついていて、60%ほどの所もあれば、まだ花盛りで実が緑の所もあるのです。

葉や茎の具合を見ても、少し早いですが、『ハサ立て乾燥*』しますので刈れる部分だけ刈ります。*『ハサ立て乾燥』については、後ほど説明します。

なお、雨で順延した11日に改造したバインダーを使って刈ってみましたが、昨年よりは倒伏が少ないとはいっても、上部が隣の畝と絡んでいるとバインダーが移動すると引き上げられてしまい結束が出来ず使えませんでした。

よって、今年も頑張って手刈りで行います。

それでは、ここから当日の様子を紹介してまいります。

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いつもの様に、六ノ里集会所に集合です。

今回は予備日に順延となった為、皆様ご都合がつかず少人数となりました。
ですが、今回も常連の頼りになる方々ですので、安心して行えます!

今日の作業内容について簡単に説明を行い、その後、現地に向かいます。

現地に着いて用意し、早速刈り取り・・・といきたいところですが、昨日から夜半にかけての雨と朝方の夜露で濡れているので、刈取りには不都合です。

そこで作業の前に「今回のお楽しみパート1」から。*「今回のお楽しみ」は今回が初ですが。

「今回のお楽しみパート1」は、天然のアケビ採りです。

圃場整備の一環で、参加者の方に周辺の草刈りをお願いしていますが、草刈りを行なった結果、周辺環境が良くなって日当たりが良くなり、この様に密生して実が付く様になったのではないかと考えてます。

高枝切りハサミを用意して来ましたので、参加者の皆さんにお土産用に存分に採取していただきました!

そうこうしている間に日差しも届いて、少し乾いてきましたので本日の作業に入ります。

女性陣の皆様には、鎌で蕎麦の刈取りをお願いしました。

昨年は1畝2列で蒔いて大きく育ち過ぎ、全て倒伏し絡んで刈取りが大変でした。

今年は育ち過ぎと倒伏を防ぐべく、1畝に1列で蒔きました。
結果、倒伏している箇所は有りますが、私も刈って見ましたが絡みが緩く、昨年よりは刈りやすかったです。

ただし、バインダーと違って束に縛らないとならないので非常に手間ですが、皆さん頑張ってくださいました。

男性陣は『ハサ立て乾燥』用のハサを立てていただきました。

7月の種蒔きの際に鹿除け網の支柱を作りましたが、その際に出た支柱にならない太い部分をハサの横木とし、足の部分もその際に作った物に加え、足らない分は新たに竹を切って作りました。

さて、この『ハサ立て乾燥』ですが、横木を膝くらいの高さになる様にハサを立てて、そこに刈った蕎麦の束を「立て掛けて」乾燥させます。

昨年、大きく成長して倒伏した物は茎が柔らかくクタクタで『島立て』しようとしても自立が難しく、結果、蕎麦の束の上部を固く縛る事となりました。

こうすると自立はしますが、実が付いた部分を縛りつける事になるので、雨が降ると侵入した水分がいつまでも乾かず、気温が高い日には大事な蕎麦の実が蒸されて品質の劣化となりました。

そこで何か良い方法が無いかと考えた結果がこの方法で、これなら茎が柔らかくても立てれますし、実の付いた部分には隙間が有るので乾燥しやすいという訳です。

なお、『ハサ掛け』としなかった理由は、実の付いた部分がぶら下がる事になるので、乾燥が進むと風で揺さぶられ実が落ちてしまうのでは、と思ったからです。
(長野の方で『ハサ掛け』されている農家さんは、庭の数段のハサに掛けて、その下にブルーシートを敷かれてました。)

予定分が終わり、時間になりましたので、本日は終了です。
いつもの様に、参加者の皆さんと記念撮影をしました。

なお、写真左の部分はまだ黒化率が低く刈れなません。
ここは後日となります。

さて皆さんに頑張っていただいた後は「今回のお楽しみパート2」です。

一昨年の圃場に移動していただき、皆さんで畑をガサガサと・・・。

はい、「今回のお楽しみパート2」はサツマイモの収穫です。

何ヶ所か場所を示して掘っていただくのですが、いっぱい芋が付いたアタリの所も有れば、ハズレもあります。

アタリだと、こんな感じに1株に大きなサツマイモが何個も。

皆さん自らが掘ったサツマイモを手に満足そうな表情で、喜んでいただけた様です。

以上、第7回目の実施報告でした。

さて次回、第8回目は、10月25日(予備日26日)に、今回刈り取った蕎麦の脱穀を行ないます。

募集案内は「六ノ里地域づくり協議会 景観整備部」のサイト同インスタグラムに掲載されますので、興味を持たれた方は覗いてみてください。

皆さんと一緒に、美味しい蕎麦を目指しましょう!

脱穀しました!2025

本日、脱穀しましたので、今年もその様子を紹介したいと思います。

先日の記事で稲刈り、ハサ掛けの様子を紹介しましたが、あれから約2週間。
本当は先週末に脱穀したかったのですが、天候不順でやれず。

例年なら天気の良い日を選んで脱穀となるのですが、今年は9月中から本業の出稼ぎ中で、平日は仕事で土日限定となりますが、明日の土曜日は雨みたいですので急遽休みを取って行いました。

まずは東の田んぼの様子。
今週は割と天気が良かったので、良い具合に乾いてます。

上の田んぼも、良い具合です。

まぁ、多少難が有っても、この日しか出来ないのですが・・・。

さて、先日、整備したハーベスタ(これも記事にしました)を倉庫から持って来て、

タカヤマモチ(餅米)から脱穀します。

毎年書いてますが、先にタカヤマモチを脱穀する理由は、脱穀するとハーベスタの内部に多少米が残るので、混ざるならコシヒカリに混ざった方が良いからです。

スタート地点でハーベスタの畳んである部品を展開、付属部品を取り付けて準備完了。
早速、脱穀していきます!

約20分で、タカヤマモチの脱穀終了。

今年は上の田んぼのタカヤマモチを、この田んぼにひとまとめにしていたので、一気に餅米は片付きました。
*先日の稲刈り、ハサ掛けの際に、ハサが足らなかったのは、これかもしれない。

続いてコシヒカリの脱穀を行いました。

10時40分に始めて11時15分、約30分で東の田んぼの脱穀は終了です。

この後、ハーベスタを移動させて上の田んぼの脱穀をしましたが、毎年、同じ内容なので、今年は省略。(笑)
こちらは約30分ほどだったので、トータル1時間半で全ての脱穀が終わりました。

あとは後片付けですが、ハサ木は稲束が掛かっていた所が多少は湿っているかもしれませんので、この先長く使える様に数日乾かしてから仕舞います。

稲藁は畑仕事で使うので、数束を一つに縛って倉庫にしまいますが、毎年入りきらないので、入らない分はご近所の方々に貰っていただきます。

我が家では毎年大量に出ますが、最近はコンバインで稲刈りするので稲藁は希少だそうで、喜んで受け取っていただけます。

稲藁の片付けをしてもらっている間に、ハーベスタの清掃です。

中に籾が残っているとネズミが巣食うので、丁寧に取り除きます。
また来年の脱穀の際、新米に去年の米が混ざるのも嫌ですからね。

今年の整備の際に『揺動板』の横のシール材を補修したおかげで、ハーベスタ下に溜まる籾の量は格段に減りましたので、苦労した甲斐が有りました!!

さて、今年の収量ですが、

東の田んぼは、コシヒカリが6袋と1/3。タカヤマモチが3袋。

上の田んぼが、コシヒカリ8袋。

まとめると、この様になり、過去最高の収量となりました。

他の農家さんの状況を聞きましたが、ここ六ノ里ではどこも収量が多かったそうです。
そして、食味値も例年以上に良かったそうです。

我が家も色々と肥料を工夫した結果、今年はコシヒカリの『ひこ生え』がほぼ無く、タカヤマモチも例年より少ないです。
*『ひこ生え』が多いのは、肥料が余っていると考えて良いそうです。

これは余分な肥料が無く、稲穂に米が形成される頃の肥料が適量だったと思えます。

となると、今年は食味値も過去最高となる!
まぁ、これは分かりませんけどね。(笑)

現在、籾摺り屋さんに出してますので、来週の中頃には今年の新米が出来上がります。
仕事を頑張りながら、楽しみにしています。

稲刈りです!2025

朝晩はめっきり涼しくなった六ノ里。
今年も稲刈りの時期になりました。

昨年と同じく今年も猛暑で稲の実りが早く、昨年並みに早く刈りたかったのですが、雨の日が続いて、なかなか田んぼが乾きません。
結局、去年よりも1週間遅い実施となりました。

今回は、この稲刈りからハサ掛けの様子を紹介してみたいと思います。

が、本題に入る前に、いつもの前置きを少しだけ。
今回は今の蕎麦の圃場の様子を紹介します。

「源蔵寺棚田の再生」今年の圃場です。

先日の大雨で、残念ながら今年も倒伏してしまいました。

昨年は倒れたままにしていましたが、今年は倒伏してすぐ、支柱と麻紐で越しました。
(雨が降ってきて、全ては無理でしたが、2/3は戻せたかと)

去年の圃場、中段は今年の圃場より10日ほど種蒔きを遅らせたのが良かったのか、ほぼ倒伏無しで育ってます。

どちらの圃場も、10月に入れば黒化率(蕎麦の実が黒くなる比率)が上がって、刈取りの時期になります。
このままでいけば、昨年蕎麦用に改造したバインダー「SO-Binder」で刈れそうです。

さて、前置きはここまで。本題に入ります。

先日の「バインダーの整備」の記事の最後にも書きましたが、稲刈りを予定していた9月20日では、それまでに雨が降って田んぼが乾かず出来ませんでした。

数日好天が続いて、昨日、やっと稲刈り出来た次第です。

今の六ノ里の棚田の風景です。

本来この時期なら、写真の辺りは稲刈りが終わっているはずですが、今年はまだです。
どうも田んぼが乾かず、コンバインがぬかるみで立ち往生の可能性が高く出来て無いそうです。(専業農家さんの話では、立ち往生があったそうです。)

我が家はコンバインに比べ軽量なバインダーですし、しかも「ゼロプレッシャー・タイヤ」なので、なんとか稲刈り出来そうです。(「ゼロプレッシャー・タイヤについては、こちらを参照ください。)

我が家の東の田んぼの様子。

コシヒカリもタカヤマモチも、黄金色の稲穂が垂れてます。

心配していた田んぼの乾き具合は、北西の角のいつも乾きにくい所は多少ぬかるみますが、長靴が潜らないので、まぁなんとかなりそう。

上の田んぼの具合は南西角が柔らかいですが、こちらも長靴で歩けない程でも無い。

どちらの田んぼも刈り時なので、稲刈りやります!!

なお、今年初めて、我が家の田んぼでも倒伏が発生しました。

多少倒れかかったぐらいなら刈った事がありますが、ここまでの状態は無いので、正直手こずりそうです。

まずは東の田んぼから。
水口に近い所に植えてある「タカヤマモチ(餅米)」を刈りました。

所要時間は10時頃から始めて終了が10時20分、約20分程で終了。

続いて「コシヒカリ」を刈りました。
10時半から始めて11時過ぎ、多少手こずりましたが30分程で完了。

土が柔らかい場所では「ゼロプレッシャー・タイヤ」でもタイヤが空転しました。
なので稲列にバインダーの先を合わせるのに苦労しました。

またこちらの田んぼでも一部軽い倒伏が有って、そこでは稲列がどこにあるのか見えなくて・・・バインダーで踏み倒しかけてはバックしてと大変でした。

続いて、上の田んぼの「タカヤマモチ」を刈りました。

この所要時間は約20分程。
ここら辺りは良く乾いていたので、別段問題も無く刈れました。

続いて「コシヒカリ」を刈りましたが、先に載せた倒伏部で悪戦苦闘しました。

タイヤで踏み潰して泥が付いたのは、そのままハサに掛けておけば落ちるので良いのですが、稲列が分からずバックしたら隣の列の稲穂をバインダーの送り部分に巻き込んでしまい、少し無駄にしてしまいました。

ここは11時40分から始めて、終わったのが1時前なので、コシヒカリだけで1時間も掛かりました。
昨年はタカヤマモチ、コシヒカリ両方で1時間ほどなので、悪戦苦闘ぶりを分かっていただけると思います。

刈取りが終わったので、先にコンバインを洗って乾かしておきます。
ハサ掛けしている間に、乾いてくれますので。

私流の掃除方法は、まず、刈取り部に溜まった藁クズをエアブローで落とします。
そのまま洗い流すと、濡れた藁くずがいろんな所に引っ掛かって取るのが面倒です。

次に高圧洗浄機で洗うのですが、田んぼが柔らかいのでタイヤの溝の部分には土がいっぱい付いてます。
これを洗い流すのはもったいないので、先に丁寧に手で集めて田んぼに戻して、それから洗います。

洗車(?)が終わると、時刻は13時。
お昼はとっくに過ぎてますが、ここで昼食とします。(栃洞産の米のおにぎり)

簡単な昼食を採ってから、ハサ掛けに入ります。

ここで『凄腕の助っ人』登場!
我が家が米作りを始めた最初の年、稲刈りやハサ掛けを教えてくださった方です。

通り掛かって稲刈りをしているのを見て、手伝いに来てくださいました。

1時間ほどで上の田んぼのハサ掛け終了。

『凄腕助っ人』のお陰で、予定していたより30分は早く出来ました!
本当にありがたい。感謝、感謝です!!

続いて、東の田んぼのハサ掛けです。

写真にある様に、ハサ木を持っていって並べてます。
我が家では『上、西1』の様なナンバーをハサ木に書いてありますので、その通りに田んぼに持って行ってハサを立てれば良いのです。

ハサを組んで、順調にコシヒカリから掛けていきましたが、ここで問題発生!

両方の田んぼにタカヤマモチを植えてますが、脱穀はコシヒカリと混ざらない様にタカヤマモチだけまとめて先に脱穀を行います。
なので、東の田んぼに運んで一緒にハサ掛けするのですが、今年は掛ける場所が足らない!!

先日もお隣のお父さんから『今年は良く出来てるなぁ。』と言ってくださってましたが、ハサが足らなくなるとは。
ただし、稲束が太いだけで、収量は変わらないかもしれませんが・・・。

結局、ハサを一部延長したり、コシヒカリを上の田んぼのハサに持って行って掛け直したりして、終わったのは写真も撮れないくらい暗くなってました。(この写真は途中の物)

明けて翌日、今朝の東の田んぼの様子。

昨夜は日没で掛けられなかった雨避けのブルーシートを、東、上ともに掛けました。
この雨避けは、天気の良い日には根元も乾燥させるべく、くるくると巻いて端に縛っておきます。

以上、今年の稲刈りの記事でした。

今年は、天気と田んぼの乾き具合に、本当にヤキモキしました。
1週間ほど遅れはしましたが、無事に稲刈りを終える事ができました。

この後は、約2週間ほどハサ掛けの後、脱穀する予定です。
さてさて今年の収量は、どれくらいあるのでしょうか?
楽しみです!

バインダーの整備

前回の記事はハーベスタの整備を紹介しました。
今回は稲刈りに使用するバインダーの整備を記事にしてみたいと思います。

その前に、いつもの前置きを少し。

毎年9月7日は栃洞白山神社の例大祭です。

朝から地域総出で、境内や本殿、拝殿の掃除を行い祭礼の準備を行います。

掃除が終わるとキリコ灯籠を吊るした後、拝殿にゴザを敷き、祭壇を設置してお供物を飾ります。

神事の際に座る床几を並べて、準備は終了。
午後から神事を執り行ないます。

神事とその後の直会の様子は、去年も紹介しましたので省略。
もし詳しくお知りになりたい方がおられましたら、去年の記事をご覧ください。

と言いますか、神事には出席してますので写真を撮れませんし、直会は何かホッと気が抜けたのか撮ってません。(笑)

そして祭礼の夜には拝殿踊りが開催されます。(詳細は去年の記事を参照ください。)

先日の平谷白山神社の拝殿踊りもでしたが、今年は多くの方が来られて、拝殿に上がれない人が出るくらいでした!

拝殿踊りには、近隣の方だけでなく、遠方からも来られますが、今年、一番遠方から来られた方は、なんとイタリアから。

どういう縁で来られたかは、私、外国語が苦手なのでよく分かりません。
しかし、拝殿踊りも拝殿に上がって踊りの輪に加わって踊っておられました。
そして、拝殿踊りの後の恒例の栃洞屋での宴会にも参加いただき、本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。

日本とイタリア、全く文化の違う人同士でも、ここの祭りには通じ合える様な空気感が有るのかもしれません。

さて、それでは本題に入ります。
まずは今の田んぼの様子から。

我が家の東の田んぼも、こんな感じに。

上の田んぼも順調に育ってます。

餅米のタカヤマモチも、

コシヒカリも、稲穂が垂れてます。

こうなれば、そろそろ稲刈りの時期となります。

稲穂が実るのにはたっぷりの水が必要ですが、もう十分実ったので必要ありません。
稲刈りに向けて、水口を切って田んぼの水を抜きます。

水が溜まっていると刈った稲束が濡れてしまって良くないですし、あまりにぬかるんでいると、これも良く無いので、稲刈りの日を決めたら早めに抜きます。

上の田んぼも、水口を切って水を抜きます。

水を落としたので、あとは稲刈りまでに乾いて良い具合になるのを待つだけです。

そして、稲刈りの日を決めたら、それまでにバインダーの整備を行います。
『さぁ刈るぞ!』となって、不具合が出たら何ともならないですからね。

今年もお隣にお借りした、クボタのバインダー RB30です。

昨年の稲刈り後に必要箇所への給油は行ってますが、各部のオイルはそのままにしてますので、今回の整備のメインはオイル交換になります。

作業後にオイル交換していない理由は、稼働して熱が入るとオイルは酸化しますし、1年置いておくと気温差で内部が結露してオイルに水分が混ざる可能性もあります。

これらはオイル品質の劣化の原因なので、使う前に換えてあげたいのです。

なお今回、ミッションケース、チェーンケース、結束ケースのオイルも交換しますが、これらは交換の推奨時期が取扱い説明書に記載されてますので、それに満たなければ毎年行う必要は無いです。

では、オイル交換の作業に入ります。

まずはミッションケースのオイルから。
作業を行うのにカバーが邪魔なので外します。

ミッションケースの給油口と排出口は写真の通り。

カバーを外す理由は、給油口周りに付いたオイルを拭き取り難いからです。
油分が残っていると滲み出たものか分かり難いですし、汚れも付着しやすくなります。

次に、排出口の下に「廃油処理箱」をセットします。

オイル交換と言えば、昔は廃油トレイに抜いて、抜いた廃油は大きめの缶に入れておいて、ある程度溜まったらガソリンスタンドで処分してもらう、これが普通でした。

これなら、そのまま古いオイルを抜いて、燃えるゴミ(自治体の規定による)に出せますから、廃油を缶に移す際に『こぼして床の掃除が大変!』なんて事もありません。

次にオイルを抜く為に、排出口のボルトを外します。

ただし、この時、まだ給油口は外しません。
と言うのは、給油口を外してから排出口を外すと、一気にオイルが出るからです。

給油口を閉じたまま排出口のボルトを抜けば、中がある程度負圧になるので一気に出ないので、排出口のボルトを持った手にオイルが掛かる事も少なく、慌てずに作業が出来ます。

排出口のボルトを外したら、給油口を開けて古いオイルを全部排出させます。

オイルが入っている箇所は、このミッションケースもですが、完全密閉では無いので、そのままでもオイルは出てきますが、抜け出てくる速度が違うので給油口を開けた方が作業性が良いです。

古いオイルの具合を目視と手触り、後、匂いを確認します。

長年使って、その間交換はしてないと聞いてましたが、ほとんど汚れは無さそうです。

目視の理由は、金属粉が多かったら中が摩耗していたり、金属片が有れば内部の破損が考えられますし、白濁(乳化)していたら、どこからか水が入り込んだ可能性が分かるからです。

指で触る理由は、オイルは劣化が進むと粘度が落ちるので、新品のギアオイルと触り比べれば劣化の度合いが分かるのです。
今回は新品のオイルと同等の粘りもありますが、酸化した匂いがしますので、まぁ交換して妥当かと。

古いオイルが出てしまうのを待つ間に、排出口のボルトと給油口をパーツクリーナーで洗浄しておきます。
特に排出口のボルトとワッシャの間に小さなゴミが入っているとオイル漏れの原因になりますので、そこは丁寧にやります。

古いオイルが出て来なくなったらウエスで拭いて、排出口のボルトをねじ山の半分くらい手でねじ込んで、パーツクリーナーで洗浄します。
これは排出口のボルトのワッシャとミッションケースの間にもゴミを入れない為です。

排出口を適度な力で締め付けたら、次はギアオイルを入れます。

使うオイルは、これです。(今はパッケージが変わったみたいです。)

ホームセンター「コメリ」のオリジナル商品で、4Lで¥4,500円。

オイルを選ぶ際に重要なのは『規格が同等以上か』です。
このオイルはSAE90のGL-5で純正オイルと規格が同じなので、これで問題無いです。

新しいオイルを入れたら、給油口を閉めて、排出口、給油口共に、今一度パーツクリーナーで洗浄しておきます。
こうしておけば、万が一オイルが滲んで来てもすぐに分かるからです。

ちなみに、整備をする際に必要な情報、例えばオイルの量だとか、排出口、給油口の位置などは取扱い説明書に記載されてますので、それを見ながら作業を行ないます。

ただ、それぞれの作業に必要なページは限られるので、私は写真の様に、必要な箇所だけを印刷してラミネートしてます。
こうしておけばオイルで汚れた手で触っても大丈夫ですし、保管しておく際も傷んだりしませんから便利です。

なお、取扱い説明書が無い場合は、メーカーのサイトでPDFデータが手に入る事があります。
またメーカーサイトに同じ型番の物が無い場合は、問い合わせると参考に出来る機種を教えてもらえます。

ミッションオイルの次は、チェーンケースのオイルを交換します。

チェーンケースの給油口と排出口はタイヤの奥に有るので、写真の様にジャッキで持ち上げてタイヤを外します。

その際、先端部のデバイダーを痛めない様に、写真の様に木材などを入れて浮かしておきます。

タイヤを浮かせたら、ベータピンを抜いてタイヤを外します。

これがチェーンケースの排出口です。

オイルを抜くにあたっては、まず排出口の下に「廃油処理箱」をセットします。
ここはタイヤの裏側で使用後の洗浄でも泥を洗い流せて無いので、外す前に丁寧に汚れを取り除きます。

綺麗になったら排出口のボルトを外します。
使う工具はこの機体では22mmのボックスレンチです。

オイルが流れ出したら、給油口のボルトを外します。

こちらも排出口同様、泥で汚れてますので、外す前に綺麗にしておきます。

オイルが排出される間に、排出口、給油口ともにボルトを洗浄しておきます。

古いオイルが排出されたら排出口のボルトを締め付けます。
締め付ける際に半分ほどねじ込んでパーツクリーナーで洗浄します。

排出口を締め付けたら、次はオイルを入れるのですが、給油口が小さくてオイルジョッキのノズルの先が入りません。

こんな時は穴に無理矢理押し込める太さのホースが有れば、それをノズルの先に付けて入れれば良いのですが、そんな都合の良いホースが手元に有りませんでした。

そんな時はジョウゴを作ります。
ボール紙でも良いのですが、少し勿体無いけど、私は耐水ペーパーを使います。

これだとオイルが浸み込みにくくて、オイルに濡れてコシが弱くなり難いのです。
*コシが弱くなると形状が壊れて、溢れる場合があります。

新しいオイルを入れたら給油口のボルトを取り付けて、排出口と共に、今一度パーツクリーナーで洗浄しておきます。

最後にタイヤを取り付けて、ここは終了です。

チェーンケースの次は、結束ケースのオイル交換です。

結束ケースは地面スレスレに位置するので、そのままでは排出口の下に「廃油処理箱」をセット出来ません。

なので、先端部の下に「廃油処理箱」以上の高さのスペーサー(写真では杭の束)を入れてから、「廃油処理箱」が入るまで機体後部をジャッキで持ち上げます。

「廃油処理箱」をセットしたら、排出口の下がフランジ状になっていて廃油が溜まるので写真の様に養生します。

これ以降の工程は、ミッションケース、チェーンケースと同じなので省略します。

続いてはエンジンオイルの交換。

これは毎年行った方がベストですが、年に一度の使用なので、オイルの量と劣化具合を確認して必要があればで良いかもしれません。

手前の白いガードが外せると良いのですが、エンジンマウントなので外せません。
養生出来る隙間も無いので、このまま「廃油処理箱」をセットして交換します。

オイル交換の工程は、ここも同じなので省略です。

ただ他と比べて廃油が機体を流れるので、交換後のパーツクリーナーでの洗浄は念入りに行います。

以上で、オイル交換は全て終了。

あとはジュート紐(稲を縛る紐)をセットして結束機の動作確認をして、刈り刃の動きを確認して作業前整備は完了です。

と、バインダーの準備は万端ですが・・・

来週末に稲刈りを予定してますが、天気が悪そうです。

果たして、予定通りに稲刈りできるのでしょうか?・・・・

ハーベスタの整備

我が家の米づくりには欠かせないハーベスタ。
脱穀に向けての整備を行いましたので、記事にしてみたいと思います。

例年なら脱穀の前の空いた時間で整備を行うのですが、今年はその時期は本業で時間が取れそうにありません。

今はまだ、稲穂が垂れ終わったくらいで、稲刈りは9月の半ばくらいですから、かなり早い時期の整備ですが、蕎麦が一段落した今、時間のあるうちにやっておこうと言う訳です。

ところで、ハーベスタってご存知ですか?
ネットで検索すると林業で使う機械が出て来ますが、米作りに使う『ハサ掛けした稲束を脱穀する機械』の名称でもあります。

我が家のハーベスタは「フジイ MK- 100」。

製造は「藤井農機製造株式会社」、現在の「フジイコーポレーション株式会社」です。
なお、各部が全く同じ形状の「大島 MK100」が仲間の所に有りますが、これのOEMではないかと。

どちらにせよ昭和の古い機械ですが、ちゃんとメンテナンスしてあげれば、電子部品が無い分、長く使えます!

では、なぜネット検索で出て来ないのでしょう。

それは、現代の稲作はコンバインで刈取りから脱穀まで一気に行うのが主流で、写真の様にハサ掛けしません。

ハサ掛けしませんから、当然ハーベスタは使われない訳です。
つまり、過去の米づくりに使う機械だからです。

しかし、我が家ではハサ掛けを行います。

理由はハサ掛けすると茎の養分が籾に落ちるのと、天日に干す事とで旨味が増すと言われているからです。
なので『せっかく米作りするなら、少しでも美味しい方が良いかな』ぐらいの感覚ですが、昔の方法をやってます。

そんな米作り、私は『昭和の米作り』と勝手に言ってますが、それにはハーベスタが必需品なのです。

ちょっと脱線しましたが、ここから整備の話です。(笑)

いきなり、各部を外した点検中のハーベスタの写真です。

まずは各部の動作確認をして、昨年使用時に気になった所の修理を行います。

昨年気になったのはエンジンのハンチング。

ハンチングとは回転が高くなったり低くなったりを繰り返す現象で、だいたいキャブレターのエア通路が詰まり掛けている場合が多いです。

*なお、「ガバナー」(負荷が掛かるとエンジン回転数を補正するという機構)の不具合で、反応がシビアになってハンチングに似た症状を起こす場合もあるようです。

それと、エンジンの回転を上げてみると『米』を脱穀する回転は良いのですが、それより高回転の『麦」の回転まで上がりません。

まぁ、麦は作って無いのでこのままでも良いのですが、何かが異常で起きているので、もっと悪くなって『米』を脱穀する事が出来なくなるとマズいです。

この現象は、多分、メインジェットが詰まりかけているか、燃料の供給に問題が有るか、と考えられます。(*点火系の可能性も有りますが・・・)
なので、まずはキャブレターを分解清掃しました。

結果はハンチングは直りましたが、高回転の不具合は多少良くはなっても、完全には解消出来ませんでした。

となると燃料供給系が考えられますので、燃料パイプ、燃料コックを点検しましたが異常が無いので、点火系かもしれません。

キャブレターに問題が無いので、点火系を点検します。

上に書いた様に、高回転(と言っても2,500rpmくらい)で回らないなら、その時点でプラグに正常な火花が飛んで無いのかもしれません。

正常な火花が飛ばない理由は、プラグの劣化か、極稀ですが点火コイルの劣化が考えられます。
なので、まずはプラグを外して目視でチェックしてみると、そこそこ電極に摩耗が見られたので交換しました。

それから、点火コイルも専用工具で火花の強さを確認しましたが、これは大丈夫でした。

この時点で回転は上がる様になりましたし、ハンチングも収まったのでオイル交換してエンジン系は整備終了。

例年なら脱穀前の整備は、これで終わりです。
が、今回は時間に余裕が有るので、過去に対処出来なかった対策をやります!

毎年脱穀時に気になるのが、ハーベスタの最下部にトレー状の部分が有るのですが、ここに籾がいっぱい溜まります。

色々な部分の隙間を確認して、漏れ出そうな箇所をシール材やテープで塞ぐのですが、それでも溜まります。

で、ハーベスタの構造を調べてみると、どうも写真の『揺動板』に問題が有りそうです。

脱穀・風選の仕組みは、『揺動板』の上に位置する脱穀ドラムで稲束を脱穀すると、籾と小さいゴミが『揺動板』に落ちて、文字通り揺すられる事で籾と小さなゴミが写真の手前側に送られます。

籾と小さなゴミが手前の網の所まで来たら、網の目から下に落ちる際に風選され、籾だけが下に見えている搬送スクリューの所に落ちるのです。

ですから全ての籾と小さいゴミが『揺動板』に乗る様に、『揺動板』とボディの隙間はシール材で埋まっているそうです。
が、我が家のは赤い矢印の所が片側8mmくらい開いています。
実際、その隙間に手を突っ込んでみると、糊の跡らしき物に触れます。

*写真は作業中は長年溜まった埃や油で手が汚れて撮れないので対策後の物です。(白いのが取り付けたシール材)

どうやら、この隙間から落ちた籾が、この下に有る風を起こす部屋を経由して、最下部にトレー状の部分に溜まるみたいです。

実は、『揺動板』の横の隙間が悪いのは、昨年の脱穀後に調べて分かってました。

ですが、この『揺動板』を外す方法が農機具屋に相談しても分からず、シール材を取り付ける対処が出来て無かったのです。

今回、時間が有るので『どこをどうすれば外せるか?』と各部をじっくり観察しました。
写真の車両前方から『揺動板』の下側がリンクに固定されてるのが見えるので、その固定を外せば前方に引き抜けそうでしたが、やってみてもてダメでした。

で、他の部分も丹念に観察して『まぁダメかぁ。』と半分諦め掛けている時に、

写真白丸のM-33のVベルトが劣化しているのを見つけました。

『揺動板を外すのはもっと情報を集めてからにするか』と諦め、Vベルトの交換方法を検討。

Vベルトが掛かっている下側プーリーは、手前の別のVベルト(LB-74)を外せば取れそうです。
では上側プーリーの方は・・・カバーが掛かっていて、それを外さないと変えれない様です。

なので、そのカバーを外してみると『揺動板』を動かす構造が出て来ました!
*これも先に書いた理由で、組み上げた後の物です。(白いのが取り付けたシール材)

この構造を観察すると、プーリーから繋がるシャフトの中央、『動かす構造』と書いた注釈の引き出し線の先の所が『揺動板』に繋がっている様です。

先に書いた様に『揺動板』の下側のリンク固定を外せば、前側はフリーになりますから、ここを切り離せば『揺動板』は取れそうです!!!

構造が分かったので、外せる物は全部外して・・・と。

昔から分解するのは大好きで、子供の頃は家のカメラを分解して戻せなくて親父にこっ酷く怒られましたが、今では『良く観察して、構造を理解する事』を学んだので、分解しても大丈夫です。(笑)

『誰かが組んだのだから、組めるって』と気楽にバラします。

『揺動板』を動かす構造を取り除くと、簡単に引き出せました!

実は『揺動板』の下側のリンクで『揺動板』を駆動していると思い込んでいましたので、車両後方に駆動構造が有るとは全く思ってもみませんでした。

ですから、当然、『揺動板』を車両後方から外せるとも思い付きませんでした。

やっぱり思い込みってのはダメで、もっと観察力を上げなければ・・・。

さて、これが外した『揺動板』です。

古い機械の部品ですが、錆も少なく破損も見当たりません。

側面を観察すると、手で触って感じた糊の跡やシール材の痕跡があります。

ここに新しくシール材を作って貼り付けて、隙間を埋めれば良いのです。
なので、埃やシール材の跡、糊の溜まった物をスクレーパーで取り除き、アセトンで綺麗に拭いて下処理をします。

新しいシール材に使うのは、緩衝材に用いられるポリスチレン(多分)のシート。

昨年「六ノ里地域づくり協議会」で購入した机に入っていた物を、この目的の為に保存しておきました。

『揺動板』を乗せてマジックで形状を写して、カッターナイフで切り抜きます。

『揺動板』とボディの隙間は14mmですが、このシートの厚みは30mm。

30mmを14mmにしないと、いくら緩衝材は潰れるとは言っても、厚過ぎて摺動抵抗で動きません!

なので、12mmの端材に、カッターナイフの刃を1mmの両面テープ2枚で貼って、合計14mmの刃物を作って、これを使って14mmの厚みに仕上げます。

シール材の形状が出来たので、『揺動板』に貼り付けます。

使用する接着剤は『セメダインSUPER X』。
このシリーズは今まで接着不可だった材質を接着出来たり、接着速度の速い物から遅い物まで選べて本業の仕事でも重宝してます。

数種類有るシリーズの中から使うのは、両面に塗布して5分〜8分待ってから貼る『強力超多用途』。
今回は塗布する面積が多いので、速乾型だと途中で最初の方が乾くので慌てて作業する事になりますが、これだと焦らず作業出来ます。

『揺動板』へのシール材貼り付け完了。

シール材の剥がれを予防する為『揺動板』の貼り付け部の幅いっぱいに貼ってますが、このままだと接触面が広すぎて摺動抵抗が大き過ぎます。

なので、接触する幅10mmが残る様に、カッターナイフで削いであります。

貼り付けが完了しましたが接着剤の乾燥する時間を取るため、Vベルトを購入しに出掛けてきました。

左が付いていたVベルトで、右が購入してきた物。
埃で汚れているのもありますが、プーリーとの接触面に細かいヒビも入っていて、外側と内側の布も剥がれている所も有って切れるのは時間の問題。

このVベルトは奥まった部分に有って交換するのに外す部品が多いので、この際、交換しておくのが正解だと思います。

シール材貼り付けた『揺動板』と購入して来たVベルトも組み付けて、外した部品を元通りに組んで、今一度全ての動作確認をして、今回の整備は終了です。

使う方が少なくなったとは言え、今でも販売はされてますが、新品は高いです。
中古を探しても流通数が少ないので、ボロでも結構良い値段がします。

なので入れ替えは難しいです。
古い機械ではありますが、今回の整備で頑張ってくれると思います。

R7源蔵寺棚田再生 第5回目

「源蔵寺棚田の再生 第5回目」を実施しました。

町に比べれば最高気温は30℃と低い六ノ里ですが、それでも作業をしていると暑いです。
熱中症対策の休憩をとりつつ、無事に行う事ができました。

今回の参加者は、町からの一般のご協力者の方が3名、六ノ里のご協力者の方が3名、合計6名の方に協力いただけました。
参加いただいた皆様、誠に有り難うございました。

それでは当日の様子を紹介してまいります。

いつもの様に、六ノ里集会所に集合です。

今回はお盆明けの翌週で皆様お忙しいと思われ、少人数となりました。
ですが、常連の頼りになる方々ですので、少数精鋭で頑張ります!

今日の作業内容について簡単に説明を行い、その後、現地に向かいます。

作業の内容を紹介する前に、前回から圃場環境の改善された点を紹介します。

今年の圃場へは小さい沢を渡りますが、以前は丸太を渡した上を通ってましたが、凸凹していて渡りにくかったです。

そこで地元の鉄工所のご協力で、写真の様に鉄製の橋を渡しました。
通路側の方は斜面なので、橋との間の片側に隙間が出来て、そこに石を入れて設置してますが、近々、コンクリートで埋める予定です。

さて、現地に着いて荷物を運んで準備が出来たら、それぞれ作業を開始します。

草刈機を使う方以外は、畝間と畦部の草取りを行なっていただきました。

蕎麦は雑草に比べて成長が早く畝間の草は伸び難いのですが、蕎麦の株の根本に低い草が密集すると刈り取りの際に都合が悪いので、大きくならないうちに取り除くのです。

草刈機を使う方には、圃場の間の斜面の草刈りをお願いしました。

斜面で足場が悪いのと、草が伸びて蜂の巣が有る事も考えられますので、ご注意いただく様にもお願いしました。

今年の圃場の上の斜面を刈っていると、六ノ里の方が手伝いに来てくださいました。

今回、事情により六ノ里内への募集告知が遅れてしまい、たまたま準備しているところに通り掛かられ事情を説明したところ来ていただけたのです。
お忙しいところ、ありがとうございます!

1時間作業をしたら、熱中症対策で休憩をとります。

六ノ里でも日向は暑いですが、休憩する木陰はすごく涼しいのです。
水分補給で飲み物を摂りながら、色々な話をするのも楽しいです。

ついついこの素敵な時間を堪能していたいのですが、思い切って作業に戻ります。(笑)

十分な休憩をとった後は、作業再開です。

畝間の草取り、しゃがんでの作業で大変ですが、根気良く行なっていただけました。

草刈り班は予定していた斜面の草刈りを終えたので、来年再生予定の圃場も行いました。

雑草が茂っていても冬の積雪で押し潰されはしますが、この3年間の経験上からも、今の時期に草刈りしておくと来年の作業が少しは楽になるのです。

また、圃場の上の段の広場の草刈りもできました!(写真はその作業中)

ここは蕎麦の花が咲いた時に写真を撮るのに最高な場所なのです。
少し足元は悪いですが、ぜひ見に来て写真を撮ってください!

時間になりましたので、今日の作業は終了。

写真は作業の終わった圃場と周辺の様子ですが、皆様のご協力でこんなに綺麗になりました。

ちなみに来年の圃場は蕎麦では無く、野菜の栽培を考えてます。
野菜を育てて収穫を山分けみたいな感じになります。
写真の2人は『何を作ろうかなぁ』と相談されているのかもしれませんね。

最後に集合写真を撮影して、解散としました。
皆様、残暑の中、ご苦労様でした。

以上、第5回目の実施報告でした。

次回、第6回目は9月13日(予備日14日)に、今回と同じく畝間の草取り・周辺の草刈りを行なう予定です。

募集案内は「六ノ里地域づくり協議会 景観整備部」のサイト同インスタグラムに掲載されますので、興味を持たれた方は覗いてみてください。


本文中では、今の蕎麦の様子を載せてませんので、最後に紹介しておきます。

まずは今年の圃場の様子。

大雨の影響で畝の低い所と高い所で生育具合の違いは有りますが、この後、徐々に同じくらいになってくれると思っています。

生育具合に差は有りますが、どこも蕾から徐々に花が開いて来てます。

9月の頭には、真っ白な花の蕎麦畑になると思われます。
再生の進んだ「源蔵寺棚田」の様子と共に、ぜひ見に来てください。

そして最後に、前回の記事の前置きで紹介した「そば茶寮文福笠井」さんの下の圃場

種蒔き後、全く雨が降らなかったのですが、元気に芽を出して来てます。

これから徐々に大きく育って白い花をいっぱい付けると思います。
その様子は「そば茶寮文福笠井」さんの店内からも眺められますので、蕎麦を食べがてら、こちらも見に来てください。

ちょっと工作を

秋蕎麦の種蒔きと草刈りの日々の中、時間の合間でちょっとした工作をしましたので記事にしてみたいと思います。

が、その前に、いつもの前置きを少し。(笑)

残っていた「そば茶寮文福笠井」さんの下の圃場、本当はお盆前に種蒔きの予定でしたが雨に祟られて延期で、やっと出来ました。

まず、耕運機で耕して、レーキで均して。(8月16日)

畝立て専用機を倉庫から出して、軽トラに積み込んで圃場へ。

と来たら、普通は畝立ての様子ですが、いきなり種蒔きの終わった写真。(8月17日)

今年の六ノ里は暑くて暑くて、もう早く終わらせたくて・・・撮り忘れたのです。
まぁ、過去の記事でいっぱい書いたので、無くても良いかと。(笑)

これで今年の秋蕎麦の種蒔きは完了!!!(やっと終わった・・・)

さて前置きはここまでで、ここからが本題。
まずは沢水のパイプの修理。

我が家では、先達さん(我が家の前の住人の方)が農舎の前まで沢水を引いておられます。

この沢水、畑仕事で汚れた衣服や手袋から鍬や鋤簾、農機整備で油で汚れた手などなど、ちょっと洗うのに重宝してますが、先日、草刈りをしていて水が漏れているのを見つけました。
土の中からピューっと軽い放物線を描いて、です。(笑)

漏れている箇所を掘って見ると水が漏れない様に細工してありましたが、多分、今年の大雪が消える際、雪が土を引っ張って接続部が抜けかけて漏れ出したのだと思います。

漏れなければ良いので同じ様に直そうかと思いましたが、また大雪が降って同じ様になるのも癪なので配管用の部品を利用して直しました。

太いパイプの外径が塩ビ管の75mmに近かったので、塩ビ管の端末を止める部材をベースに、接続する塩ビの太さに近い塩ビ管の接続部品を使って写真の物を制作。

これをシリコン・コーキング剤を塗ってから太いパイプに打ち込み、このままでもまず抜けては来ないと思いますが、念の為に、抜け止めでビスで入れてから接続部をシリコン・コーキング剤で固めてます。

シリコン・コーキング剤がほぼ固まるまで2日ほど放置して、農舎に引いてある塩ビパイプを接続し埋め戻しました。
施工後、1週間以上経ちますが漏れてきて無いので、まず大丈夫かと。

次は野菜苗を育てる際の苗箱カバーの製作です。

通常、白菜などはポットで苗を育て、それを畑に定植して防虫ネットを掛けます。
が、苗を作る際にも蝶々などが飛んで来て苗に卵を産みます。

となると、いくら定植後に防虫ネットを掛けても意味が無くなるので、育苗用の苗箱カバーを作ります。(前から作れと言われてましたが、やっと気分が乗って製作)

まずは使う苗箱のサイズを調べて、仕事に使うCADで必要な材料のサイズを出します。

簡単な物ですから、わざわざCADを使う事も無いのですが、たまには使わないとCADの使い方を忘れてしまうので。(笑)

30mm角の木材を買ってきて、CADで出した寸法にカットして。

木材にダンポールを差し込む穴を開けてから、ネジで固定したら完成。

ダンポールを差し込むと、写真の様になります。
仕舞う際は、ダンポールを抜いて木製のフレームに縛り付ければ場所も取りません。

使い方は(説明するまでも無いかと思うけど)、「カゴトレー」に苗のポット入れて並べたところに、これを被せて、

そこに防虫ネットを被せて使用します。

写真は防虫ネットを石で固定してますが、これは使用状態を説明するための仮。
実際は防虫ネットを必要な大きさに切って被せて、画鋲で止めると良いかと思います。

これを作った理由(気分が乗った理由)は、今まで我が家で育苗する際は、そこらに有る物で適当にやってましたが、来年「源蔵寺棚田の再生」で皆んなで苗を育てて白菜を作ってみようと思っているからです。

その際に、育苗中に虫が卵を産んで、『虫だらけ、食い跡だらけになるのもなぁ』と。
参加者の中には、虫がダメって方も居るかもしれませんし。

最後に。

お盆が過ぎて六ノ里では、朝晩涼しくなって来ました。

今日、8月18日、種蒔きの終わった圃場周りの草を刈って来ましたが、空にはこんな秋を思わせる雲が。

六ノ里より下(しも)の集落の田んぼでは、稲穂も出揃って来て。
その上を「アキアカネ(赤とんぼ)」が乱舞してます。(この写真では見えませんが)。

もうすぐ秋が来て、稲刈りの季節になります。
そして稲刈りが終わったら、蕎麦の刈り取りにもなります。
あと少し、草刈りにも頑張っていかないとなぁ。(笑)

ここ最近の様子は

前回の記事で「今年も蕎麦な毎日」を書きましたが、蕎麦以外にも「六ノ里暮らし」を楽しんでます。

今日はその様子を書いてみたいと思います。

栃洞白山神社の「宮掃除」。

ここ栃洞地区では、2021年に「郡上市景観百景」に認定されたのを機に、毎月第1日曜日を「景観整備の日」として、地区内の景観整備活動を行なってます。

今月は9月7日に栃洞白山神社の例大祭を行うので、境内の清掃や周辺の草刈り、植え込みの剪定を行いました。
この写真は当日は忙しくて撮って無く、フライングして前日に草刈りした物。(笑)

ちなみに、この例大祭は毎年9月7日に行われ、その日をここらでは「縁日」と呼び、神事を拝殿で執り行い、その後「直会(なおらい)」が行われます。
詳細に付きましては、こちらの過去記事をご覧ください。

景観整備活動が終わると、毎回、地域の女性陣が季節に合わせた食事の用意をしてくださりますので、皆でお昼をいただきます。

食事の味もですが、老若男女、地域の方同士の語らいも魅力なのです。
もっとも女性陣の尽力があっての事ですので、感謝を忘れてはなりません。

そして、今年からこの楽しい食事会の際に、地元の方の「お誕生日会」も行ってます。

この「お誕生日会」は、昨年の忘年会の際、当時の組長が『母が今月誕生日なので、忘年会に合わせて誕生日会をしたい』と言い出したのがきっかけで始まりました。

地域の方がいつまでも元気でいて欲しいし、お一人で暮らされてる方は誕生日を祝う事もなかなか無いと思えますし、出来れば続けて行きたいと思ってます。

地域活動の話をもう一つ書きます。

六ノ里には、標高1612mの白尾山があって、その登山道の草刈り整備(「草刈り登山」ですね)を毎年地域の有志で行なってます。

先日、今年の「草刈り登山」がありましたので、私も参加してきました。

少し周りの木々が成長して邪魔ではありますが、山頂からは360度のパノラマが楽しめ、白山や御嶽山、恵那山が見え、聞いた話では名古屋のツインタワーも見えるとか。(写真は白鳥の町の方向のものです。)

『白尾山は、かつては白山信仰の山で修験者が登る山でしたが、今は「白尾山登山」として山頂まで約1時間半、数か所傾斜のキツイ場所がありますが、初心者でも楽しめます。』

と、色々なところで書かれてますが、草刈機を持ってとなると話が違ってきます。
山頂までの数か所の傾斜のキツイ場所、何度か草刈機が重くて嫌になりました。

ですが、山頂で食べるおにぎりの味は格別なので『来年も頑張って行こうかな』と思ってます。

次は「自給農家」の様子を書いてみましょう。

我が家では田んぼや畑をやってますが、自家消費で出荷しませんので「自給農家」なのです。

で、まずは稲作。
我が家の通称「東の田んぼ」は、今はこんな感じで、

そして、通称「上の田んぼ」は、こんな感じ。

どちらの田んぼも緑の濃さが違うツートーンになってますが、これは濃い方がタカヤマモチ(餅米)で薄い方がコシヒカリ(うるち米)と品種が違うから。

近づいて見ると、タカヤマモチは稲穂が出てます。
コシヒカリは、もう少ししたら出て来るかな。

ただ今年は、コシヒカリに目立って色の濃い所と薄い所が有るのが気になってます。
雑草が多かった所が肥料を取られて生育が遅れたのか、肥料の偏りがあったからなのか。(丁寧に2回も代かきしたので有り得ないけど)

まぁ、どちらもいっぱい採れて、コシヒカリの方は食味値も良いといいなぁ。

さて、次に、畑の方はと言うと、

まず、トウモロコシ。

ここ数年夏が暑くなったとは言っても、ここ六ノ里は寒暖差が大きく、水が良いので美味いトウモロコシが育ちます。

大きさがバラバラなのは収穫時期をずらす為に、時期をずらして植えたからです。
トウモロコシは採りたてが一番美味しいので、少しづつ採り頃になるのを狙ってです。

いっぱいイボ竹(農業用の支柱)を立ててあるのは、大雨で倒れたのを起こした支え。

こちらはスイカで、他にも数個、徐々に育ってます。

ただ育て方が悪いのか、ここ栃洞が夏でも寒い日が有るからか、本当はお盆時期に採れると良いのだけどまだ小さい。
でも、味はきっと美味いはず!(笑)

こちらはカボチャ。

そして、こちらも形と色がらしく無いですが、カボチャ。(らしい)

これらが育って採り頃になって来ると、必ず「ヤツ」がやって来ます!

そう、「ヤツ」と言うのは「ハクビシン」。
東京の「三鷹市」の都市整備部ホームページから引用させていただきました。)

こっちが採り頃になって味わうのを楽しみにしてるのに、トウモロコシもスイカもカボチャも、全部綺麗に食っていきます。
見た目は可愛らしくても、許せません!

なので、イタズラしない様に電気柵を、畑の外周ぐるっと一周張ります。

ハクビシン対策が主なので、下から一番下が10センチ、2番目が20センチ、3番目が45センチ位の高さにケーブルを張ってます。

写真の箱の中に本体とバッテリーが入ってます。
オレンジ色の支柱の右手にある茶色い物がハンドルで、畑に入る際に足を引っ掛け無い様に、ここで切り離せます。

電気柵は雑草が触れるとアースになって効かないので、ケーブルの下には全周防草シートを貼ってあります。

なお、誤ってケーブルに触れると凄く『痛い!!!』(経験者談)ので、間違っても触れない様にお願いします。(誰も触らないとは思うけど・・・)

最後は、また蕎麦の話。(笑)

前回の記事で書いた源蔵寺棚田の中段の蕎麦は、種蒔き後に何度か夕立の日が有って、畝が雨で濡れて炎天下で乾燥してを繰り返して、土が固く締まってしまいました。

なので『無事に発芽するか?』と心配でしたが、蕎麦、凄いです!
写真の様に固い土を地割れの様に押し除けて、無事に発芽しました。
(最初『モグラが入ったか?』と、ドキッとしましたが。笑)

今では、こんな感じに緑の線になって来ました。

ここも無事に育って、秋に『美味い蕎麦が採れると良いなぁ』と思ってます。

以上、ここ最近の事を書き連ねました。

世の中はまだ暑い日が続きますが、ここらはお盆を過ぎると過ごしやすくなります。
しかし、まだまだ雑草は伸びるので、畑仕事に加え草刈りも頑張ろうと思ってます。

今年も 蕎麦な毎日

先日「源蔵寺棚田の再生」第4回目を記事にしましたが、その後も蕎麦な毎日が続いてます。
今回は、その様子を記事にしてみたいと思います。

先日の「源蔵寺棚田の再生」の第4回目にて、常連の皆様と東京の自由学園の皆様のご協力で、今年開墾した圃場に蕎麦を蒔きました。

その際、支柱作り班の皆様に、鹿避け網を張る支柱を制作していただきました。
*製作の様子は、前回の記事を参照ください

今までは出来るだけ真っ直ぐな竹を選んで伐採して作っていただきましたが、自然な物ゆえに、真っ直ぐなのはなかなか難しいです。

今年は竹を火で炙って真っ直ぐにするのをやってみたくて、気にしないで作っていただきました。

この火で炙って真っ直ぐにするのを「矯め直し」と言うそうです。
やってみると結構太くても思ったより簡単に曲げ直せました!

そして、7月29日に、それを用いて鹿避け網を張りました。

鹿避け網を張っていて、ふと見ると畝の上に蕎麦の芽が!

最初は去年のこぼれ種が芽を出したのかと思いましたが、よくよく見るとちゃんと筋になって出てます。

と言うことは間違い無く今年蒔いた蕎麦の芽で、種蒔きから3日目の発芽なので予定よりかなり早いです。

鹿避け網に続いて、ウサギ避け網を張っている最中に突然の雷雨・・・。

とりあえず車に避難しましたが、すぐに雨は上がって。
ちなみに雷雨は源蔵寺だけで、栃洞はパラっとしただけだったそうです。

無事にウサギ避け網も張り終えて、これで一安心。
明日からは去年開墾した圃場の種蒔きに向けて、準備をしていきます。

翌7月30日。まずは、今年の圃場の様子から。

昨日、チラホラだった発芽は進んで、少しだけど緑の線になって来ました!

この日の作業は、昨年開墾した圃場の畝立て前の耕起です。
畝立て専用機には耕す機能は無いので、先に耕運機で丁寧に耕します。

ここは5月に耕していますが、その後2ヶ月経ってますので、当然草が生えてます。
なので、それを耕しながら手で取り除き、また耕して出て来る大きな石も取り除きながらで、進んでは停めての面倒な作業です。

なお、うちの畝立て専用機は耕運機で耕した跡がそのままだと、車輪が取られて上手く畝が立てられません。
なので、耕した跡を、耕し終えた所からレーキで均します。

この圃場は10a(1000平方メートル)弱ありますから、これらを行うのはかなりの仕事量となるのです。

『耕運機じゃなくトラクターなら、草を漉き込みながら耕せるのか?』『でもトラクターじゃ石を取り除きながらは無理か?』『トラクターなら耕しながら綺麗に土を均せるのか?』などと、色々考えながらやってました。(笑)

さて翌7月31日。
この日は「そば茶寮分福笠井」さんの下の圃場の耕起から。

以前書いた記事のとおり、夏蕎麦の収穫後に草刈りをしておいたのですが、たった1ヶ月で写真の様に草が伸びてます。

ここの圃場の種蒔きは1週間後の予定なので、まだ時間がある様に思えますが、この生えた草を漉き込んで熟させる為に早めに耕しておきます。

出来るだけ漉き込もうと何度も耕運機を往復させましたので、終わったのはお昼前。

ですので、ここで一度昼食に戻り、昼からは源蔵寺の圃場で畝立てです。

午後の作業の前に、今日の今年の圃場の様子です。

日に日に緑の線が濃く太くなって来てます。

近づいて撮ってみました。今は双葉が出ています!

ところで、この写真、なんか中心以外がボケてて変ですよね?

実は先日8年使ったスマホのディスプレーが浮いてダメになりました。
当然8年前の機種なので修理不能 → 破損・紛失の保険で新しい物に。
(新しいと言っても8年前の機種の代替えですので、そこそこ古い機種です。)

で、その新しいスマホのカメラにボカシ撮影の機能が有ったので使ってみたのです。

が、なんか思ったのと違う。(笑)

そもそも老眼なのでディスプレーを良く良く見ても、どの範囲がボケてるのか分かりませんので、しばらく失敗写真を撮って感を養うしかないかな。

余談でした。本題に戻ります。

午前中「そば茶寮分福笠井」さんの下の圃場を耕している間に、残った均しを終わらせてもらいましたので、これから畝立てです。

ここは耕地整理された圃場ですが、綺麗な四角と言う訳ではありません。

ですので、出来るだけ多くの畝を立てられる様に、写真の様に圃場にピンクテープでガイドを作ってから行います。

ちなみにこのピンクテープは、効果の無かった鹿避けテープです。
効くと思って2巻も買ったので、まだいっぱい残りが有るのです。

*圃場の外周に1段で巻く使い方ではダメでした。
鹿の目線高さまでに2段にぐるっと圃場の周りを取り囲むなど、物理的に侵入阻止する様な使い方であれば効果があるのかもしれません。

3時間程で、畝立て終了。
こうして見ると畝が曲がってるでしょ?

気持ちは真っ直ぐに畝立てしたいのですが、畝立て専用機の土寄せ板が硬盤(耕盤)に埋もれている大きな石に引っ掛かって曲がるのです。

写真奥側はまだマシですが、手前は隠れた石が多くて引っ掛かって曲がる曲がる。
『まぁ曲がってても生育には問題無い』と気にする自分に言い聞かせて、これで良しとします。(笑)

畝立てが終わったので次は種蒔きですが、今回は先に鹿避け網の設置を行います。

と言うのは、畝立て前にも畝立て後にも、鹿が圃場に入り込んでるからです。
せっかく種蒔きしても、奴らに踏み荒らされてはたまりませんから!

で、鹿避け網ですが、去年までは写真の様に各圃場ごとに独立して囲ってましたが、これだと隣り合った箇所は鹿避け網が2重になります。

言葉では分かりにくいので図にすると、こう言う事です。

この圃場は先に書いたように面積が広いので網の量が多くなります。
2重になっている部分は無駄なので、網の量は出来るだけ節約したいのです。

また2重になっている間は斜面なので、斜面の上下に網が有ると草刈りがやりにくいです。

なので、こんな感じにします。

これだと鹿避け網の量を減らせるし、斜面の草刈りもやり易いです。

この方法で鹿避け網を設置したのが、この写真。

草の緑で少し分かりづらいですが、奥と手前に斜面を横切る様に張ってます。
これで安心して種蒔きが出来ます。

8月4日、いよいよ種蒔きです。(昨日は地域の大事な行事が有ったので)
ここの圃場も当然「種まき機ごんべえ」を使います。

さすが「種まき機ごんべえ」、畝数24本を約30分で完了です。

種蒔きは無事に終わりましたが、今の懸念事項は明日からの天候です。

どうも3日ほど不安定そうなので、雨がいっぱい降らないで欲しいです。
蕎麦は種が長い時間水に浸ると、発芽率が一気に落ちるからです。
稲作で水不足の地域の人には、怒られるかもしれませんが・・・。

まぁ、その為にも畝立てして蒔いているので、かなりの大雨が続かない限りは大丈夫だと思います。

さて、源蔵寺の種蒔きは、これで終了です。
次は1週間後を目処に「そば茶寮文福笠井」さん下の圃場に耕起、畝立て、種蒔きを行う予定です。

もう少し「蕎麦な毎日」が続きますが、草刈りと並行して頑張ります!

R7「源蔵寺棚田の再生」 第4回目

「源蔵寺棚田の再生 第4回目」を実施しましたので、記事にしてみたいと思います。

第2回、第3回目と雨で中止といたしましたが、中止分の作業は有志の方にご協力いただき順調に進めて、第4回目を迎える事ができました。

今回の参加者は、町からの一般のご協力者の方が6名、東京の自由学園の方々が16名、「六ノ里」の方が2名、合計24名の方に参加協力いただけました。
参加いただいた皆様、誠に有り難うございました。

当日の様子を紹介する前に、事前準備の様子を紹介しておきます。

第4回目を前に、まずは圃場周辺の草刈りを実施。

昨年の圃場に比べ水草系の雑草が少なく、格段に効率良く作業が進んで来ました。

中止となった第3回目を前に、耕運機で圃場を耕して雑草の根を取り除いてましたが、向かって圃場の左側部分は取り除きが甘かった様で、思った以上に草が伸びてます。

畝立てを前に、今一度しっかり耕運機で耕しました。
と同時に、残っていた雑草の根も、綺麗に取り除いてます。

そして、その後、畝立てを行いました。

昨年は1畝に2列種蒔きしましたが密植となって激しく倒伏してしまい、せっかく作った蕎麦用バインダー「SO-Binder」を活用出来ずに、手作業での収穫で苦労しました。

今年はその反省から、1畝に1列蒔ける様に畝幅を狭くしてます。
この方法は今年の夏蕎麦の栽培で実践し、記事の様に「SO-Binder」で短時間での刈り取りが出来てます。

では、ここから当日の様子を紹介していきたいと思います。

いつもの様に、六ノ里集会所に集合です。

自由学園の皆さんは「源蔵寺・畑ヶ谷遊歩道」を歩いて現地集合なので、その旨を主催者からお伝えし、今日の作業内容について簡単に説明してから現地に向かいます。

その際に、参加者が多くスタッフだけでは回らないので、常連の一部の方に作業リーダーをお願いしました。

現地に着いて道具を運んで準備をして程なく、自由学園の皆さんが到着されました。

全員が揃ったところで「ふるさと指導員」より挨拶と、本日の作業の説明を行いました。

今日の作業内容は、蕎麦の種蒔き、鹿避け網の支柱作り、周辺の草刈りとなります。
種蒔き班と支柱作り班に別れていただき、各班のメンバーが決まったところで、それぞれ作業に入ります。

周辺の草刈り作業の様子。

本来なら常連の参加協力者の中で草刈機を使える方数人で行う作業ですが、今回は生徒さんの数が多く、そちらの対応で人手が裂けません。

そこで、冒頭に書きました様に前日までにおおまかな所は済ませておきましたが、残りの部分について、申し訳ありませんが常連の「草刈りのスペシャリスト」の方お一人で対応願いました。

まずは種蒔き班の様子。
昨年より試験導入していた種蒔き機を、今年から正式運用です。

種蒔き機を用いる理由は、深蒔き出来るからです。

昨年はイボ竹を使って溝を作って蒔きましたが、この方法だと、どうしても浅蒔きになります。
これでも通常は問題無く蕎麦は発芽するのですが、この夏の猛暑で種が焼けてか、発芽率が悪いのです。

また、浅蒔きでは、芽が出る際に蕎麦の殻を付けて土から出てきます。
すると『種が落ちている!』と思うのか鳥が食べるのですが、深蒔きは芽が出るまでに土中で殻が取れるので、その様な事が起こらないのもあります。

そして何より、作業が安定して短時間で終わる事です。
狙い通り以上に、1回目の休憩までに種蒔きを終える結果となりました。

昨年までのイボ竹の方法では、力加減で溝が浅くも深くもなりますし、種を蒔く量だってバラツキます。
それを経験値の少ない方に均一に、と望む方が無理です。

せっかく種蒔きしたのに、インスタグラムを見て育って無いと悲しいですよね。
なので、それもあって、誰でも均一に安定した結果を短時間で出せる種蒔き機の導入なのです。

次に、鹿避け網の支柱作り班の様子。

竹の伐採作業はチェーンソーを使うので、危険ですので慣れた方にお願いしてます。
チェーンソーには竹切り用の刃を取り付けてあります。

伐採作業は、まず倒す方向を決め、他の方に声を掛けて待避してもらい、倒す方向の安全を確認した後、一気に切り倒します。

伐採後は、見本の支柱を元に長さに切って、その後、枝を払います。

長さに切るのには竹用の刃をセットした電動ノコギリを用いますが、これも使い方では危ないので作業リーダーの方にお願いしてます。

枝払いには、ナタや竹筒で叩き落とす方法、枝切り鋏で切り落とす方法がありますが、やり方を説明した後で試していただき、それぞれやり易い方法で行います。

休憩の様子です。

町に比べれば気温は低いですが、それでも30度近くの炎天下の作業ですので、熱中症対策で30分毎の休憩を取ります。

休憩の間は生徒さん、先生方、一般参加の方が混じり合って、色々なお話で盛り上がってました。

休憩後は、

種蒔き班は、休憩前に作業が終わっていたので、大豆を植えている所への藁敷きを行っていただきました。

自由学園の生徒さん達の「源蔵寺棚田の再生」への参加目的が『里山の農作業に触れる』ですので、畑作業も良い体験になったのではと思います。

自由学園では那須高原に圃場を持たれていて不耕起栽培をされているそうで、その農法について説明していただきました。

鹿避け網の支柱作り班の、今回の成果です。

今年の圃場には14本支柱が必要で、15本作っていただきました。

予定時間となりましたので、本日の作業は終了です。

炎天下の中、ご苦労様でした。
最後に集合写真の撮影をして、解散です。

1週間ほどで、芽が出て来ます。
その様子は「六ノ里地域づくり協議会 景観整備部」のインスタグラムで紹介されます。

以上、第4回目の実施報告でした。

次回、第5回目は8月23日(予備日24日)に、畝間の草取り・周辺の草刈りを行なう予定です。

募集案内は「六ノ里地域づくり協議会 景観整備部」のサイトで行われますので、興味を持たれた方は覗いてみてください。

是非、ご参加いただき一緒に蕎麦を育てましょう!
多くの方のご協力を、宜しくお願いいたします。